第26話: 全ては決まっていた
「解除」
その言葉とともに時間は息を吹き返す。
「さようなら」
残酷にも剣の軌道にはジェイドがいる。
ザッ
「<ジッド>」
ズガガガガガガガガ
輝きの剣は中心へと向かい、やがてぶつかった。
だが、ジェイドはいない。
するとアーテンの後ろにジェイドはいた。
「俺はここにいる」
「何故だ!? 魔法の詠唱は間に合わないはず」
「お前が魔法を使う前に詠唱しておいた」
「そんなバカな そんなの未来予知と変わりないじゃないか」
はたまた偶然なのかは分からない、事実だけが結果を示している。
「御託はいい、戦いを続けるぞ」
あまりの衝撃的な出来事に、頭が真っ白になったアーテンに言葉の刃が向けられた。
「もういい、最後に勝つのはボクだ」
「<ホーリーブレイド>」
焦りが見える、もはや戦略など彼の頭にはなかった。
「<ゼクシオム>」
ジェイドもそれに応える。
一瞬から始まった。
スッ
カンカンカンカンッ
カカカカカカカ カンッ
激しく武器が鳴く。
会場は驚きの展開に目を離せない。
「さっきからすげぇ!」
「どうなってんのかワカンねェよ」
カンッ
もはや決闘のようだ。互いの武器が跳ね返り両者は突き飛ばされる。
「ボクは冷静さを欠いていたようだね」
一旦、呼吸を整える。
ジェイドは攻撃をやめない
「<ロアーズ>」
アーテンは動きを遅くされてしまう。
「<レイズ>」
アーテンは逆に自身のスピードを上げる魔法を使い、効果を相殺させた。
「これは茶番かい? 本気でやろうよ」
「<ホーリーブレイド/ソーン>」
剣が再びジェイドの方へ。
軽々とそれを避けるも、アーテンは笑う。
「<バイズ>」
タイミングが悪かった。ほぼ剣を避けるのと同時刻で発された魔法は、避けようがなかった。
バシン!
ジェイドは結界中にブラブラと宙に揺れる。
「やらかしたな」
今度こそピンチだ。何も対処ができない。
「今度こそ仕留めたよジェイドくん、もう逃がさない」
ホーリーブレイドを取り出す。
「これで君の負けだ。降参すれば痛みがなくて済むよ」
意外な反応を示す。
「負けるのはお前の方だよ」
「えっ」
ジェイドはアーテンの後ろが、巨大な球で発光しているのが見える。
「最初に俺は<ファイザッツ>を放ったよな」
「あぁ君が失敗したやつね」
「あれは時間経過により、威力が増し巨大化していくんだ」
「そんな効果もあったね、無属性の下級魔法なんてボクには必要ないのさ…」
「え、まさか」
後ろを振り向く、時は遅い
「ファイザッツは下級魔法だ。それゆえにお前は侮っていたんだろ。自分の裏なんか気にせず、Fクラスやらと階級だけで判断してしまった愚かさの罰だ」
「ま、待て! うわぁぁぁぁぁ」
ドガーーーーーーーーーン
強烈な爆発が起こる。
下級魔法とは到底思えない威力だ。
「うっ うっ ボクはまだ……バタッ」
アナウンスが流れる
継続戦闘不可と判断されました。試合終了
「勝者 ジェイド・イプシム!!」
「「「「すげぇぇぇぇぇ」」」」
会場は今日イチのボルテージを見せる。
「最初から仕込まれてたってことか?」
「下克上はいつ見てもいいもんだね」
「なんとアンケートで2位だったアーテン選手がここで敗退です! こんなこと誰が予測できたでしょうか!?」
「俺は信じてたぜジェイド」
ナブラはドヤ顔でこちらに言う。
「あぁ皆の応援のおかげだ」
「またまた聖人みたいなこと言っちゃって」
「ふっ ジェイドくんいい勝負だったよ 握手しよう」
ボロボロになりながらもジェイドに寄る。
「あぁいつかまた戦おう」
ガシッ
熱い握手をし、3回戦は終わりを迎えた。
今週は忙しいので、1日3話はもしかしたらキツイかもしれませんが頑張ります。




