白虚彩との戦闘開始
白の泉の中心。
色のない世界。
ただ白い光だけが漂う空間。
その中で、
白虚彩は静かに立っていた。
輪郭は彩。
声も彩。
呼吸も彩。
だが胸の中心だけが“空洞”。
色が生まれる前の、完全な“無”。
ユナが彩の手を握る。
「彩……
白虚彩は……
きみの“色の核”を奪いに来る……
他の虚彩とは違う……
これは……世界の根源そのものだよ……」
彩は静かに頷いた。
「……分かってる。
でも……逃げない。
私の色を……渡さない。」
セレスが青い糸を伸ばし、
白虚彩の脈を読み取る。
「彩さん……
白虚彩は《色脈源虚》……
虚彩の最終存在です。
色の源を蝕む影……
巫女の“存在理由”そのものを試します。」
レイアが剣を構える。
「どんな影でも、俺たちが支える。」
ミュレが彩の袖をぎゅっと掴む。
「彩ちゃん……
絶対に一人にならないで……!」
白虚彩の第一の動き:色の消失《色脈消》
白虚彩が一歩、彩へ近づいた。
その瞬間——
世界の色が“音もなく”消えた。
青も、
緑も、
黄も、
紫も。
すべてが白に溶けていく。
彩の胸が強く痛む。
「……っ……
私の……色が……薄れていく……!」
白虚彩が囁く。
——あなたは誰?
——あなたは何色で生きたい?
——あなたの色はどこにある?
ユナが叫ぶ。
「彩!!
白虚彩の囁きは《色脈消》!!
“色そのもの”を消す力だよ!!
聞いちゃだめ!!」
彩は胸元を押さえた。
どくん。
どくん。
「……私は……
私の色を……見失わない……!」
白虚彩の攻撃①:色の反転《色脈反》
白虚彩が手を伸ばす。
その指先は、
光でも影でもない。
ただ“色の前の存在”。
触れられた瞬間——
彩の視界が反転した。
青が赤に、
緑が黒に、
黄が紫に、
紫が透明に。
「……っ!!
世界が……反転してる……!」
セレスが叫ぶ。
「彩さん!!
それは《色脈反》!!
色の構造そのものを反転させる攻撃です!!
危険です!!」
レイアが斬りかかるが——
剣は白虚彩をすり抜ける。
「くそっ……!
斬れねぇ!!
実体がない!!」
ミュレが涙目になる。
「彩ちゃん……
やだよ……
色が……全部壊れちゃう……!」
彩の反撃:色の核光《彩脈白核》
彩は震えながらも、
白虚彩の手をそっと押し返した。
胸元の紋が強く輝き、
ラベンダーの光が白に染まり、
深い深い光となって溢れ出す。
「……私は……
私の色を……消させない!!
色は……私が選ぶ!!
私が生きたい色で……生きる!!」
光が核となり、
白虚彩を包む。
「——《彩脈白核》!!」
白虚彩が初めて後退した。
ユナが息を呑む。
「彩……
きみの光……
白の泉と……共鳴してる……!」
セレスが涙をこぼす。
「彩さん……
あなたは……
白の泉に選ばれています……
この光は……
白虚彩を拒絶できる唯一の光……!」
白虚彩は揺れながら囁く。
——それでも……
——あなたは……
——自分の色を知らない。
彩は静かに答えた。
「うん。
まだ分からない。
でも……
だからこそ、探すんだよ。
私の色を。」
白虚彩が揺れ、
世界が震える。
——白虚彩との戦闘は、まだ始まったばかり。




