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第45話: 揺れる生徒会・揺れる学園

「ふふ、面白いじゃない」


生徒会室の扉には大きな穴が開けられており、その穴には紙が差し込んであった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

今スグ調査ヲ中止セヨ

サモナクバオマエタチモ満月ノ餌食トナルダロウ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「会長…我々はどうしたら良いのでしょうか」


「決まっているじゃない 調査を続けるわよ」

会長は至って強気だ。命の危険があるにも関わらず犯人を追うことを選ぶ。

「まさかここまで来て“諦める”って選択肢がある訳?」


「ですが会長….」


「副会長君は少し弱気な所があるわね」


「この組織に揺らぎが生じると学園全体が危機に晒されてしまいます。ここは一度お考えを!」


スッ


「私を甘く見ないでくれる?」


「は、はぁ」

いきなり顔を近づけ言い放つ。その目には覚悟が宿っていた。


そのような事態が起きている頃ジェイド達は校庭にいた。

「じゃあ補習始めるぞ~」


「せんせー 俺たち生徒会の仕事もしてるんだからいいじゃないですか~」

ジェイド達は連日の調査により実習を休んでいた。そのため、今補習を受けている。


「やらなくてもいいけどお前ら留年だぞ」


「わぁぁ それだけは勘弁してください!」


「俺たちと一緒に頑張ろう!ナブラ」

こうして補習が始まった。


「まずは、これまで習った対フェイズについてだ。やつらは次元を飛び越えてやってくる。そこで次元の裂け目が出現した時、警報が鳴るシステムとなっている。ただし、潜伏していたり元からこの世界に居てから出現しても警報は鳴らないぞ」


「じゃあコンテストの時は潜伏していたんですかね?」


「いや、あれは不明だ」


「え?」


「まぁいい闇に触れると痛い目見るぞ」


「はい、すんません」

どうやら色々あるらしい


「ってことでフェイズに立ち向かうには通常の魔法でもいいがそう….


武器がいるよな!」


「は、はぁ」


「どうしたテンション低いぞ。ナブラなんて教えてなくても使っていてビックリしたぞ。言ったらそんな感じだ」


「せんせー僕たち魔術師なんですけど….」


「あぁお前らいつもフェイズが現れたとき避難しているから分からないと思うけど、組織の人は普通に武器使ってるからな」


「そんなもんなんですかね?」


「もちろん魔法でも十分効き目のある個体はいる。だが、大型巨体となるとそうはいかなくてな、遠距離から魔法弾を放ったりして弱らせてから近距離武器でトドメを刺したりするんだ」


魔法の応用幅は想像以上に大きい、魔法を放てる武器を作ることも可能だ。


「そこでお前らには自分の考えた武器を考えてもらう。自身がイメージした武器を魔法で生成するんだ」


「なるほど!ワクワクするね!」


メルスが質問する

「先生、先輩たちは一から魔法で作らずに実体として持ってましたが私たちの分は無いんですか?」


「まだお前らには早いからな、一から魔法で作り出すと耐久力が脆く割と壊れやすいんだが、これも魔術の基本だ。しっかりやれよ~」

アズ先生は相変わらずダラけた格好で立っている。


「じゃあ脳内で強く武器をイメージするんだ。これが俺の武器なんだぞ!って」


「う~ん 中々難しいわね」


「イメージできたらその武器にちなんだ名前を付けて詠唱するんだ」


するとナブラが早々に詠唱を始めた

「<マジックソード>」


シャキーン


「ほらこんな感じだ」


「マジックソードって本当に武器の名前だったのね…」

ボソッ

「ダサっ」


「おい!聞こえてるからなそこ!良いじゃねぇかよ!」


「流石にそうとは信じたく無かったわよ!」


「お前ら集中してやれよ~出来るまで帰れねぇからな」

何気にとんでもないことを言ってくる。


「わ、分かったわよ….」


するとルーナが突然声を上げた

「<レールスタッフ>」


ヴォン! シャキッ


ルーナの手元には一本の杖があった。

「やった!成功した!」

魔術師らしい禍々しい木の枝のような杖だ。


「おう、成功したか。じゃあ帰って良いぞ」


「え?本当ですか やったー!」

走り出して帰って行くルーナ。それを尻目に苦戦する女子がいた。


「くーーー なんで成功しないのよ!」


「コンテストでデッカい氷の剣持ってたじゃねぇかよ」

アズ先生がツッコむ


「いや、あれはなんで私も持ってたのか分かんなかったし、なんか思い出せなくて」

メルスはあたふたとしている。ナブラは退屈そうにメルスを見ていた。


「あんだけダサいとか言っておいて自分は作れすらしないのかよ」


「はっ!? 本気出せば私だっていけるし! こうやってう~ん」


『クリスタルアインシュラッグ』


パキッ パキッ バリーーーン


巨大な氷の剣が生成された。

「おぉ やったな!メルス!」


「私だって本気出せばこんなもんよ!」

するとアズ先生が言う

「それ固有魔法だからな。皆が使っている方法じゃないから却下だ」


「えぇぇぇぇ もうやだーーーー」


結局最後まで残っていたのはメルスだった。



翌朝


「おはようございます会長!」


「えぇ、おはよう」

会長は珍しく正門で生徒たちに挨拶をしていた。勿論生徒会のメンバーも一緒だ。


「いきなり挨拶活動なんてどうしたんですか会長」


「これも生徒たちと距離を縮めるための活動よ。あまりにドライだと生徒たちも信頼なんてしてくれないわ」

会長はこういった活動も欠かさない。これも長きにわたって会長を務めてきた秘訣だろう。

新聞部の調査によるとこの3年間で生徒会の支持率が90%を割ったことなどなかったらしい。とにかくバケモノ生徒会長ということを示し続けているのだ。


「これに戻ったら早速生徒会室に戻るわよ」


「はい、分かりました」


生徒会室にて

生徒会の仕事は、勿論事件の解決だけではない。様々な業務をこなす中、時間を見つければ事件の解析をする。


「この野球部とテニス部の要件なんだけど….」


「はい、今取り組みます」


カタカタカタカタカタカタ


「ふふ、随分とタイピングが早くなったわね書記ちゃん」


「生徒会の活動のおかげです…というより忙しすぎるためですが」


「でも覚えが早くて助かるわ」


カタカタカタカタカタカタカタカタカタ


そう会話しながら話す会長のタイピング速度は、書記の何倍も早かった。

「ほんと、バケモンだわ生徒会長」


1時間後

「やっと終わったわね。みんなお疲れ様」


「今日は一段と疲れましたね。腰が悲鳴を上げてますよ」


「部活動の大会が近いから忙しいだけよ。時期に楽になるわ」

机には大量の書類が積み上げられていた。


「まぁほぼ会長が仕上げたんですけどね」


「そうでもないわよ。いつも助かっているわ」

謙虚さの裏にはとんでもない量の案件がこなされていた。

「今日はこの辺にしておきましょう。お疲れ様」

会長は端末を見ながら言う。


「会長は帰らないのですか?」


「えぇ事件についてやる事があってね」


「あまり無理はしないでくださいよ。今日はいつもより大変だったんですから」


「無理せずすぐに帰るわ」


生徒会メンバーは会長を置いて帰っていった。


夜も更けて行く


リィリィリィリィリィ


部屋の外からはすっかり虫の鳴き声が聞こえてくる。

「あら、少し遅くなりすぎたわね そろそろ帰ろうかしら」



ドンッ



いきなり扉の方から大きな音が鳴る。

それでも会長は冷静だった。恐る恐る部屋を出た。



ーーーーーーー

ヤメロ

ーーーーーーー



そう書かれた紙は、小刀で壁に突き刺されていた。



「ほう、私を敵に回すつもりね…..




面白いじゃない」



いつもバケモノはバケモノと対立する運命だ。


1日に1万字書きました。今日は割と時間が取れたので書けましたが、月末まで10万字はまだ遠いですね。自由時間は限られているので睡眠を削ってなんとかします。

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