自分の行動
教室に入り、みんなの挨拶を交わす。
ここまではいつもと変わらない。
しかし、ナオキと言葉を交わすときにいつも以上に目を直視してしまった。
「え俺の顔に何かついてる?」
違和感を感じ取ったナオキはすぐに反応した。
「あ、いや。ちょっとぼーっとした」オレは咄嗟に出た嘘で誤魔化す。
「寝不足か?」ナオキもそれ以上は特に気にする様子もなく、事なきを得た。
夢の中での人物がナオキであると仮定するならば、泣いていたので目が赤くなったり腫れているのではないかと勝手に考えてしまった。
その結果、目を直視してしまったのだ。
そもそも、夢の時間軸が現実の時間軸と同じかどうかも分からない。
そんな分析をしつつ、オレは自分の席に着く。
授業が始まれば夢の事など考える余裕がないほど、忙しい。もしくは睡魔との戦いが始まる。
不思議と授業中に寝ても、同じ様な夢を見る事はなかった。
勉強と睡魔と戦っているとあっという間にお昼休みになった。
「みんな大学見学の事、親に言った?」
みんなに気を使わせないためにか、タカが言った。
「もち!オレは行ける」
最初から分かっていたようなものなのでオレは即答する。
「俺も。皆勤賞じゃなくなるのはちょっと残念だけど」アスカも行けるようだ。
「俺もなんとか行けそうだわ。この前の模試結果が良かったおかげかもな」
タカも行けるようだ。
最後にナオキが満足げに言った
「みんなナイス!」
4人で行けることが確定すると日程もすんなり決まった。
来週の金曜日だ。
ナオキ曰く、新学期が始まったこのタイミングなら新歓や部活の勧誘などで盛り上がっているはずだから早い方が良いらしい。
そうして、みんなの予定を加味して決まったのが来週の金曜日なのだ。
それに今週末には模試の結果も出るし、良いにせよ悪にせよモチベを上げるのに良いタイミングだとオレは思った。
「タカ、模試の自己採点良かったの?」
気になる事もあったので、オレは話題を振った。
「あくまで自己採点だけど、過去最高かも!」
タカは謙遜気味に言った。
「すご!。ナオキとアスカはどうだった?」
オレの本命はこっちの質問だった。
「上位の医学部はまだ厳しいかもしれないけど、一応、志望校はA判定だったぜ」
ナオキは少しおちゃらける様にガッツポーズをした。
「2人の後に言うの嫌だなぁ。けど俺も偏差値上がったよ。志望校のランク少し上げられるかも」
アスカは嬉しそうだった。
やっぱりナオキの成績は良かった。
あくまで自己申告なので嘘を言ってる可能性もあるが、これ以上聞くのは不自然だ。
それに以前、模試のの結果を見せてもらった事があるが
高2の冬の時点下位の私立医学部は既にA判定だった。
やはり夢の人物はナオキではないのか?
アスカとタカが本当は医学部志望?
「ユウ!!お前はどうだったんだよ。」
アスカからの問いかけで思考は中断させられた。
「いつもとそんなに変わらずだよ」
自分だけ答えないわけにはいかず白状した。
「ユウってさ、あまり勉強してないような雰囲気出してるけど普通に成績いいよな。多少偏差値に波あるけど57〜62位だよな」タカの発言にアスカとナオキも頷いて賛同する。
「ユウがどこ目指してるのか分からんけど、塾通えばかなり良い大学に手が届くと思うんだけどな」とナオキは続けた。
「今度の大学見学で可愛い人がいたりしたら、モチベが上がって急に塾通い始めるかもな」
オレはしょうもない冗談で返すが、それがみんなには面白かったらしく3人とも笑っていた。
その流れで話題は受験の話から外れて、いつもの他愛もない会話へと移っていった。
次回もすぐ更新します。




