第20話: ジェイドの戦い方
「ジェイドとフェルノは円の中央にな」
現クラス1位と2位の直接対決だ。ただ魔法の威力の話なので、実戦ともいうと分からない。最高の戦略、最高のパフォーマンスを出せてこその実戦だ。
「先ほどに加えて、実戦での知識を教える」
「まずお前らが使えるのは、自身の属性魔法・無属性魔法そして固有魔法だ。その3つの魔法を駆使して戦うことになる」
「例えば、対戦相手の属性が、自身の属性と不利な場合がある。そこで無属性魔法と固有魔法を工夫して戦うんだな」
だが、ジェイドは”無属性”ほかの属性魔法は使えない。単純に戦略の柱を1つを失うわけだ。
「よく分かんないけど、頑張ります!」
「いい戦いをしよう」
こういった、何を考えているか分からない相手が、最も警戒すべき対象だ。じっくり特徴を観察し、すばやく魔法で対処する必要がある。
「よー---い 始め!」
試合が始まった。お互いに何もせず、相手の動きを警戒する。
静寂を破ったのは、意外にもフェルノの方だった。
「<インザード>」
フェルノからごうごうと猛る、灼熱のマグマが放たれ、球体となりジェイドに襲い掛かる。
<インザード>は中級魔法。軽々と放ってきたのは、流石、成績優秀者といったところだ。
「<リーフェン>」
魔法を反射する魔法だ。ジェイドは大きな膜を帯びる。
ドドドドドドド
物凄い勢いでインザードが反射される。それはフェルノの方へ突撃していく。
「<デイフォン>」
ポワンポワン
インザードがフェルノに命中するも、何事もなかったのようにそこに立っている。
「デイフォンを使うとはやるな。自身の属性と同じ魔法をくらったとき、自身の魔力が回復する。跳ね返された魔法を、有効活用したというわけか」
「え、ええと その通りです」
少し照れるフェルノ
「だが、次は俺から仕掛けさせてもらう。<ファイザッツ>」
追尾する無属性の魔法弾を放つ。大きな球体は速度は遅いながらも、次第にサイズは上昇し対象へ向かう。
「<ヴォンス>」
炎の壁が生成される。これで球体を炎で吸収しようと試みる。だが、思ったより威力が強くそれはできなかった。
「あ、吸収できてない こうなったら<ペクト>」
守りの体制になる。しかし、威力はかなり上昇している。全てのダメージは受けきることはできなかった。
バリバリ パリーーーン
「キャッ」
フェルノは軽く突き飛ばされる。かろうじて円の中に留まったため、失格にはならなかった。
「負けてられませんね <ボース>」
ドドン!
小さな球がジェイドに接近し、爆発を引き起こす。
ジェイドは受け身をとり、対処する。
「魔法で防ぐだけではなく、しっかりと体でも避けないとな」
「やりますね!ジェイドさん」
今のところいい勝負をしている。フェルノは大きくその身を構えた。
「こうなったら 奥の手です! いでよ!インフェルノドラグーン!」
これは通常の魔法ではない。召喚士の国で、召喚獣と仲を培ったものだけが使える<召喚魔術>」
龍は空へ高く飛び上がり、大きく咆哮する。
「どうですか私の”召喚獣”は」
「召喚士の国”ネヴェラ”出身とは恐れ入った」
ネヴェラはかつて召喚獣と契約した古代から続く国家だ。長くの間森の中にある、超巨大空洞の中で生活しておりフェイズの襲撃から、自らの力で国を守った極々少数の国家の1つだ。
「くっ まさかこんな希少な人がいるとは」
深く考えているからか、たどたどしく自分の周りを動き回るジェイド。
「私もフェイズと戦うために、ここに来たんです。この力を使いましょう!」
龍が空からこちらを見ていたが、フェルノにより仕掛けられる。
「インフェルノドラグーンよ!敵を打ち払え <フレイム・インパクト>!」
龍が咆哮すると、フェルノも飛び上がり、龍とともに突撃する。
ドドドドドドドドド
「はぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
勢いよくジェイドを捉える。
「<ジッド>!」
ドーーーーーーーーーン
....
「あれ、ジェイドさんがいない...」
「俺はここにいるぞ」
いつの間にかフェルノの反対方向に立っていた。
「ずっと 君が仕掛けて来るのを待っていた」
「ど、どういう意味でしょうか」
「そこは数秒前 俺がいた場所...つまり俺が付けた軌跡の渦中だ!」
「いくぞ」
『軌跡を追う一瞬の煌めき』
無意味に周囲を動き回っているわけではなかったのだ。
フェルノは、猛烈な爆発に襲われた。
「キャッーーーーーー」
....
「勝者 ジェイド!」
「「「うぉぉぉぉぉぉぉー----!!!!」」」
クラスは物凄い盛り上がりを見せる。
「マジか、すべて計算の範疇だったってことか?」
「ジェイドエグイって!!」
「いえいえ、フェルノも物凄く強かった。接戦の勝利だ」
そんな歓声を受けても謙遜するジェイド
フェルノが駆け寄る
「ジェイドさん いい勝負でした。また戦いましょう!」
「あぁ、いい戦いだった!」
勝っても負けても両者の気持ちは、清々しいものであった。
クラス1位と2位。Fクラスといえど強烈で素晴らしい勝負であった。
「いいじゃないか君たち、師匠感心したぞ」
アズ師匠はご機嫌がいいようだ。
「じゃあ次は最後に、ルーナとナブラの直接対決をしてもらう」
コンテスト出場者同士、お互いのプライドをかけた戦いだ。
これまで1話が割と薄かったので、ボリュームを上げてみました。




