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第一章 雨夜の鬼 第十一話「神代封呪式」

巨大怨霊が暴れ回る中、村は崩壊寸前だった。


挿絵(By みてみん)


家々が潰れ、炎が上がる。




亡者達の呻き声が夜空を満たしていた。




レイカは荒い息を吐きながら、懐から一枚の札を取り出す。




それは黒い呪印が刻まれた禁術符だった。




「使うしかないわね……」




神代封呪式。




陰陽庁でも使用を禁じられた危険な浄化術。




強力な術だが、術者の命を削る代償がある。




トウマが振り返る。




「やめろ、レイカ!」




「他に方法がない!」




レイカは札を地面へ叩きつけた。




瞬間。




巨大な白い魔法陣が村全体へ広がる。




無数の文字が地面を走り、眩い光が夜を染め上げた。




風が吹き荒れる。




大量の御札が空中へ舞い上がった。




亡者達が苦しみ始める。




巨大怨霊も悲鳴を上げた。





トウマが飛び出した。




呪力を纏った剣が閃く。




挿絵(By みてみん)




「化け物が……!」







怪物の身体には大量の人間の顔が埋め込まれていた。




全てが苦痛の表情を浮かべている。




叫び。




泣き声。




怨嗟。




それらを浴びながら、トウマは黄泉門へ向かった。




その先に、白い少女が立っている。




少女は静かに微笑んでいた。




「……来てくれたんだね」




トウマは剣を構える。




震える声で呟く。




「お前は……誰だ」




その瞬間。




少女の瞳が、ゆっくりと黒く染まった。

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