第64話: 戦火
突然。あまりにも突然の事だった。あまりの衝撃によりイスから転ぶ生徒もいた。
「イテテテテ 世界が終わったかと思ったぜ」
「何でこんな目に…」
ピーンポーンパーンポーン
「ただいま、銃火器により校舎が攻撃を受けました! 生徒は直ちに避難してください!」
緊急の放送が鳴る。緊迫感からかその放送には少し言葉が足らないように感じた。
「避難って…下手に外に出ると危険な気がするぞ」
「でも放送に従わないと!」
「そうだけど…」
緊迫した空気、時間はそれを許してはくれなかった。
ドンッ! ドンッ!
パリン パリン パリン
校舎のあらゆる方向から、爆発音とガラスが割れる音が聞こえる。死の焼印が学園に突きつけられたのだろうか、罪なき者が戦火に平伏す。
バラバラとなって逃げ出す生徒。廊下は生徒によって埋め尽くされていた。
「どうする?おそらくこれがラストチャンスだ」
状況は困難を極める。クラスは沈黙し、何もできない。あまりにも大きな壁、命の灯火は今にかかっているのである。
ピーンポーンパーンポーン
「皆さん!落ち着いてください! 近くの安全な場所に避難してください! 地下通路が破壊されました」
ファンファンファンファン
緊急事態発生 緊急事態発生
深刻な攻撃に晒されています。その場で姿勢を低くし、次の攻撃に備えてください。
フェイズ用に用意された物なのか、頭に恐怖を植え付ける音声は、俺たちをどん底へと突き落とした。
ドーーーーーーーン
「戦争でも起きたのか?これ」
「わわわわわわ」
慌てて頭を下げるも、猛攻は続く。ジェイドはバレないように教室から飛び出した。
どうなっているんだ。確かめに行かなければ。
廊下を疾走し、音の出る方向へと誘われる。そこには衝撃的な物が目に映った。
「何だこれは」
パーカーを着て、深々とフードを被った集団が、校舎に向けて武器を構えていた。テロかと思わしき行動に、学園の教員はそこに向かっていた。
ダンッ! ダンッ! ダンッ!
最も攻撃が激しい箇所に、教員は集った。
「<レイジア>」
風の力で高速化する。そのままパーカーの集団へ突撃して行った。
「お前らふざけた事をするんじゃない!」
バンッ!
「先公がまだ来るぞ! 構えろ!」
集団は一斉に教員の方へ砲撃をかます。
『破層守護』
ガガガガガガガガ
巨大な盾がその手に現れ、突撃しながらも全ての攻撃を無効化した。
「はぁぁぁ」
ドン!
最大の防御は攻撃に宿る。盾をそのまま集団へ放ち、巨大な砂埃が当たりを襲った。
「ゲホっ ゲホっ 何も見えねぇ」
「こっちだ」
ガンッ!
「ぐわぁぁ」
次々と砂埃の中で蹂躙されていくパーカーの集団。体術科の教員を舐めてはいけない。狂気的とも言える猛攻に陣形は乱れに乱れていた。
そんな時、強烈な一手を打つ。
「こうなったら!」
ピーーーーーーーン
ドドドドドドドドドド
赤きレーザーが放たれた。光が見えた直後、辺りを爆発で埋め尽くす。さながら本当の戦争だ。
そこまで威力はないものの、強烈な爆風に吹き飛ばされる一同。肉弾戦となっていた構図は一瞬にして無へと帰した。
「くっ 助かったぜアニキ」
「まだ攻撃の手は緩めないぞ」
本陣はますます過激さを増して行った。
一方ジェイドは少数部隊の方へと赴いた。
「徹底的に破壊しろ。あらゆるものを破壊するんだ」
5人組が武器を持ち、あちらこちらを破壊し回っていた。
「お前ら何をしている」
ボンッ!
ジェイドが破壊された壁の中から現れた。じっと5人を見つめ、恐怖を感じる。
「な、何だお前は。さっさと失せろよ」
「失せるわけにはいかないな。この学園を守りためにはな」
「<ジッド>」
反応が遅れた。5人は振り向くも、時は遅かったのである。
「<クロア>」
「うわ、何だこれ 吸い込まれて…」
中心に球体が現れると、ブラックホールのように5人は吸い込まれる。
「イテテテテ、キツイ キツイ」
5人は圧縮され、身動きが取れない。ジェイドはその状態を狙っていた。
「<フォース/ネヴ>」
キュイーーーーーン
「うわぁぁぁぁーーー」
ボンッ!
ダンッ!
5人は<フォース>によって球体から引き剥がされるも、再び巨大な力で吸い込まれ、お互いに激しく衝突した。
「ガハっ! ……何者だお前…」
息が乱れながらも、ジェイドに問う。
「俺は……この学園を守る唯一の存在だ」
その目には不気味な笑みを浮かべていた。
寝落ちしてしまいました。釈明の余地がありません。




