光を喰らう影の気配
黄の泉へ向かう光の道を進む彩たち。
森の緑は次第に薄れ、
代わりに淡い金色の光が漂い始めていた。
ユナが胸元を押さえる。
「……この光……
懐かしい……
でも……少し怖い……」
彩はユナの手を握る。
「大丈夫。
ユナはもう一人じゃないよ。」
ユナは小さく頷いた。
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前兆①:光が“揺らぐ”
突然、
周囲の金色の光がふっと揺れた。
まるで——
光そのものが怯えているように。
レイアが剣を構える。
「……今の、見たか。
光が……逃げたように見えた。」
ミュレが震える。
「彩ちゃん……
光が“食べられてる”みたい……
こんなの……初めてだよ……!」
セレスが青い糸を伸ばし、
光の流れを探る。
「……光脈が……途切れています。
まるで“何か”が光を吸い取っているような……」
彩は胸元の紋に触れた。
どくん。
どくん。
「……この気配……
緑虚彩とも……青虚彩とも違う……
もっと……冷たい……」
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前兆②:影が“光を奪う”
道の先に、
一本の木が立っていた。
その木の周囲だけ——
光が消えている。
ユナが息を呑む。
「……あれ……
ぼくが倒れていた時と……同じ……」
レイアが木に近づくと、
木の影がゆっくりと“動いた”。
影は木の根元から剥がれ、
地面を這うように広がる。
ミュレが叫ぶ。
「彩ちゃん!!
影が光を吸ってる!!
見て!!
木の周りだけ真っ暗!!」
セレスが震える声で告げる。
「……これは……
《光喰いの影》……
黄の泉に潜む影の前兆です……」
彩は息を呑む。
「光を……喰べる……?」
セレスは頷く。
「はい。
黄の泉の“希望の光”を奪い、
勇気を失わせる影……
それが黄虚彩の眷属です。」
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前兆③:影の囁き
影が彩たちの足元に近づくと、
かすかな囁きが聞こえた。
——光は消える。
——希望は脆い。
——勇気は幻。
ユナが耳を塞ぐ。
「やめて……!
その声……
ぼくを……また……!」
彩はユナの手を握り、
強く言った。
「ユナ、大丈夫。
その声は“嘘”だよ。
あなたの光は……消えてない。」
ユナの瞳が揺れる。
セレスが結界を張ろうとするが、
腕の後遺症で力が出ない。
「……ごめんなさい……
今は……結界が……」
レイアが前に出る。
「なら俺が守る。
影が来るなら斬り払うだけだ。」
影がレイアに向かって伸びる。
彩は胸元の紋を握りしめた。
「……来る……!
これが……黄の泉に潜む影……!」
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光喰いの影、姿を現す
影がゆっくりと形を成し始めた。
黒ではない。
緑でも青でもない。
光を吸い込んだ“空白の影”。
輪郭だけが揺らぎ、
中身は完全な“無”。
ミュレが震える。
「彩ちゃん……
あれ……“影なのに光ってない”……
光を全部……飲み込んでる……!」
セレスが息を呑む。
「……あれが……
黄虚彩の眷属……
“光喰いの影”……!」
ユナは震えながらも、
一歩前に出た。
「ぼく……
あいつに……光を奪われたんだ……
でも……
今は……彩がいる……
レイアがいる……
セレスも……ミュレも……!」
彩はユナの手を握り返す。
「一緒に戦おう、ユナ。
あなたの光を……取り戻すために。」
影がゆっくりと口を開く。
——光を返せ。
——希望を返せ。
——勇気は私の糧。
彩は胸元の紋を輝かせた。
「返さない。
ユナの光は……
私たちが守る!!」
黄の泉に潜む影との戦いが、いよいよ始まる。




