白の泉への道
世界の色がゆっくりと薄れていく。
青が淡く、緑が静かに、黄が透け、紫が揺れ、
すべてが“白”へ向かう。
空が白く滲み、
地の底から白い光が漏れ、
風が色を失い始める。
ユナが息を呑む。
「彩……
世界が……白に戻ってる……
これは……白の泉が呼んでる証だよ……」
彩は胸元の紋を押さえた。
どくん。
どくん。
「……白の泉……
すごく強く……私を呼んでる……」
セレスが青い糸を伸ばし、
世界の脈を読み取る。
「彩さん……
白の泉は《色脈源泉》……
世界の色が生まれた最初の泉です。
そこへ向かう道は……
他の泉とはまったく違います。」
レイアが剣を肩に担ぐ。
「どんな道でも行くぞ。
彩の選んだ道だ。」
ミュレが彩の袖をぎゅっと掴む。
「彩ちゃん……
みんなで行こう……
白の泉へ……!」
白の泉への道①:世界の中心が開く
地の底が静かに割れた。
音はない。
ただ、世界が“ひらく”感覚だけがある。
白い光が柱のように立ち上がり、
空へ向かって伸びていく。
その光は、
青でも緑でも黄でも紫でもない。
ただの“白”。
ユナが震える声で言う。
「彩……
あれが……白の泉への道だよ……
世界の中心……
色が生まれた場所……」
彩はその光を見つめた。
どくん。
どくん。
胸の紋が白く滲む。
白の泉への道②:色が消える階段
白い光柱がゆっくりと形を変え、
“階段”のような段差を作り始めた。
その階段は——
空へ向かって伸びている。
青の泉は森の奥。
緑の泉は生命の森。
黄の泉は光の森。
紫の泉は地の深層。
そして白の泉は——
空の上、世界の中心。
ミュレが目を丸くする。
「彩ちゃん……
階段が……空に向かってる……!」
レイアが息を呑む。
「空へ……登るのか……
こんな泉、初めてだ……」
セレスが静かに告げる。
「白の泉は、
“世界の始まりの光”が宿る場所。
地ではなく、
空でもなく、
世界の中心にあります。」
彩は一歩、階段に足を乗せた。
その瞬間——
世界の色が完全に消えた。
白の泉への道③:色のない世界
階段を登るにつれ、
周囲の景色が変わっていく。
青も、
緑も、
黄も、
紫もない。
ただ、
白い光が静かに漂う世界。
ユナが胸元を押さえる。
「彩……
ここ……
色がない……
世界が……生まれる前みたいだ……」
セレスが頷く。
「白の泉は、
“色が生まれる前の世界”。
ここでは……
心も、生命も、希望も、魂も……
すべてが静かになります。」
彩は周囲を見渡した。
白い霧の中に、
ぼんやりと“光の粒”が揺れている。
ミュレが震える。
「彩ちゃん……
この光……
なんか……懐かしい感じがする……
でも……ちょっと怖い……」
ユナが彩の手を握る。
「彩……
白の泉は……
きみの“存在理由”に触れる泉だよ……
絶対に一人にならないで。」
彩は頷いた。
「……うん。
みんなと行くよ。」
白の泉への道④:白虚彩の気配
階段の終わりが近づくと、
白い霧が濃くなり、
空気が重くなる。
レイアが剣を構える。
「……来るぞ。
これは……敵の気配だ。」
セレスが青い糸を伸ばす。
「彩さん……
白の泉には《白虚彩》がいます。
虚彩の最終存在……
色の源を蝕む影です。」
ミュレが震える。
「彩ちゃん……
気をつけて……
白虚彩は……
他の虚彩よりずっと強いよ……!」
ユナが彩の手を握る。
「彩……
ぼくがいる。
きみの光は……絶対に消えない。」
彩は階段の最後の一段を踏みしめた。
白い霧が割れ、
巨大な“白い影”が姿を現す。
——白虚彩との遭遇。
色脈の旅は、いよいよ最終決戦へ。




