決意表明
「って事は妹ちゃんはセドナさんだったって事ですかー!!?」
「だから何回もそう言ってるじゃないですか。」
「おにーさんがおねーさんに……。
おにーさんがおねーさんに……。」
「ミ、ミオ……。無理に受け入れようとしちゃダメですよ?頭から煙が出てます。」
「アンタやってくれたわね。
私がどれだけ隠すのを手伝ったと思ってんのよ!あの努力が無駄だったわ!」
あーあー。と溜息を吐き、あからさまに肩を落とすノア。
俺の知らない所で努力なんてしてたのか。ありがとうございます。
「それよりその姿になって大丈夫なの?ダモダを懲らしめるにはセドナの方が良いんじゃない?」
「ふっふっふ……。それは違いますよっ!ノアちゃん❤︎」
俺はクルリと一回転し、あざとく、それでいてわざとらしくウインクをする。
「うわっ何その言い方……もしセドナの姿だったら本当に腹が立ってたわ。」
「可愛いですセナさん……。もう1回……もう1回お願いします。」
「ふっふっふっふ。それは違いますよ❤︎」
「はぁぁぁぁ。可愛いですセナさん!もう1回!」
「ふっふっふっ。それは違いますよ❤︎」
「はぁぁん❤︎もう1回お願いしますぅ!」
「ふっ……」
「何回もやんなくて良いわよ!!」
「なんで止めるんですかノアさん!
良いところだったのにぃ!」
「カノンの所為で話が進まないじゃない!ちょっと黙ってなさいよ!」
「いやカノンは邪魔なんてしてないですよ。僕の言いたい事をよく分かってます。」
「はぁ!?」
何言ってんだコイツーー
そんな目でこっちを見るノア。緊急時にふざけてる様に見えるかも知れないがこれも策。
「僕のこの可愛さこそ今回の武器なんです!
僕が客引きをすれば少なからず人を集めれます!」
「自分で言うな自分で!」
軽快にツッコミを入れてくれるノアだが、君はまだ分かってない。可愛いこそ正義だと言うことをッ!
「おっと僕だけとは言ってないですよ?カノンとノアにも手伝って貰います!なんたって美少女ですからね!」
「「ふぇ!?」」
2人が顔を赤くして同じ反応をする。
可愛い奴らめ。
「可愛い……私が可愛い……。」
「折角ならセドナさんの姿で言われたかったです。」
「ミオは女将さんと共に売り場担当です。いっぱい紙飛行機売って、署名をゲットしてね!」
「分かったおねーさ……おにーさん?」
「女将さんはジュースを売ってください。少量しか作れないのは重々承知ですので、少しの量をリーズナブルな値段で提供しましょう。まずは味を知って貰うんです!」
「分かったわセナちゃん!
それが署名に繋がるかもしれないしね!」
いや、タメ口でもいいけどさ?
セナの中身はセドナだよ?男だよ?
「そんでもってゴロー!
貴方には今から伝説の奥義を教えます!」
「はい。神格者様!」
作戦会議は終了。
後は明日の朝まで紙飛行機を折ってゴローに奥義を託すだけだ。大丈夫。きっと明日、この宿に素晴らしい【変化】が訪れる。
「お、おねーさんはおにーさん?」
「ミオ……混乱して疑心暗鬼になりすぎよ…。」
難しい顔をしたミオと引きつった笑顔のノア。このコンビがなんだか笑えて、俺はホッコリした気分になった。
「セドナさん、いえ、セナさん。」
「どうしましたゴロー?」
「もしも……もしも負けてしまったら、この先私達はどうしましょう?」
決して弱気になっているのではない。俺も力になるが結局の所、全部を賭けて戦うのは彼だ。リスクについても知りたいのは当然。でも今は、今だけは余計な事は何も考えて欲しくない。
「先の事なんて難しい事考えなくて良いじゃないですか。だってすぐに来ちゃうんですから!」
※ ※ ※
「あーもー嫌じゃあ!!」
「子供じゃないんですから。
早く次行きますよ?」
「今さっき戦ったばっかじゃろうが!私の身にもなって欲しいものじゃな!!」
「ちゃんと仮眠の時間をあげたでしょう?」
「30分寝たぐらいじゃ何も変わらんじゃろうがぁぁ!!
もう嫌じゃー!!セドナぁ!セドナ戻って来てくれぇぇ!!」
「本当に元神格者ですか貴方は?」
眼鏡のエルフがはぁっと溜息を吐く。何を偉そうに……そもそもたかが仲介者風情が私にとやかく言うのはおかしくないか?
「……うるさいぞ小僧!私は寝る!」
私は目を閉じてその場に座り込む。
あー何でこの国の守護は任せろとかカッコつけたんじゃろ。よくよく考えればその守護が面倒くさくて必死にセドナを鍛え上げたのに。
最年少で神格者の座を譲ったのに。
「……頃合いですね。」
アユモセが眼鏡を持ち上げてそう言うと1枚の紙切れをポケットから取り出した。いやアレはアルカナ名物の【折り紙】とかいったか?
まぁ、どちらにせよ折られてない折り紙など唯の紙切れに違いないけれど。
「実は先日私用でギルドを伺った時にセドナさんから連絡があったんです、それがこの手紙。
簡単に内容を読みましょう。
えーごほん……。
アユモセ、師匠、元気ですか?
合わない2人なのでどうせ喧嘩ばっかしてると思うけど……。」
セドナからの手紙。愛する弟子からの伝言。あやつはやはり凄い男じゃ。私がアユモセに手を焼いていると思って手紙を送ってきたのか!
さ叱ってくれ!私を過労死させようとするこのエルフを!
「今僕は最初の神格者に会う為、アルカナの国に来ています。簡単に神格者と会えると思っていたのですが訳あって今は折り紙を折っています。」
……な、なんでじゃ!!?
解呪の旅はっ!??
遊んでおるのなら許さんぞ!!!
「予定通り物事を進めるのは難しいですね (笑)。」
「この(笑)ってなんじゃ?怒りが込み上げてくるんじゃが。」
「まぁそこら辺は置いといて続きを読みますよ?……ごほんっ。
さて、前置きはここまでです。あ、次の紙か。」
アユモセはもう1枚折り紙を取り出して続きを読み始める。
「本題に入ろうと思います。
と言ってもコレは師匠には関係の無い話です。関係あるのはアユモセ、君だ。」
関係あるのはアユモセ!?
……良いぞ良いぞ!そのまま叱りつけるのじゃ!
「今君は師匠を過労死させるぐらい働かせてるだろう。」
「ホーレ見たことか小僧!セドナに怒られろ!そのまま怒られろぉー!」
「……良いぞもっとやれ。」
「……ファ!?」
「泣いて詫びるほど働かせてくれ。
どんな小さな依頼も熟させてくれ。それが俺の、アユモセに対する伝言だ。」
「な、なんじゃこの内容!!
おかしいじゃろーがぁ!!」
手紙を奪って内容を確かめるがしっかりとセドナの字でそう書いてある。
「静かにしてお師匠。
まだ続きがあります。」
アユモセは私から手紙を取り返し、続きを読み始める。
……続きったってアユモセの目線が紙の半分より下にあるではないか。残り数行で今までの内容を覆せる訳が無い。私の下がりに下がった弟子への評価が動くことは無い!
「話は変わりますが旅先で変な物を見つけました。完結に言えば僕の写真集です。師匠には関係の無い事と思いますが参考までに……。」
……ギクッ!!
ば、バレよったか……。
でもアレは結構前の事だし時効……
「追伸。時効とか無いですからね?師匠。」
こ、心読まれたぁー!!!
何で私の考える事が手紙で分かるのじゃ!!弟子だからか!?
いや私の事が好き過ぎで思考が似てきたからかぁ!?
「……くっ。
こうなれば近日発売予定の第2弾をどうにかして隠さねば……。」
「僕はセドナさんの手紙の通りに動こうと思います。
……ん?何をブツブツ言ってるんですか?」
「な、何でもないじゃぞー?」
「口調が意味分からないですよ。」
「へ?そんな事は無いわい!
いつも通りの私!いや、いつも以上の私じゃ!」
「それは元気そうで良かったです。では次の依頼がーー」
「ちょ、ちょっと待って!!」
ノア「更新遅すぎ。」
セドナ「すいません!」




