変化
「俺はお前のため厳しくしてるんだぞ?
お前だって医者になりたいんだよなぁ??」
父は勉強してるオレの背後から罵声を浴びせてくる。
「分かってるよ。。。オレだって精一杯頑張ってるんだよ。」
頑張っている事に嘘はない。けど成績が医学部レベルまで上がってこないのだ。
「ならなんで前回の模試があんな結果なんだ」
父は納得していないようだ。
「そんな簡単じゃないの父さんだって分かってるだろ。父さんだって医者になれなかったじゃないか!」
言われっぱなしに我慢の限界が来たオレは反撃をした。
「なんだと?。。」
父はオレの胸ぐらを掴み強制的に勉強机から引き剥がした。
向き合ったまま沈黙の時間が流れる。
お互いに言いたい事はあるだろうが、これ以上の発言は更なる状況悪化を招く事をわかっているのだ。
父の荒い鼻息がこっちにまで伝わる距離でオレの目をまっすぐ睨みつけている。
「離せよ。勉強にするから邪魔すんな。」
オレは心臓が飛び出そうな位に脈打っているが、平静を装っている。
「、、、ふんっ。」
そう言うと父は手を離しそのまま部屋から出て行った。
オレは治らない怒りをスマホにぶつけた。
思いっきりベッドめがけて投げつけたのだ。
予想外だったのは、ベッドが衝撃を吸収しきれずにスマホをベッドの落下防止フレームの方へと吹き飛ばした。
フレームにぶつかり、床に落ちたスマホの画面には少しだけヒビが入っていた。
「はぁ、、」
オレは今夜起きた全ての事についてため息をついた。
スマホを拾い上げたオレは勉強を再開する気分になどなれず、そのままベッドへとダイブした。
アラームの音で目を覚ますと、さっきまでの出来事がまた悪夢だったと理解する。
父親に暴力を振るわれる受験生の夢だ。
夢の中でオレは明確に自分の意思で怒りに身を任せてスマホを投げた。
追い詰められるとオレは物に当たるのか。
と、少し自分の事が嫌になりそうだった。
しかも親にあんな風に追い詰められた事もないし、今後そんなような事が起こるとも考えられないからこそ、本当に自分の潜在的な性格の気もしたのがより一層嫌だった。
朝から憂鬱な感情で家をでる。
教室に到着するといつものメンツがいる事で
安心感を得た。
「おはよー」
そう言って近くにいたタカに挨拶をした時にオレはある事に気づいた。
机に置いてある、タカのスマホの画面がヒビ割れていたのだ。
そしてヒビの入り方が、夢の中で見たスマホと一致している事にオレは気づいたのだ。




