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【いせけい】 元女性教授の異世界開発経済学 〜神界のスロットで魔力無限を引き当てたので、最強スキルの組み合わせで快適な領地経営を始めます〜  作者: つむ教授
第一章 最強スキル、領内の改革【前編】

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第四十二話 優秀な家庭教師と、怯まない幼女

お読みいただきありがとうございます。つむ教授です!


第41話『半年間の開拓と、子爵への昇爵』では、魔獣の森の開拓開始から半年が経過。冬の間に切り倒した大量の木を『薪』として売りさばいた大儲けの経済効果により、我がルートハーバー家は見事に【子爵】へ昇爵を遂げました。レベルも25に到達し、順風満帆なアルカの前に、4月からの学園入学に向けたお勉強の義務がパパから告げられました。


今回の第42話では、王家から子爵邸へ派遣されてきた二人の超優秀な家庭教師との初対面が描かれます。


冷徹な空気を纏った座学担当のヴィンセント先生と、豪快で不敵な武術担当のギルガ先生。5歳児相手にも一切の妥協を許さないプロの厳しい洗礼に対し、全く物怖じすることなく凛と佇むアルカ。明日からの本格的な教育期間を前に、先生たちの心を一瞬で掴んでしまうアルカの完璧な肝の据わりっぷりをどうぞお楽しみください!

新しく広がったルートハーバー子爵邸の応接室。


三月後半の穏やかな春の光が差し込む部屋で、私はパパやルークとともに、王家から派遣されてきた二人の家庭教師と初めて対面していた。


対面のソファに並んで座る二人の佇まいは、部屋に入った瞬間に肌がヒリつくほどの存在感を放っていた。


一人は、仕立ての良いスーツを綺麗に着こなし、冷徹な空気を纏った爺。そしてもう一人は、熊のように大柄な体躯に、はち切れんばかりの筋肉を蓄えた豪快な男だ。


「アルカ、こちらが王家から特別に紹介していただいた家庭教師の先生方だ」


パパが緊張した面持ちで紹介を始めると、まず左側に座っていた爺が、鋭い眼光で私をじっと見据えた。無駄を一切削ぎ落としたような、冷静沈着な口調で彼が口を開く。


「初めまして、アルカ様。私が座学を担当いたします、インヴェルズ王都大学元名誉教授のヴィンセント・コリンズです」


ヴィンセント先生は冷徹な声音のまま、5歳の私に対して容赦のないエリート教師としての洗礼を告げる。


「私は無駄というものを何よりも嫌います。学園の入学試験を突破するため、国語、数学、地理、歴史の膨大な知識を、ミリ単位で完璧にあなたに詰め込むつもりです。たとえ子爵家のお嬢様であろうと、幼い子供であろうと、一切の手加減はいたしませんのでそのつもりで。」


ぴしゃりと言い放たれた言葉には、一切の妥協を許さない厳格な響きがあった。


「ハハハ! 相変わらずヴィンセント先生は堅苦しいねぇ!」


その冷徹な空気を破るように、隣に座っていた大柄な男がガハハと豪快に笑い声を上げた。彼が不敵な笑みを浮かべながら身を乗り出す。


「おう、俺が武術担当のギルガ・バロウだ。よろしくな、アルカの嬢ちゃん!」


ギルガ先生のその名前に、隣にいたルークがハッとしたように目を見開いた。


「バロウ……。もしや、現在我々の魔獣の森の開拓に同行してくれている、冒険者のキース・バロウ殿と何かご関係が?」


「おう、よく知ってんな! キースは俺の自慢の弟さ。あいつから『ルートハーバー領にはとんでもねえ嬢ちゃんがいる』って話は聞いてたが、まさかその家庭教師に俺が指名されるとはな!」


元Aランク武術家であるギルガ先生は、太い腕を組んで楽しそうに鼻を鳴らした。


「弟から聞いてる通り、ただのお嬢様じゃねえ面構えをしてるな。俺の授業では基礎体力、魔力操作、剣術、さらにはどんな過酷な環境でも生き残るためのサバイバル戦術まで、徹底的に叩き込んでやる。ヴィンセント先生の座学より何倍もキツいぜ?」


普通なら5歳の子供が泣き出すか、あるいは恐怖で縮こまるような威圧感を持つ二人の先生。


しかし、私はそんな厳しい洗礼を正面から受けても、全く物怖じすることなく、小さな背筋をピンと伸ばして堂々と二人の顔を見据え返した。


前世での教授としての経験、そして今の私の異常な知力がある私にとって、彼らの厳しい言葉はむしろ望むところだった。


「ヴィンセント先生、ギルガ先生。お二人のような素晴らしい先生に教えていただけるなんて光栄です。明日からの授業、よろしくお願いします!」


私はほんわかと、これ以上ない最高の笑顔を浮かべて力強く挨拶を返した。


5歳の幼女とは思えないその完璧なまでの肝の据わり方と、一切怯まない凛とした態度を目の当たりにして、二人の先生は同時に息を呑んだ。


ヴィンセント先生は眉をわずかに上げ、ギルガ先生はさらに不敵な笑みを深くする。


「ほう……。こちらの言葉に眉一つ動かさないとは。どうやら、ただの子供ではないようですな」


「ガハハ! 気に入ったぜ! こいつは教え甲斐がありそうだ!」


「ちなみに大学っていうのは…」


アルカが尋ねると、ヴィンセントが


「学園の更に上、世界で10校しかなく、希望者のみ試験を受けます。戦場に行くのを遅らせたい人やもっと勉強したい人がよく受けに来ていました。ちなみに試験に落ちれば即戦場行きです。」


「じゃあヴィンセント先生はそんなすごいところで教えていたんですね!」


その言葉を聞いた瞬間、ヴィンセントから出ていた冷徹な空気と表情が少し緩んだ。そして、


「大学まで行きたいなら”みっちりと”教えて差し上げますよ。」


とまた冷徹な空気に戻った。


二人の優秀な家庭教師が、同時に私に対して強い興味の光を瞳に宿した。迫り来る4月の学園入学、保持する残りの6割の開拓。それらを同時に進めるための期間が、いよいよ最高の形で幕を開けようとしていた。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!


子爵邸にやってきた個性豊かな二人の家庭教師、ヴィンセント先生とギルガ先生。無駄を嫌い国語や数学などをミリ単位で詰め込むと告げるエリートのヴィンセント先生も、サバイバル戦術まで徹底的に叩き込むというギルガ先生も、威圧感たっぷりで最高にキャラが立っていましたね。ギルガ先生が、現在森の開拓を一緒にしてくれている冒険者キースの兄だったという繋がりにも驚きでした。


そんな二人からどれほど厳しい言葉を突きつけられても、背筋をピンと伸ばして「よろしくお願いします!」とほんわか最高の笑顔で返すアルカちゃん、さすがの貫禄でした!


「二人の先生がそれぞれ違う厳しさを持っていて格好いい!」「ここから始まるアルカちゃんのお勉強と開拓の両立がどうなるのか楽しみ!」と思ってくださった方は、ぜひ作品ページから【ブックマーク登録】や【評価の☆☆☆☆☆】をポチッと押して応援していただけると、つむ教授の執筆エネルギーがさらに無限(∞)になります!


次回もどうぞお楽しみに!

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