第四十一話 半年間の開拓と、子爵への昇爵
お読みいただきありがとうございます。つむ教授です!
第40話『夜の野営地と、新能力の検証』では、討伐一日目の夜にサモンの新能力である『共有』をテスト! イーグルを召喚して視覚と聴覚を自分に繋げ、個体能力『鷲の目』を使い、自分で偵察したい場所を偵察できるチート検証を行いました。ルークの提案によって加護の知力を514まで高め、二体同時共有や睡眠時の完全な安全管理まで成功させましたね。
今回の第41話は、あの夜から時々家に帰りつつ開拓を続けて、半年ほどが経ったところから始まります。
アルカのレベルは25に到達。大雪の冬を経て、季節はようやく雪が溶けた3月後半を迎えます。
冬の間、開拓自体はストップしていたものの、それまでに切り倒した大量の木を『薪』として売りさばいたことで領地は大儲け! 驚異の経済効果と領都拡大の手腕が評価され、なんとルートハーバー家は【子爵】へ昇爵することに!
しかし、そんな大成功を収めるアルカの元へ、4月からの学園入学に向けた義務の勉強として、王家から二人の優秀な先生が派遣されてくることになります。新たな展開へと進み出すアルカの姿をどうぞお楽しみください!
あの森の野営地で新能力を検証した夜から、時々家に帰りながら魔獣の森の討伐と開拓を続けて、半年ほどが経った。
日々の地道な積み重ねの結果、私のレベルは【25】へと到達していた。手に入った魔石のストックも潤沢になり、領地経営はきわめて順調そのものだった。
ちなみに、レベルを26に上げるには【100万】という途方もない経験値が必要になるため、ここからはじっくりと時間をかけて戦っていく必要がある。
しかし、冬の間は凄まじい大雪に見舞われたため、危険を考慮して森の開拓は一時的にストップしていた。開拓の初日からちょうど半年後となる現在は、ようやく厳しい寒さが和らいだ3月後半。
今日、やっと大雪が溶けて、再び森へと行けるようになったのだ。
「アルカ様、今年の冬の財務報告がまとまりましたよ」
執務室の机に分厚い書類を並べながら、ルークが嬉しそうに報告を上げてくれた。
冬の間、森の開拓自体はストップしていたものの、それまでに切り倒した大量の木が薪として色々な場所に飛ぶように売れたのだ。冬の大雪による寒波のせいで薪の需要が爆発的に高まり、ルートハーバー男爵領は冬の間に大儲けすることに成功していた。
さらに、この凄まじい経済功績と、安全に領都拡大を推し進めた手腕が王家に高く評価された。その結果、なんと国王から土地をまたさらに広げてもらい、我がルートハーバー家は男爵から【子爵】へと昇爵したのだ。
「冬の薪特需による莫大な利益、そして子爵への昇爵……すべてはアルカ様のおかげです。冬の足止めはありましたが、これまでの半年間で予定地の約4割の開拓に成功しています」
ルークが手帳を広げ、現在の進捗を手際よく語る。
(ふふ、冬の間に薪で莫大な外貨を獲得して子爵にまで昇爵しちゃうなんて、前世の開発経済学で言う『資源の有効活用による資本蓄積』が完璧にハマったわね。領都拡大の計画も、これでさらに国家的な後ろ盾を得られたわ)
新しく広がった子爵領の地図を眺めながら、私はほんわかと手応えを感じていた。
しかし、このまま残りの6割の開拓をのんびりゴリゴリと進めようと考えていた私に、パパが真面目な顔をして声をかけてきた。
「アルカ、子爵への昇爵はめでたいんだが……お前、来年の4月になったら王都の学園に行くための勉強をしないといけないからな。この国では年齢が来れば誰もが義務として学園に通う規則だ。最低限の準備をしておかなければならん」
「あ、そういえばそんな義務があったわね……」
パパの言葉に、私は小さく苦笑いした。のんびり快適な領地経営を進める傍らで、7歳の義務である学園への入学の準備という現実が迫ってきていたのだ。
「安心しろ、お前のために国から優秀な臨時の先生を二人、派遣してもらった。ちょうど今、子爵邸の門に到着したところだ」
パパに促されて窓の外を覗くと、馬車から二人の人物が降りてくるのが見えた。一人は厳しい雰囲気を纏った武術担当の先生、もう一人は知的な眼鏡をかけた座学担当の先生だ。
(なるほど、武術と座学の二人の家庭教師ね。4月からの学園入学に向けて、本格的なお勉強期間が始まるわけだわ。微、どんなに難しい勉強でもサクッと終わらせてみせるわよ)
3月後半の心地よい春風が執務室の窓から吹き抜ける中、私は次なるステージへの挑戦に胸を躍らせた。
「よし、残りの6割の開拓も召喚獣たちと一緒にゴリゴリ進めつつ、学園へ行くための準備も完璧に終わらせてみせましょう!」
新しく出会う二人の先生を迎え入れるため、私は頼もしく微笑みながら、パパたちとともに執務室の扉を開けて歩き出すのだった。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
開拓開始から半年が経過し、レベル25へと到達したアルカ。レベル26に上げるには100万の経験値が必要になるというかなりの過酷さもありつつ、冬の薪特需による大儲けと【子爵】への昇爵という、最高の内政的なカタルシスがありましたね。
冬の足止めを挟みつつも予定地の4割を綺麗に開拓し、前世の開発経済学を応用した資本蓄積を見事に成功させたアルカの手腕にはさすが元教授という貫録がありました。
ですが、のんびり領地経営を進めるアルカの前に、4月からの義務である学園入学への準備として、武術と座学の二人の家庭教師が到着。これからのアルカのお勉強期間と、残り6割の開拓の並行がどうなっていくのか、次の展開がとても楽しみです!
「冬の間に薪で大儲けして子爵に昇爵する流れが最高に爽快!」「新しくやってきた二人の先生とのやり取りが気になる!」と思ってくださった方は、ぜひ作品ページから【ブックマーク登録】や【評価の☆☆☆☆☆】をポチッと押して応援していただけると、つむ教授の執筆エネルギーがさらに無限(∞)になります!
次回もどうぞお楽しみに!




