第46話: 魔術学園生徒の休日
俺らは、連日の授業そして生徒会との調査よって疲労が溜まっていた。そこでいつもの4人で海に来ていた。
「わぁ~ここがコンヌ海かぁー」
「すげぇキレイな青色だな!」
一面に広がる地平線、真っ白な砂浜に目を奪われる。
「それにしてもいい提案するじゃないジェイド!」
「あぁ、たまにはこんな休日もいいだろう」
ジェイドは、度重なる仕事に責任感を感じていたのか、皆で海に行こうと誘っていたのだ。
「ナブラ~早速泳ぎに行こうよ!」
「あぁルーナ!っててめえ何浮き輪持ってんだよ。そのまま泳げよ」
「僕泳げないんだって!」
ナブラとルーナは早々に海へと出ていった。
メルスはチャンスだと妄想する。
….これはいいシチュエーション!ここでジェイドともっと仲良くなれれば…ドキドキ…
「何考え込んでいるんだメルス」
「ヒャァ、ジェジェジェイド イヤイヤイヤ何も考えてないわよ。タダタダ黄昏てただけダシ」
「それならいいが」
最近メルスの様子がおかしい、何というか俺に対する反応が過剰というか…気をせいだろう」
そんな中ナブラとルーナは相変わらず遊んでいた。
「見とけよ俺のスピードを! うぉぉぉぉぉぉ」
バシャン バシャン バシャン!
「す、スゴイもうあんな所までいっちゃったよ」
ナブラは砂浜から遠く離れた場所まで来ていた。
「よーし 俺の勝ちだな!」
「ん!?」
するとルーナが大声で叫ぶ。
「お~~い ナブラ後ろ!後ろ!!」
振り返るとヒレを見せる生物が見える。
「え~と ヤベェコイツは!!逃げろ!!」
ズドドドドドドド ズドドドドドドド
もはやオリンピック選手になれるんじゃないかと思うくらいのスピードで逃げて行く。
「ヤバいヤバいこんな所でサメに喰われてたまるかよ!」
ズドドドドドドド
初めは緩やかに追ってきていたものの、砂浜に近づくと諦めて帰っていった。
「はぁ はぁ はぁ 死ぬかと思ったぜ」
「いくら自慢したいかって安全用のポールを超えちゃダメでしょ!!」
メルスがカンカンと叱る。
「いやぁ~まさかいるとは思わなかったんだよ」
「あんた、せっかくの休暇が台無しになる所だったじゃない!」
ナブラにケガはなく、元気そうで何よりであった。
「そーいえば メルスとジェイドは泳がないの?メルスなんてバッチリ水着着てるし」
メルスは服を水着の上に羽織りながら言う
「イヤイヤイヤ 水着とか恥ずかしいし…」
「着てるのにそんな事言うなよ….」
「まぁまぁまぁ一回さぁ」
ルーナとナブラがメルスを海へ押し出す。
「ちょっとあんた達ね~」
「いいじゃねぇかこんな機会中々ねぇぞ」
「そうだよメルス!一緒に泳ごうよ!」
男二人が女を海に引きずり込むという危ない縮図だが、幸いにも砂浜には俺たち以外の人はかなり少ない。
バシャーーーン!
「ひぇ ちょっと冷たい!」
「まぁまだ海のシーズンには少し早いからな」
「でも外はあったかいし丁度いいんじゃない?」
最初は抵抗していたものの次第に共に遊んでいた。
「ジェイドも遊ぼうよ!」
「あぁ、俺はやる事があるんでな。代わりにそこの売店でジュースでも買ってこようか?」
3人はそれぞれ言う。
「俺はコーラで!」
「私はミルクティーでお願い」
「僕はアイスクリーム!」
1人だけタイプが違うが、あったので買ってきた。
「いやぁ~遊んだ後の炭酸は沁みるぜ~」
「海で飲むと風情があっていいわね」
「うん!最高!」
3人に満足してもらって何よりだ。
「ん?あそこにあるのは何?」
メルスが近くの砂を指差す。
「あぁ、あれか。やる事が終わったから、砂で城を作ってみたんだ。中々上手くできたと思う」
デンッ!
結構本格的なお城ができていた。
「ジェイドあんたこういうの結構マメよね…」
「わぁスゴイ!ちょっと触ってもいい?」
ルーナが近寄り言う。
「あぁ、良いぞもう完成して満足したからな」
「おいルーナずりぃぞ俺にもイジらせろ」
2人は城をマジマジと見て、またもや周辺に何かを作り始めた。
「フフフこうしてああやって」
2人がかりで怪しげな雰囲気を醸し出している。
「こう見ると2人とも随分心が幼いわね」
「好奇心があっていい事だ」
ジェイドとメルスはそれを見届けていた。
「それも聞こえているからな!見てろよ城に負けねぇもの作るからよ!」
ここまで来れば小学生でも呆れるだろう。かなりの時間が経つとそれは完成したらしい。
「ふぅ 完成したぜ」
「やっとだね!」
ルーナはお城の周りに城壁を作っていたようで、キレイに中庭まで完備している。
「わぁぁスゴイじゃないルーナ!器用なのね」
「こう見えて画家を目指していた時があるんだよ!」
「っでナブラが作ったのは…何それ」
人の上半身のようなものに二つ大きな丘が引っ付いているような物が出来ている。
「あぁ これか!これはもちろん おっp」
ダンダンダンダン!
激しくメルスが砂の城ごと足でぶっ壊す
「さいっ底ねあんた!普通にセクハラじゃない!」
「おいおいおい、これも芸術だろ!ミ○のヴィーナスなんてどう言えば良いんだよ」
「それとこれは違うでしょ!」
跡形もなく砂の建造物は巨大生物によって完全に破壊された。
「だからって僕の作ったモノも破壊しなくていいじゃん!」
「途中で止めなかったあんたも同罪よ!」
「えぇぇ 理不尽だよ~(泣)」
少しした事件もありながらも、すっかりと時間は過ぎて夕方になった。
「今日は楽しかったね皆んな。美味しい物も食べれて僕は大満足だよ」
「あぁ、俺の芸術作品を壊されたこと以外は言う事なかったぜ」
「あれはおかしいでしょ!壊されて当然よ!」
「まぁ良かったじゃないか、ナブラの命も無事だったし」
ジェイドが空気を変えようとするも
「あのまま食われたらよかったのに!」
「わ!結構酷いこと言うじゃねぇか」
沢山の事があったが、こうして友情を深める事ができ、素晴らしい休日になった。
ーーーーーーー
「アズ先生ちょっといいですか?」
校長が呼ぶ
「はい何でしょう校長」
「そちらの担当しているジェイド君のことなんですが」
「あぁまた恥をかかせよう!とかそう言う感じですか?」
「いやいや、もうコンテストの時の件で理事長にひどく叱られてね。もう懲り懲りだよ」
「よく叱られたくらいで済みましたね普通なら首3つくらい飛んでますよ」
「ゴマを擦るのは得意なんでね」
「それはいいとして生徒会との件だよ。今大変な事が起きていてね。例の事件の犯人から、生徒会とジェイド君のメンバーに犯行予告を送ってきたんだ」
「へぇ~そうなんですか~…. え?それ本当ですか?」
「流石にこのレベルの嘘は付かないよ。担任のアズ先生には伝えないといけないと思ってね」
「は、はぁ 面倒なことになりましたね」
「教員として私たちが生徒を守らねばならないよ」
「“あの組織”には言ったのですか?」
「いや、今こんな事態だから警察と協力してもらっているよ」
「なるほど、我々で対策を取らないといけませんね」
こうして殺人鬼の標的は生徒会とジェイド達になってしまった。
そんな事も知らず、楽しい思い出を口に登校するだろう。
ーーーーーーーー
「……….っと言う事だ。お前らかなりヤバいぞ」
「「「えぇぇぇぇぇ」」」
「わ、私たちも殺されるかもしれないって事?」
「うわぁぁぁぁん こんな所で死にたくないよ(泣)」
悲観して泣いているメルスとルーナとは対照的に冷静な2人がいた。
「つまりその犯人がこちらへ来るって事だな」
「ほほう、犯人をとっ捕まえるチャンスだぜジェイド」
ナブラはもの凄くポジティブな考えだが、それは殺人鬼と闘う事が前提となっていた。
「今から鍛えないといけねぇな」
「ちょっとナブラあんた本気?」
「本気だぜ。大丈夫満月までには時間があるって」
「満月に来るとは限らないけど….」
俺たちは人生史上最大のピンチかもしれない。いやこれが最大のピンチだと願うばかりだ。
「って事でお前らには特別な訓練を受けてもらう。対フェイズ用じゃなくて対人用のな」
しばらく俺らはクラスの実習には加わらず、別の場所で実施するらしい。
新月の夜、俺たちは不安と共に眠った。
たまにはこういうシーンもありでしょう。




