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【いせけい】 元女性教授の異世界開発経済学 〜神界のスロットで魔力無限を引き当てたので、最強スキルの組み合わせで快適な領地経営を始めます〜  作者: つむ教授
第一章 最強スキル、領内の改革【前編】

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第十六話 土魔法のバグ召喚獣と、寝落ちしない五歳児

お読みいただきありがとうございます、つむ教授です!


第15話『未舗装のボトルネックと、次なる召喚術(サモン)』では、通常スキル『統治統計(ガバナンス・マトリクス)』のステータス画面を分析し、領内の道路がガタガタなことによる流通コストの高さ(道路の舗装率の圧倒的な低さ)を発見したアルカ。


五歳児のフィジカルではもちろん、私個人で道路工事をするのは物理的に不可能な限界。

そこでアルカは、自身の持つ【魔力無限】を形にしてくれる神級(エクストラ)スキルの応用を決意し、ベッドの上で「――召喚術(サモン)!」と力強く唱えました。


第16話の舞台は、その直後。

眩い光の中から現れたのは、ちんまりとして最高に愛くるしい「土を操る生き物」でした。

アルカが看破する新たな仲間のバグ能力、および襲いかかる強烈な眠気との「寝落ちしない死闘」の行方をぜひお楽しみください!

「――召喚術(サモン)!」


私が自室のベッドの上ですくと立ち上がり、小さな手をそっとかざした瞬間、眩いばかりの光が部屋の中に溢れ出した。

眩しさに目を細めながら見つめていると、光が収まったベッドの上に、ちんまりとした「新しい仲間」が姿を現した。


「……きゅい?」


私の肩の上に乗っていたスノウが、歓迎するように嬉しそうに鳴き声を上げる。

そこにいたのは、手のひらにすっぽりと収まりそうなほど小さな、一匹のモグラだった。

つぶらな瞳と、土を掘るための大きな前足が最高に愛くるしい。

私の顔をじっと見つめると、嬉しそうに短い尻尾をパタパタと動かした。


(……あら? 何かしら、この信じられないほど可愛い生き物は。スノウに続いて、また究極の癒やし系が来てくれたわね)


私はごくりと唾を呑み込み、ステータス画面を呼び出してあのスペシャルスキルを発動させた。


(――万象真眼(オール・アナライズ)――)


目の前のモグラのステータスが、克明に看破される。

表示されたウィンドウを見て、私の学者脳は、不敵な笑みを深く刻み込んだ。


『種族:グランドモグラ ※変異種』

『ランク:G』

『個体能力:【地脈感応(ジオ・ソナー)】』

『スキル:【土魔法(アース・ワーク)】【絶対守護(ソリッド・バリア)(小)】』


(……素晴らしいわ。狙い通り、完璧にインフラ特化の専門家が来てくれたじゃない!)


魔石不要で作れる最低ランクの獣のはずなのに、中身は私の【魔力無限】のエネルギーを極限まで受けて生まれた規格外のバグ召喚獣だった。

一体この先出会うであろうSランク召喚獣はどんな強い能力を持っているんだろうか。

個体能力の『地脈感応(ジオ・ソナー)』は地中の構造を完璧に探知する力で、スキルの『土魔法(アース・ワーク)』は大地の土を粘土細工のように自由自在に操るバグ能力だ。

これだけのポテンシャルがあれば、広大な領内のガタガタな未舗装路の土を思い通りに動かし、道路の舗装率を一瞬で引き上げることも十分に可能だろう。

私がプロとしての完璧な展望(ビジョン)を脳内で組み立て終えた、まさにその時だった。


(……ふぇ? なんだか、急に、頭が、ぐらぐらして……。まぶたが、もの凄く、重い……)


頭脳を限界までフル稼働させて知力を暴走させ、さらに『召喚術(サモン)』で膨大な魔力を一気に出力した反動。

幼児の肉体特有の強烈な眠気が、容赦なく私の小さな体にぶわっとなだれ込んできたのだ。脳が完全な強制シャットダウンのサインを告げている。


(だ、ダメよ……! 前回の庭園での寝落ちはパパとママに大心配をかけたし、今回はお部屋の中。ここでまたパタッと倒れたら、それこそまた大騒ぎになってしまうわ……!)


か弱きインドア派の五歳児のフィジカルはすでに限界。だが、私の前世の強い精神力が、ここで意地を見せた。


(肉体のボトルネックなんて、気合でねじ伏せてやるわ……っ!)


ハァハァと荒い息を吐きながら、私は必死にまぶたを押し上げる。

脳が眠気で白く染まりそうになるのを、奥歯を噛み締めて必死に踏みとどまる。

凄まじい眠気との死闘の末、数分が経過した頃、私の頭からは冷や汗が流れていたが、視界はハッキリと保たれていた。


(ふぅ……勝ったわ。幼児の肉体の限界に、私の精神力が完全勝利したわね)


強制シャットダウンの克服に成功し、私はベッドの上で小さくガッツポーズを決める。

意識を保ったまま、私はベッドの上で不思議そうに私を見上げているちんまりとしたモグラを、小さな両手でそっと優しく抱き上げた。

腕の中でモグラは嬉しそうに鼻先をひくひくさせている。スノウも肩の上から降りてきて、私の膝の上でモグラの頭を突っつくようにしてじゃれ合い始めた。

前世の孤独な人生では、誰も私をこんな風に無条件に癒やしてはくれなかった。

この子たちの温もりが、私の心をじんわり満たしていく。


「さて……。これから一緒に頑張るんだから、きみのお名前を考えなくちゃね」


私が優しい笑みを浮かめて語りかけると、モグラは「きゅきゅっ!」と元気よく鳴き声を返したのだった。

第16話をお読みいただき、ありがとうございました!


神級(エクストラ)スキルによってアルカの自室に出現したのは、ちんまりとしたつぶらな瞳の可愛いモグラ『グランドモグラ』でした!

一番下のGランク召喚獣のはずですが、アルカの【魔力無限】を極限まで受けて生まれた結果、地中の構造を完璧に探知する【地脈感応(ジオ・ソナー)】や、大地の土を自由自在に操る【土魔法(アース・ワーク)】を宿した、インフラ整備に特化しすぎたバグ召喚獣であることが判明(笑)。これならガタガタの道路問題も一瞬で解決できそうですね。


正式に、能力を看破した直後に襲いかかってきた、幼児特有の強烈な眠気。

前回の庭園での寝落ちでパパとママに心配をかけたアルカは、「肉体のボトルネックなんて、気合でねじ伏せてやるわ……っ!」と、前世の強い精神力で見事に強制シャットダウンを克服いたしました。ハァハァと冷や汗を流しながらガッツポーズを決める5歳児、ギャップが最高に可愛くて健気ですね。


意識を保ったまま、スノウと新しいモグラを抱きしめて温もりに癒やされるアルカ。

「さて、きみのお名前を考えなくちゃね」と、次なる名付けイベントへと向かいます。


次回、第17話。


このちんまりとした優秀なモグラに、アルカは一体どんな可愛い名前をつけるのか――!?


「モグラのバグ魔法にワクワクした!」「寝落ちに気合で勝つアルカが面白すぎる!」と思ってくださった方は、ぜひ作品ページから【ブックマーク登録】や【評価の☆☆☆☆☆】をポチッと押して応援していただけると、つむ教授の執筆エネルギーがさらに無限(∞)になります!


次回もどうぞお楽しみに!

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