第六章:女王の逆襲
工場襲撃の知らせ
特注シャンプーを製造する工場が襲撃された――その知らせは、かなさの心に火をつけた。
「私の髪を傷つけただけでは足りないっていうの?」
彼女は豪邸の大広間に立ちながら、冷たい瞳で部下たちを見下ろした。
「私が直接行くわ。私の髪に手を出す者がどうなるか、見せてやる」
執事の高嶺亮が心配そうに進み出た。「かなさ様、危険です。魅了効果が効かない可能性のある者がいるとすれば……」
「だからどうしたというの?」
かなさは一歩進み出て、亮の頬に髪を軽く当てた。
「ほら、あなたのように忠実になるだけの話でしょう?」
亮はその瞬間、顔を赤らめながら跪き、「おっしゃる通りです」と答えた。
彼女は髪をなびかせ、静かに微笑んだ。「私の髪に触れた者が、私に逆らえると思う?」
その声には、絶対的な自信と冷酷な意志が込められていた。
工場への到着
かなさは、黒塗りのリムジンにバーサーカー化した護衛を引き連れ、工場に到着した。
建物の周囲は、破壊された設備や炎の残り火で荒れ果てている。彼女はゆっくりとリムジンから降り、深く息をついた。
「……私の髪に使うものを汚すなんて……信じられない」
周囲に目を配りながら、彼女は優雅に歩き出す。その髪は工場の薄暗い照明の中でも輝きを放ち、周囲の緊張感をさらに高めた。
レジスタンスとの遭遇
その瞬間、工場の奥から風間蓮が現れた。彼はゴム手袋を嵌め、レジスタンスの仲間と共に破壊作業を続けていた。
「お前がここを襲撃したのね」
かなさは、蓮を鋭い目で見つめた。
蓮は軽く息を吐き、彼女に向かって歩み寄った。「そうだ。お前の髪に頼った支配を終わらせるためにな」
かなさは薄く笑った。「終わらせる?あなたみたいな凡人に?」
蓮はその挑発に動じず、静かに言った。「お前の髪がなければ、ただの女だ。誰にも支配はできない」
その言葉に、かなさの目が冷たく光った。「そうかしら?」
冷酷な反撃と蓮の秘密
かなさはその場で髪を指に巻きつけながら、護衛のバーサーカーに命じた。「彼を排除して」
魅了された護衛たちは、完全に理性を失った状態で蓮に襲いかかった。
「待て!」
蓮は必死に防御しようとするが、バーサーカーたちの圧倒的な力に追い詰められる。彼はゴム手袋を駆使して相手を無力化しようとするが、一人では対処しきれない数だった。
かなさはその様子を優雅に眺めながら、冷たく笑った。「あなたのようなちっぽけな存在が、私に逆らえると思ったの?」
彼女はゆっくりと蓮に近づき、その髪を彼の頬に当てた。
しかし――蓮はまったく動じなかった。
かなさは眉をひそめた。「なぜ……?」
蓮は口元を歪ませて答えた。「お前の髪が俺に効かない理由なんて簡単だ。お前のせいで家族を奪われた恨みが強すぎて、魅了が効かないんだよ」
かなさの目が険しくなる。「……憎悪で私の髪を拒絶するですって?馬鹿げている」
その瞬間、蓮は隠し持っていた薬剤のボトルを振りかざした。
「終わりなのはお前の方だ!」
彼はボトルをかなさの髪に向けて投げつける。薬剤が飛散し、彼女の髪にかかると、ほんの一瞬、ツヤが失われたように見えた。
第三勢力の介入
その直後、工場の北側から複数の影が現れた。それは、黒谷涼子の部下たちだった。
「かなさが来るのは読んでいたわ」
涼子は手下たちに命じ、かなさのいる場所へ向かわせる。「髪を一本残らず奪うわよ」
工場内では、レジスタンスとバーサーカーたちの戦闘が続く中、第三勢力がさらに混乱を引き起こす。
「涼子……あなたも来たのね」
かなさはその姿を見ると、静かに怒りの笑みを浮かべた。「私の髪を狙うなんて、身の程知らずね」
涼子は冷たく返した。「あなたの髪は、あなたには勿体ないわ。今夜、それを証明してあげる」




