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18/35

1-18:風呂

 部屋へ戻る頃には、さすがに少し疲れが出ていた。


 思い返してみれば、とんでもなく濃い一日だった気がする。


「お嬢様。お疲れではございませんか?」


 扉を閉めながらミゾレが尋ねる。


「うん、ちょっとだけ」


 そう言いながら私は大きく伸びをした。


「でも……楽しかった!」


「それは何よりでございます」


 ミゾレが柔らかく微笑む。


 その笑顔を見ていると、なんだかこちらまで安心する。


「それでは、お着替えをいたしましょう」


「あっ、そうだった」


 今着ているのは豪華なドレスだ。


 朝からずっと着ていたけれど、構造が複雑すぎて自力では脱げる気がしない。


「では、お願いします」


「かしこまりました」


 ミゾレは慣れた手付きで背中の留め具を外していく。


 カチャリ。


 カチャリ。


 幾つもの装飾が外され、重ねられていた布地が解かれていく。


「ねぇ……思うんだけどさ」


「はい」


「これ、一人で着るの無理じゃない?」


「無理でございますね」


「即答!?」


 思わずツッコミを入れる。


 ミゾレは少しだけ笑った。


「王族用の正装ですので」


「そ……そっか」


 やがてドレスは丁寧に畳まれ、代わりに柔らかな部屋着へと着替えさせられた。


「ふぅ……」


 肩の力が抜ける。


 やっぱり楽な服は最高だ。


 このままベッドへ飛び込みたい。


 そんなことを考えていると――


「お嬢様」


「ん?」


「お風呂へ入られてはいかがでしょうか」


「お風呂!」


 一瞬で目が覚めた。


 そういえば、昨日から色々あってお風呂に入っていない。


「入りたい!」


「ではご案内いたします」


 ミゾレに連れられ、浴室へ向かう。


 すると。


「えっ」


 私は足を止めた。


 目の前にあったのは、もはや浴室というより高級温泉旅館の大浴場だった。


 白い大理石の床。


 壁を彩る美しい装飾。


 柔らかな光を放つ魔法灯。


 そして中央には巨大な湯船。


 湯気がゆらゆらと立ち上り、幻想的な雰囲気を作り出している。


「広っ……!」


 思わず声が漏れた。


「こちらは、お嬢様専用の浴場でございます」


「専用!?」


 王族すごい。


 本当にすごい。


 この世界に来てから何回目か分からない感想だった。


「では、ごゆっくりお入りください」


「うん!」


 私は嬉しくなりながら服と下着を脱ぎ、浴場の中へ足を踏み入れた。


 まず最初に、私は浴槽の手前にある洗い場へ腰を下ろして髪を洗った。


 そして髪を洗い終えた時、何気なく壁際の大きな鏡へ目を向けた。


「……」


 そこに映っていたのは――


 透き通るような白い肌。


 ふわりと流れる金色の長髪。


 蒼い宝石のような瞳。


 どこからどう見ても、絵本や物語の中から飛び出してきたような美少女だった。


「やっぱり可愛いよなぁ……『リア』の顔」


 何度見ても慣れない。


 鏡の中にいるのは間違いなく自分なのに、未だに少しだけ不思議な気持ちになる。


「これ、本当に私なんだよなぁ……」


 そう思うと同時に、身体の“とある”部分に目がいってしまった。


「てか、リアの胸……でかっ!」


 薄々は気付いてはいたけど、改めてきちんと見ると綺麗な形をした豊満な胸だ。


 D……いや、Eはあるよな。


 前世の私、アリサの時はBだったからなぁ……。


 そんな事を考えていると、気付けば自然と目の前にある豊かな果実を揉んでいた。


 すると――


「ご自身のお胸を触って、どうされたのですか?」


 突然、背後からミゾレの声が聞こえた。

 

「ふぎゃぁぁぁぁ!?」


 あまりの驚きと恥ずかしさに変な声が出てしまった。


「それはその……いや、違うくて、へ……変な意味はなくて……」


 言い訳をしようと背後を振り返ると、そこには――


 全裸のミゾレが立っていたのだった。


 綺麗な肌に、抜群のスタイル、そしてリア以上の豊満な胸。


 なんてエッチな身体なんだ……。


 ヤバいっヤバいっヤバいっ……!


 興奮しすぎて鼻血が出そう。


「どうなさいました? お嬢様?」


「だ……大丈夫! 大丈夫! 何でもないから安心してっ」


 そう言って、急いで前の方へ向き直す。


 本当にヤバい……。


 とりあえずシャワーを浴びて一旦気持ちを落ち着かせよう。


 そう思いシャワーに手を伸ばそうとしたら――


 むにゅ。


 何か……背中に当たる二つの柔らかい感触を感じた。


 まさかと思い、恐る恐る振り返ると……


「ミ……ミ……ミゾレさんっ!?」


 思っていた通り、私の背中にミゾレの胸が押し付けられていたのだった――。


「こ……これはどういうっ」


「失礼いたします。お身体を洗わせていただきますね」


「いやいやいや、大丈夫だよっ! 一人で洗え――」

 

 そう言い終える前に、背中にくっついてる二つの柔らかいものが上下に動き始めた。


「ちょっ、ちょっ、ちょっと!?」


「気持ちいいですか? お嬢様?」


 ミゾレは当たり前かのように平然と聞いてくる。


 こ……この洗い方、変だよね!?


 これ、もうえっちぃお店での洗い方だよねっ!?


 それとも、王族はこんな風に身体を洗ってもらうのが普通なのか?


 今にも爆発しそうな頭で、そんな事を考えていると……


「次は前の方を洗わせていただきますね」


 ま……まえぇぇぇ!?


「ちょ……ちょっと前の方は洗わなくても……」


 大丈夫と言おうとしたが、その時にはすでにボディソープが塗られているミゾレの美しい手が、私の豊満な果実に触れていた。


 ミゾレの手が動き出す。


 ちょっ……この手の動き……洗ってるというより、揉まれいるのでは!?


 そう思っていた矢先に、ミゾレのしなやかで綺麗な指が、私の胸にある突起部分に優しく触れた――


「やぁ……んっ」


 思わず変な声が出てしまった。


 ヤバい……何も考えられないぐらい気持ちいい……というより、変な気分になっちゃうよ、これ……。


 頭がぼーっとする。


 意識が飛びそう……。


 そして、そのままミゾレにされるがままに腕、お腹、そして足を洗われ――


「では最後に、こちらのほうも――」


 そう言うと、ミゾレはゆっくりと私の下半身にあるデリケートな部分に腕を伸ばして、触れた。


 その瞬間……。


「びゃぁぁぁ!!」


 私は、声にならない奇声をあげ、それと同時に我にかえった。


「も……もう大丈夫だからっ! 本当に大丈夫だからっ!」


 そう言って、私は急いでシャワーを手に取り、身体に付いている泡を勢いよく洗い流した。


「そうですか……」


 心なしか少し残念そうにミゾレが呟いた。


「じゃ……じゃ私、湯船に浸かってくるねっ」


 私は、逃げるようにその場所から離れ、恥ずかしさと悶々とした気持ちを掻き消すように、勢いよく浴槽に飛び込んだ――


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