007 全力×全開=恍惚
「ちょっとちょっとぉ! ストーップ、タイムゥ、私ってば今埋まってるのよぉ」
あ、やっぱり生きてた、まあ簡単には死なないんだけど灰にもなってないってタフだなあ。
「構わん、撃てぃ!」
「これぐらいで良いだろう『ザナロ』」
十六夜さんは切断魔法かー、って、ぶ、物騒だなあ。
「『クァナロル』ですわ」
イアンスは石槍の投擲か、制御のいるのを選んでくるなあ。
「オラ、折角の的がいるんだ、きちんと狙えよ!」
うわぁ、えっと関心してる場合じゃなかった。
ヤバイ、ラウラさんのあの目は取り合えず撃っとかないと!
「『ヴィヴァ』」
一番基本の火の弾の魔術なら大丈夫だよね。
「貴様らぁ! 初級の魔術なんて使ってんじゃねえ、戦闘で強敵が出た事を想定して中級以上限定だぞ」
――ギロッ
なんか睨まれた、え、駄目?
やっぱりコレぐらいじゃさっきの発言は許さないのかぁ。
中級の魔術で仕込んであるのって、うわぁ『ナロ』系統だけだ、鉄の槍だけど大丈夫かなあ。
「『ラナロル』」
「誰ですかっ、私の美しい体に刺さるでしょう――ッ、キャァアア!」
でもなんだか余裕っぽいな、うん折角出した術式だしな、後はコレを発動させておけばいいや。
――ドッゴーン……
こうして暫くの間訓練場には魔術の着弾音と変態の悲鳴が鳴り響いた、アーメン。
「制御が難しいからって初級程度に頼ってたらこうやってたった一人でも倒せないのが判るな? もう一点注意があるとすれば、魔法の方が実際に使いこなせれば強い、がだ、戦闘中に明確なイメージを込めてやらないと発現しない不安定な腕前の者なら魔術の方が確実に発動するという利点がある」
確かに、あのキュクロープスだって高威力の魔術なら攻撃が通った筈だもんな。
「おい、バートリー、ちったあ本気出していいぞ」
「あら、宜しいですの? 折角のご指名お断りするのも野暮というものですわ、ウフフ。ジル昇天しないように気をつけなさいな、本気でいきますわよ」
「もうッ本気って貴女! 私を殺す気満々でしょう、昇天なんてしないわよ――ゴイヤァ!」
あ、男言葉になってるってことは薬も使ったんだ。
でもイアンスの本気はソレぐらいじゃないとヤバイよね。
「オーッホッホッホッホ! 覚悟は宜しくて? 私自慢の多重術式展開ですわ、『フルバースト』」
ちょ、幾らなんでも多重術式は拙くないかな。
「安心なさい、中級までの多重術式です」
安心できないよぉ!
「この! ドブスフザケヤガッテェ、『ドーピング』ダケジャ足リネエダロウガ『ヴァルディルザナヴローヴァ』」
「よく見てろ、アレが現状魔術で貴様らが使えるだろう最高の物を凌ぐ魔術の応酬だ」
冷静に説明する場面なのか……
「ふむ、流石はヴィヌヴだな、魔術なら奴らは良い腕をしている」
十六夜さんも関心してみてるけどさ――
――ドンッドガーンドゴーンッド……
幾らなんでもフルバーストは酷いと思うなあ、まあジルも一応は複合結界を張ってたし大丈夫だとは思うけど持つかな。
――パリィン
あ、結界は駄目だったっぽい。
「シャオラァ!」
うん、大したもんだよね、地面にもう一つ物理結界と防壁を作り上げてたっぽい。
――ドドドッゴーン
でも着弾してるところがイアンスの恐ろしさだね。
「洋服がボロボロよぉ、今日は……コレぐらいで勘弁しておぶほぉ――」
よくボロボロで強気な発言ができるもんだなあ、倒れたけど。
「思った以上に耐えましたわね、折角の機会でしたのに」
やっぱり殺す気でいったんだね。
何がそこまでさせるのだろうか……
銃を撃ったら乱射するっていうあれかな?
無差別に発動させるのは止めてね。




