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第五章:女王の反撃

髪のダメージが与える不安

翌朝、かなさは目を覚ますとすぐに鏡の前に立った。ブラシを手に取り、いつものように髪を梳こうとした瞬間――違和感を感じた。

「……何、これ?」

ブラシに絡まった数本の髪。鏡に映る自分の姿に異常はないが、髪のツヤは確かに落ちていた。

「亮!」

執事の高嶺亮が慌てて駆けつける。

「どうしました、かなさ様?」

「この髪、どういうことかしら?何かがおかしいの」

亮は恐る恐る髪を調べたが、原因はわからない。

「ただの気のせいでは……」

その言葉に、かなさは怒りの表情を浮かべた。「気のせいなわけないでしょう!この髪が、私の力そのものだということを忘れたの?」

彼女は、豪邸にいる全てのスタッフを召集した。「髪に問題がある限り、全員に責任があると思いなさい。すぐに解決策を見つけなさい!」

________________________________________

ゴム手袋の真実

その頃、レジスタンスの隠れ家では、蓮が無事に戻り、作戦の成功を報告していた。

「薬剤を仕込むことには成功した。かなさの髪がダメージを受け始めているはずだ」

しずえは冷静に頷いた。「よくやったわ。これで少しは彼女の力を削げるはず」

その場にいた新しいメンバーの一人が、蓮に尋ねた。「でも……どうしてゴム手袋が必要なんです?あれを嵌めてると、少し動きづらい気がします」

「ゴム手袋なしでかなさの髪に触ったら、終わりだぞ」蓮は険しい表情で答えた。「彼女の髪に触れると、魅了される。男も女も関係なくな」

しずえが話を引き継いだ。「彼女の髪に直接触れた者は、かなさの虜になり、彼女のために動くことしか考えなくなるの。私は……それで夫を失ったわ」

場が静まり返った。

「彼女の支配力を終わらせるには、髪を傷つけること。それ以外に道はない。でも、その髪に直接触れる危険を冒すわけにはいかない。だから、ゴム手袋が必要なのよ」

蓮が深く頷いた。「俺たちは、もう誰にもかなさに奪われたくないんだ」

________________________________________

第三勢力の次なる一手

黒谷涼子は、失敗を受けて部下たちを集めていた。

「髪を奪うという目的に失敗したのは許せないけど……まだ終わりじゃないわ」

彼女の目は鋭く光っていた。

「次の作戦は、彼女を豪邸から引きずり出す。直接捕らえるのではなく、彼女が自ら動かざるを得ない状況を作るの」

涼子は机の上に広げた資料を指し示した。「彼女の髪の供給ラインを狙うわ。髪の手入れに使っている特注シャンプーの工場。それがなくなれば、かなさは必ず動くはず」

部下たちは頷き、一斉に行動を開始した。

________________________________________

かなさの反撃

かなさは、髪の異変を受けて、全ての製品やスタッフの調査を徹底させた。しかし、原因を突き止められず、苛立ちを募らせていた。

そのとき、彼女は執事の亮から一つの報告を受ける。

「かなさ様、特注シャンプーを製造している工場が何者かに襲撃されました」

「何ですって?」

かなさは立ち上がり、その場で決断した。「私が直接行くわ」

亮は驚いた。「しかし、それは危険です!魅了効果が効かない敵が潜んでいる可能性も……」

「だからこそよ」

かなさは髪を指で梳きながら冷たく笑った。「私が行けば、どんな敵も虜になる。私の髪の力を侮らないで」

かなさは豪邸を出発した。バーサーカー化した護衛を引き連れ、工場へ向かう途中、彼女の瞳には冷徹な光が宿っていた。

「誰であれ、この髪を傷つけようとするなら……消えてもらうわ」



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