自分の行動
その日の放課後、いつもと同じように勉強している。
休憩のタイミングでスマホを見ると、アスカから連絡が来ていた。
「勉強ひと段落したら飲み物買いに行かない?
タイミングはユウに合わせるよ」
勉強の邪魔をしないために、わざわざLINEで連絡をくれたのだろう。
アスカの机を見ると、まだ勉強している様子だったが遠慮なく声かけに行く事にした。
「これから休憩するけど、タイミング大丈夫?」
一応、オレもアスカに聞く。
「大丈夫だよ!ユウのタイミングに合わせるつもりで連絡したんだし」
アスカはペンを置き、参考書を畳んだ。
前回と同じで少し遠い場所にある自販機を目指す。
勉強の休憩で飲み物を買いに行く時は必ずといってこの自販機をめざす。
ちょっとした散歩にもなるので良い気分転換にもなるからだ。
雑談しつつ少し歩いたところでアスカは切り出した。
「今度、塾の体験講座的なの受けに行かない?」
「予定合えば全然行く!」
断る理由もないのでオレは本心を口にした。
「ありがと!ナオキやタカを見てるとちょっと焦らないといけないのかなって思ってさ」
アスカの表情はいつもより少し真剣だった。
「模試の自己採点の結果が納得いかなかった?」
今更、自己採点の結果を誤魔化すような関係性ではないのでオレはストレートに聞く。
「個人的にはもっと上位の大学目指したいなって思うようになってきてるから、頑張りたいなって思うようになってきたんだよね」
アスカ真剣だった。
「良いじゃん!ナオキとタカのペアに負けないようにオレ達も頑張ろうぜ」オレも変に茶化すことなく返す。
「ユウは大学で何かやりたい事とかある?
行きたい学部とかに限らず、なんでもいいからさ。」
会話の内容は大学生活の目的へと変わっていった。
「うーん、、。それを大学で見つけてられたらいいんだけどなぁ。
オレってここまで人に流されて生きてきた感じだからさ。」
真剣に考えても本当に思い浮かばない。
実際オレは高校も、合格した中で1番偏差値高い所を選んだだけで目的があってこの高校を選択したわけではない。
「ユウって絶対に地頭良いから、もったいないと思っちゃうんだよね。
勉強してないと言いつつも普通に良い成績とってたりするし。」
お世辞抜きにアスカは言った。
「アスカだって良い成績とってるやん。オレも全く勉強してないわけじゃないし」
そう言ってオレは自販機でアスカより先に飲み物を買った。
「俺は3人に食らいついて行くのに必死だよ?」
そう言いつつアスカも飲み物を買った。
教室までの帰り道は勉強方法の話題で盛り上がった。
いつものようにリビングで夕飯を食べている。
「勉強の調子はどお?」
キッチンに立っている母が洗い物をしながら聞いてきた。
「どこかしらの大学にはいけるよ。」
具体的な成績や志望校はいわずにオレは答えた。
「できれば国立の方が助かるけどねぇ、、。」
母は少し申し訳なさそうに言う。
「わかってる。私立だとしても奨学金借りて行くから大丈夫」
表情を変えずにオレは答える。
本当は母の申し訳なさそうにしている表情を見るのが辛い。
大丈夫。オレが我慢すれば全て解決するんだから。
けど、、、本当は塾にも通いたい。お金の事を気にせずに自分がどこまでやれるのか挑戦したい。
だけど言葉にはしない。塾に行かなくても頭いいやつは沢山いるし、結局は自分の努力不足なのだと自分自身を説得する。
そんな思いを母に悟られないようにオレは明るいテンションで今日学校で起きた面白い話を切り出した。
あぁ、またオレは誰かの夢を見ていたのか。。。
次回もすぐに更新します




