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元女性教授の異世界開発経済学 〜神界のスロットで魔力無限を引き当てたので、最強スキルの組み合わせで快適な領地経営を始めます〜  作者: つむ教授


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時速四百キロの書斎

お読みいただきありがとうございます、つむ教授です!

第5話『爆砕せし水晶の余波、あるいは大空のプロローグ』では、王都から飛び立つ未知の超テクノロジー『魔導飛行船』へ乗り込み、ついに大空へと旅立ったルートハーバー家。

第6話の舞台は、時速400km(250マイル)で海を渡る、3日間の空の旅の中身です!豪華客船並みの施設を誇る飛行船の中で、やんちゃな兄レオンは大はしゃぎ。一方、アルカは姉ソフィアと共に、これから向かう別の大陸の真ん中にある『エルディシア帝国』の予習(勉強)を始めることに。住民全員が神官だという、国土全体が聖地と化した超特殊国家の実態とは――?

3日目の終わりに窓の向こうに現れる、神聖なる大国の姿をぜひお楽しみください!

私たちが乗り込んだ魔導飛行船の内部は、外から見る以上に凄まじい大空間だった。


海路を使って近くの港町へ渡り、そこから馬車でさらに5日間も陸路を進めば、帝国に着くまで半月(約十五日間)はかかってしまう。そんな距離をわずか3日に短縮する空の超特急便。それだけの高額な運賃を取るだけあって、船内には高級レストランや売店はもちろん、大空を眺めながら浸かれる温泉や、なんと乗客の騎士たちが腕を競い合う『剣技のスタジアム』まで完備されていたのだ。


「すっげえええ! アルカ、あっちのスタジアムで凄い剣士たちが戦ってるぞ! 俺、ちょっと近くで見てくる!」


10歳のやんちゃ盛りの兄レオンは、馬車旅の鬱憤を晴らすかのように、船内の様々な設備を目を輝かせながら見回りに飛び出していった。父クラウスが苦笑しながらその後ろを追いかけていく。


一方、客室キャビンに残った私と8歳の姉ソフィアは、驚くほど静かな時間を過ごしていた。


「ねえアルカ、この本に載っている帝国の挿絵、とっても綺麗よ。これ、一緒に読みましょう?」

「うん、ソフィアお姉ちゃん」


ソフィアは私をソファーの隣に座らせると、家から持ってきた自前の魔導書を広げたり、船内に用意されていたエルディシア帝国の解説本を一緒にめくったりして、優雅に読書を楽しんでいる。私の頭を優しく撫でてくれる姉の温もりを感じながら、私は前世の脳をフル稼働させて、これから向かう大国のデータを頭に叩き込んでいった。


本に記されていたエルディシア帝国の実態は、前世の地球でいうところの『バチカン市国』をさらに極端にしたような、別の大陸の真ん中に位置する極めて特殊な宗教都市国家だった。


世界中に信徒を持つ『エレシア教』の総本山。それ自体が国家として独立しており、最高権威である『教皇セルディウス』様がすべてを治めている。

国土の全体が巨大な教会や聖堂、歴史ある資料館などの神聖な建造物だけで埋め尽くされており、一国としては非常に小さい面積しか持たない。

正式な海路すら持たない内陸の国であり、何より驚くべきは、その国に暮らす住民の『全員が神官』だという点だった。


(普通の農業や工業といった第一次・第二次産業が存在しない、完全な宗教主導型の非生産的都市国家ね……。おそらく世界中からの寄付金や、資料館を訪れる巡礼者たちの観光収入、それに商業ギルドを介した物資の輸入だけで経済が回っているんだわ。開発経済学者として、その流通ルートや独自の統治体制ガバナンスは物凄く興味深いわね。前世の知識とすり合わせるだけでも、最高の研究対象だわ)


時速四百キロメートル――飛行機の半分ほどの速度でのんびりと進む飛行船の客室は、私にとってこれ以上ない贅沢な「書斎」と化していた。隣でソフィアが熱心に難解な魔導書を読み解くページをめくる音だけが、心地よく室内に響く。


そんな風に、大空を往く船の中で帝国の政治や経済の予習に没頭すること、ちょうど3日間。


『乗客の皆様、大変長らくの航行お疲れ様でした。当船はこれより高度を下げ、エルディシア帝国・総本山発着場へと着陸態勢に入ります。窓の外をご覧ください』


女性船員の流暢なアナウンスが室内に響き渡る。

レオンと父さんも部屋に戻り、私たちは揃って頑丈なハメ殺しの魔法ガラスへと視線を向けた。


雲の合間を突き抜け、飛行船がゆっくりと高度を下げていく。

海を越え、広大な大陸の真ん中へと進んだその窓の向こうに――突如として、白亜の街並みが姿を現した。


見渡す限りの巨大な大聖堂の尖塔、天を突くようにそびえ立つ神聖な資料館の群。街全体が1つの芸術品のように美しく整えられた、住民全員が神官たる聖地。


エルディシア帝国。


「ついたぞ、アルカ……。あそこが、教皇セルディウス様のいらっしゃる総本山だ」


父の緊張した声を聞きながら、私は大空から見下ろす大国の輪郭をまっすぐに見つめた。地元の田舎教会の水晶をバキバキに爆砕させてしまった私のバグステータス。世界最高権威の鑑定眼を持つという教皇は、一体私の能力をどう読み解くのか。


飛行船がゆっくりと着陸の衝撃に揺れる中、私は5歳の小さな拳をそっと握りしめ、未知の大国への第一歩を踏み出すのだった。

第6話をお読みいただき、ありがとうございました!

レストランや温泉、剣技スタジアムまで備えた豪華な魔導飛行船を「時速400キロの書斎」に変え、エルディシア帝国の政治や経済の仕組みをみっちり予習したアルカ。

近くの港町から馬車でさらに5日かかる大陸の真ん中にあり、国土全体が教会で住民全員が神官という超特殊国家の実態が明かされ、前世の開発経済学者としての視点も冴え渡っています。

レオン兄ちゃんは剣技スタジアムに大興奮、ソフィアお姉ちゃんとの読書タイムも癒やされましたね。

3日間のフライトを終え、飛行船はついにエルディシア帝国の巨大な総本山へと着陸しました!

次回、第7話。ついに待ち受ける、この世界の最高権威『教皇セルディウス』との謁見、そして運命のステータス鑑定へ!

地元の田舎教会の水晶を爆発させたアルカの【魔力無限】と神級スキル【召喚術】を目にした時、老練な教皇は一体どんなリアクションを見せるのか――!?

「教皇様との対面が待ちきれない!」「早く続きが読みたい!」と思ってくださった方は、ぜひページ下部から【ブックマーク登録】や【評価の☆☆☆☆☆】をポチッと押して応援していただけると、つむ教授の活動エネルギーが無限(∞)になります!次回もお楽しみに!

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