第三十四話 夜の貸切温泉と、至高の湯上がりアイス
お読みいただきありがとうございます。つむ教授です!
そして、前回の話から半月ほど時間が空いてしまって読者の皆様には大変ご迷惑をおかけしました…。
今後は不定期ですが、更新できる日は更新するといったことが一ヶ月ほど続くと思いますが、今後とも『いせけい』をよろしくお願いします!
半月ほど前の第33話『冷房魔道具の快適さと、お風呂上がりのアイス』では、グランドオープンした『桃源郷』に大勢の領民たちが詰めかけ、お祭りのような大賑わいとなりました!
アルカが作った『冷房魔道具』の劇的な涼しさにうっとりし、極上の天然温泉にザブーンと浸かって日頃の疲れを癒やす領民たち。さらにお風呂上がりには、ミント特製の冷たくて甘い人生初のアイスを堪能し、至高の癒やしに震えて感動する姿が描かれましたね。
今回の第34話では、そんな大盛況の初日営業がすべて終了した、夜の『桃源郷』が舞台です。
今度はパパやママ、そして最高の天才内政チームのみんなを連れて、アルカたち自身が貸切の極上温泉をのんびり贅沢に満喫する、ご褒美のような癒やしの時間が始まります!
お風呂で大はしゃぎする可愛いカラーコンビたちの姿や、涼しいロビーでみんなが浴衣姿になって味わう特製アイスのほのぼのとしたひとときをどうぞお楽しみください!
昼間の熱気とお祭り騒ぎのような大賑わいが嘘のように静まり返った、夜の『桃源郷』。
すべての営業時間が終了し、すっかり静かになった和風二階建ての館内に、私は約束通り最高のメンバーを連れてやってきていた。
「さあ、みんな! 今日はお疲れ様。今夜は私たちの貸切だから、のんびりお湯に浸かって一日の疲れを癒やしましょう!」
私の言葉に、パパ、ママをはじめ、シェラ、ルーク、マイヤ、ニーナ、ミントの内政チームのみんながパッと表情を輝かせる。私の肩にはスノウとモカ、足元にはオアゲとレンガのカラーコンビたちも、嬉しそうにトコトコと付き従っていた。
夜になっても、館内には私が無限の魔力を込めて作った冷房魔道具から心地よい涼風が絶え間なく吹き抜けており、非常に快適な空間が保たれている。
「本当に涼しいわね。アルカ、こんな素晴らしい魔法具をあっさりと作ってしまうなんて、本当に誇らしいわ」
ママが優しく微笑みながら、ミントが【万能工作】で仕立ててくれた手触り抜群のタオルと、さらりとした浴衣を腕に抱える。
「ええ、昼間の疲れなんて館内に入った瞬間に吹き飛びました」
シェラやニーナたちもほんわかとした温かい会話を交わしながら、私たちは男湯と女湯の暖簾をそれぞれくぐった。
女湯の大浴場へと足を踏み入れると、昼間にも増して幻想的な湯気が立ち上る広大な岩風呂が目の前に広がっていた。
「わあ……貸切の温泉なんて贅沢ですね!」
「みんな、一緒に入りましょう!」
ニーナやミントが声を弾ませ、私やママ、シェラ、マイヤも一緒になみなみと注がれる極上の天然温泉へと足を踏み入れる。
ザブーン、と豊かな湯音を立ててお湯に浸かった瞬間、あまりの気持ちよさに全員の口から同時にとろけるような吐息が漏れ出した。
「うわぁ、最高に幸せ……」
「一日の緊張が、お湯に溶けていくようです……」
シェラがうっとりと目を細め、マイヤも普段の凛としたメイド長の顔を緩めて極上の癒やしを噛み締めている。
一緒にお風呂へと連れてきてもらったカラーコンビたちも大はしゃぎだ。
スノウは、湯船の縁に器用に止まり、温かい湯気に目を細めて気持ちよさそうに羽を休めている。
モカとオアゲは、小さな体を器度よく使って、お湯の中でぷかぷかと気持ちよさそうに浮かんでいた。見ているだけでこちらの頬が緩んでしまう。
「ビー!」
レンガは、ビーバーだからか、背泳ぎが上手かった。満足げな鳴き声が、高い天井へと心地よく反響する。
召喚獣たちの最高に愛くるしいほのぼのとした姿を見て、私は温かい気持ちに満たされていた。
(みんな、本当にかわいいわね。この領地に最高の保養インフラを作った甲斐が本当にあったわ。労働効率を高めるには、こうした完全な休息の場が絶対に不可欠なのよ)
一方、壁を隔てた男湯の大浴場では、パパと十七歳のルークが大きな湯船に浸かりながら、男同士のまともで頼もしい会話を交わしていた。
「いやー、こりゃいいな!」
パパのクラウスが、お湯でじっくりと長年の鍛錬の筋肉を解しながら、至福の声を上げる。
「ええ、クラウス様。この温泉施設を基盤にすれば、これからの領地全体の経済効果はさらに高まります。人の流れが生まれ、消費が活性化する。アルカ様の能力と先見の明には、本当に驚かされるばかりです」
ルークが髪をかき上げながら、彼らしく知的にこれからの経済発展の展望を語る。
パパも、父親としての優しい顔を浮かべていた。
「ああ。アルカがこれだけ領民たちのために素晴らしいインフラを整えてくれたんだ。今頃学園で熱心に頑張っているレオンやソフィアにも、いつかこの桃源郷の極上のお湯を味あわせてやりたいな」
クラウスは湯船から天を仰ぎ、しみじみと我が子たちの顔を思い浮かべる。それから、その大きな手を握りしめ、領主としての強い光を瞳に宿した。
「男爵として、これからどんな外敵や他領のギルドが来ようとも、全力でアルカたちの暮らしと、この温かな場所を守ってみせるさ」
温泉をたっぷりと堪能し、ミントが作った快適な浴衣をさらりと羽織って、上機嫌でロビーへと集まってきた一同。
湯上がりの火照った体を見計らったように、ミントが大きなお盆に乗せた、ひんやりと冷たくて甘い特製のアイスをみんなの前に配ってくれた。
「みんな、お待たせしました! 特製のアイスです!」
冷房魔道具の爽やかな風が吹き抜ける涼しい館内で、家族や最高の仲間たち全員と浴衣姿になり、冷たいアイスをスプーンですくって頬張る。
「冷たくて、なんて甘くて美味しいのかしら……!」
「お風呂上がりにこれを食べるために、明日からも頑張れますね!」
シェラやニーナたちが笑顔を咲かせ、パパやママも「これは美味いな」と至高のご褒美に目を細めている。
みんなの幸せそうな笑顔を見つめながら、私は心の中で静かに微笑んだ。
(完璧だわ。前世の開発経済学の知識でまずは最初の快適インフラを形にできたけれど、こうして大切なみんなと最高の癒やしを共有できることこそが、のんびり快適な暮らしの一番の贅沢ね)
幸せそうに笑うパパママと最強チームの顔を温かい目で見つめながら、私はこれからののんびり快適な暮らしをさらに愛おしく思い、ほんわかとほのぼのした最高の笑顔を浮かべるのだった。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
夜の貸切温泉でみんなが心からリフレッシュする姿や、お風呂上がりに冷房魔道具の風に当たりながら食べるアイスの美味しそうな様子を楽しんでもらえたでしょうか?
次回、第35話。
一体アルカたちは次に何をするのでしょうか?
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次回もどうぞお楽しみに!




