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第11話: 絶望の獣

 ドン!!

地鳴りが心臓を叩く、このまま耐え続けられるという幻想は崩れた。

通常のライオンの3倍はあるだろう巨体は、俺たちを陰で包む。


「おい、あれなんだよ あんなやつの相手しないといけないのかよ」

絶望が襲う、見とれている場合ではなかった。


ズガガガガガ


その巨体に似合わぬ速度で、地面を尾でひっかき続ける。

ナブラはかろうじて攻撃をよける。


「アブね レーザーかよあの尻尾はよ」

次々と攻撃をしかけてくる。このままではケガ人がでることは間違いないだろう、早急に対処する必要があった。


「どうしよう。あんなの1年生で相手する敵じゃないよ」

「ここで弱い腰になってどうするんだ!俺が行ってやる!」

気の早い者が飛び出した。

「マジックソード!いくぜ!」

ッガン

「おっと流石にきかねぇか」


ナブラはおもわず跳ね返される。


「<パラノイア>!」


ガァァァァァァ


パラノイアは効いていたかと思えば、即座に魔獣の視力は元に戻る。

「くそっ こいつ固有魔法も効かないのかよ」

様々な魔法を使うも全部ダメ

もうダメだ

すっかり皆委縮してしまっている。

「ふ、これが負けイベントってやつか。倒せるどころかダメージを与えることすら出来ないぞ」

「時間を稼いで20分まで持たせるって手があるけど、この速度なら無理そうね」


そんな中ジェイドは諦めてなどいなかった。

「<ゲイズ>」

ゲイズは対象の弱点を見破ることができる。

見えた、やつの弱点は胸に付いている紋章、そこにすべてを叩きこむ。


ガァァァァァァ


魔獣はそれに反抗し、ジェイドへ爪を立てる。


ブンッ!

ブンッ!


ヒュッ

魔獣の連続した攻撃にジェイドは軽々と避けていく。ジェイドに隙を見せないほどの猛攻をするも、逆に魔獣が隙を見せてしまった。

「スキアリ!」

『<虚無なる世界へ《リ・ヴォイド》』

魔獣の紋章に時空の裂け目が出現した。

その瞬間、直視できないほどの光を発する。

「な、なんだこの光は」

クラスメイトはあまりの光に目を隠す。眩い光の中少し魔獣の方を向いて見るも。すでに光に覆われていた。

獣の悲鳴は聞こえない、光とともに消滅した。


しばらく沈黙が続く。......


ピピィィー

沈黙は意外な合図で破かれた。


「はい、20分経過したからお前らの勝利な」


とんでもない結末を迎えたわりに冷静である。


「やったのか?... 俺たち生きている?」


「あぁここは地獄じゃないぞ」


「よっしゃあああぁ!!! 勝利だ!!」


「何回死にかけたか分かんないわよ!」

クラスは安堵の空気に包まれた。それと同時にジェイドの元へ集まる。

「お前ヤバすぎるって!測定の時もすでにヤバかったけど身体能力もバケモンかよ!」

「今度その体術教えてよ!」

わらわらとジェイドに教えを乞う人が続出する。

ジェイドはやれやれと思いながら、対応に困り果てている。


クラスは歓喜に包まれている中、神妙な顔をしている人たちがいた。


???「これ我々が用意した魔獣じゃないっすよ」


「あぁそもそもこれ魔獣じゃなくて”アルティマイア”上級のムカデ型フェイズだ、上級魔術師10人がかりで討伐するタイプなんだがね」


???「フェイズ反応装置が反応してなかったの普通にヤバいと思うんですが」


「上に伝えるのが怖いからここだけの話にしようじゃないか」


???「それにしてもアズ先生も鬼畜っすね、あんなやつ最後に出すなんて」


「本来は今回の実習で失敗してもらう予定だったんだが...ジェイド とんでもないやつの命を預かったらしい」


???「まぁ自分の出番なかったし楽でよかったかもしれないっすわ」


「最初は腹が立つ野郎だと思ったが、興味が湧いてきたぞジェイド」


何はともあれ俺たちの勝利だ。






一日3話は普通に大変ですね。

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