017 愚者÷(愛情×家族)=殲滅×灰燼
彼女達へのお仕置きの内容は自分にもダメージがあるので横においておこう、だが一言残すなら『おっぱいは触るだけにあらず、其は至福を齎し、希望を与え、優しさで包み込む、夢の物質、撫でてよし、突いてよし、味わってよし、だがなによりも、抓る事こそ至高である』とね。
まあ、そうやって、なんだかんだと騒ぎながらも、翌日から訓練は続いて数日同じように昼は訓練、夕方からは何故かイチャイチャとする事での訓練を続けた結果、漸くそれらの特訓の甲斐もあってか、変身の感覚が掴めそうになった所に二人の実家から返答の使者が訪れたんだ。
「それで、イアンスの実家が難色を示していて、十六夜の方も一族から反対者が出てると……」
「うむ」
父さんも苦虫を噛み潰したような表情だ。
まあ両家ともに名の知れた一族だからなあ。
プライドやなんだと色々ありそうだ。
でも我が家も高いからなあ、その辺りは仕方が無いとも思う。
少し暗い表情になった十六夜とイアンス、こんな表情はさせたくないな。
「それは私の母からの返事でしょうか?」
イアンスの方は一応は実家を一度は通した話だし、イアンスが両親――特に母親を説得したらしいんだよなあ。
心中は複雑だろう。
「私のほうは、恐らく分家の連中か」
十六夜は大神の直系だからかな、僕も余り詳しくは知らないが、兄弟はいたから後継者問題ではないはずだけど。
何にせよこれは一筋縄では済まなさそうだけど絶対に諦めない。
十六夜直伝のDOGEZAでも何でもして認めてもらおう。
「十六夜、DOGEZAの方法のおさらいをしよう!」
あ、あれ?
「「フフフッ」」
二人の目つきが険しくなったと思ったら壮絶な笑みを浮かべて笑い始めたよ。
「いや、これは土下座の必要は無い、私の結婚は私が決める事だ、私の結婚に態々権利も無いのに口を出すような分家など滅してしまえばよい」
「私もですわよ、DOGE―ZAが何か判りませんが私の恋の邪魔をする者など灰燼に化してくれますわ」
いやいや、どうしてそう君たちは僕の斜め上を行く決断をするかな。
滅するとか灰燼と化すとか分家か本家かしらないけど逃げて!
「あら、ルクスのお嫁さん達はもう我が家流ね!」
「ウフフフ、いい義娘で嬉しいわぁ、ねえ貴方」
「そうだな、それでこそルクスの嫁に相応しい」
「ククク、反対などとは面白いなあ弟よ」
「我らが最近は丸くなったなどと思っているようだな兄者」
あれ、全員が戦闘態勢に移行してるんだけど、え、僕がおかしい?
ここはあれかな、一緒に殴りこみにいくテンションになるべきなのかなー、とか思うわけが無いだろう。
「ストップだよ、結婚の許可を貰うだけだから! それに自分の奥さんの関係者を血祭りに上げるのは良くないからね? 二人も実家と関係が悪化するような事いわないの」
「むぅ、ルクスがそういうならば一応は待つか、なあリリアーヌ」
「もう、ルクスちゃんは優しいのだから」
もう僕はドラクル家の良心と名乗ってもいいのではないだろうか。
まあ冗談のような本当の話、僕が生まれてから実際兄さんが言ったように丸くなったと噂が流れているのだとか、判ってない、皆、全くもって判ってないよ。
そんなの致死性の毒の塗られたナイフでジャぐリングしてるようなものだよ。
不条理では動かないと思われがちだけど少しでも理が此方にあれば全てをひっくり返す事のできる集団だよ。
なんであれほど神話や伝承で語られているか皆忘れすぎだよ……
たかだか17年程、大人しかったから今後も大人しいなんて甘いよ。
「なんにしても、僕が話しに行くから、特に兄姉さん達は絶対に何もしちゃ駄目だよ」
こっそりと話に加わらないで階段へ向かう兄姉達に釘をさしておかないと。
「何って」「そんな」「ねえ」
「地下室に行こうとしてる時点で信用度零だよ!」
「「「だってな、ルクス、お義兄(姉)ちゃんて呼んでくれたんだぞ」」」
そんな理由で消えそうになってる分家や反対者の人達っていったいなんなんだろうか。
「納得してもらって奥さんになってもらうから、いいね」
「「「はーい」」」
「「奥さん……いい」」
「あらあら、もう奥さん呼びよあなた」
「初々しくていいなあ、リリアーヌ、そうだ昔のように兄さんと呼んでもいいぞ」
ああ、あっちは僕を茶化すついでにラブラブモードに突入したし。
兄姉達はしょんぼりしてるし、おく、ゴホン、十六夜とイアンスは夢の世界だし。
はぁ……
「セヴァス、両家と予定の調整を頼む」
「畏まりましたルクス坊ちゃま、立派になられて私共も大変嬉しく思っております。お優しいお心は理解しておりますが、我ら眷属一同も何か御座いましたらば何時でもやれますぞ」
『主、急ぎ融合を果たさねばなりませんな』
『ご主人様、朔殿の言うとおり、何があるやもしれません、是非戦闘に備えて融合を成し遂げませんと」
本当にこれで愚にもつかない内容だったらどうなるのかなあ。
――ガクブル
うう、考えただけで壮絶な幻視が……
僕は朝から精神が限界まで削れた気がする。




