三人目の影、黄の気配
緑の泉が完全に復活し、
森が生命の色を取り戻したあと。
彩たちは泉のほとりで休んでいた。
セレスはまだ腕の色が戻らず、
木の根元に寄りかかって静かに呼吸している。
レイアが周囲を見渡す。
「森の気配が……変わったな。
緑の泉が復活したからか。」
ミュレが耳をぴょこぴょこ動かす。
「うん……でもね……
なんか“別の色”が混ざってるよ……?」
彩は胸元の紋に触れた。
どくん。
どくん。
「……分かる。
緑じゃない……
青でもない……
もっと“明るい色”……」
セレスが目を開け、
弱い声で言った。
「……彩さん……
それは……“黄の泉”の気配です……」
前兆①:光の粒
森の奥から、
ふわりと“黄色い光の粒”が漂ってきた。
レイアが剣に手をかける。
「……敵か?」
彩は首を振る。
「違う……
この光……暖かい……
まるで……“希望”みたい……」
光の粒は彩の周囲を回り、
まるで何かを伝えようとしている。
ミュレが目を丸くする。
「彩ちゃん!!
この光……“誰かの気配”だよ!!
人の……心の色!!」
セレスが静かに告げる。
「黄の泉は“勇気と希望”の色。
その泉に選ばれた者が……
あなたたちに近づいています。」
前兆②:風が運ぶ“声”
突然、森の奥から
柔らかい風が吹いた。
その風に——
かすかな“声”が混ざっていた。
——助けて。
——誰か……聞こえる……?
彩は息を呑む。
「……今の……
人の声……?」
レイアが森の奥を睨む。
「この先に……誰かいるのか。」
セレスが青い糸を伸ばし、
森の色脈を探る。
「……生命反応があります。
でも……弱い。
“影”に囚われている可能性が高いです。」
彩は立ち上がった。
「行かなきゃ……!
誰かが……助けを求めてる!!」
前兆③:黄の光の道
光の粒が集まり、
森の奥へ続く“黄色い道”を作り始めた。
ミュレが跳ねる。
「彩ちゃん!!
道ができてるよ!!
これ……案内してくれてるんだ!!」
レイアが頷く。
「黄の泉の力か……
あるいは……
その泉に選ばれた“誰か”の力だな。」
セレスは弱い身体を起こし、
彩の手を取った。
「彩さん……
その先にいる人は……
きっと“あなたの仲間”になります。」
彩は胸元の紋に触れた。
どくん。
どくん。
「……分かる。
この光……
私を呼んでる……!」
巫女装束が淡い黄色を帯びる。
三人目の仲間の影
森の奥。
光の道の先。
そこに——
倒れ込む一人の影があった。
黄色い光がその身体を包み、
影の蔦が絡みついている。
レイアが剣を構える。
「彩、急げ!!
あいつ……影に喰われる!!」
彩は駆け出した。
「待ってて!!
今、助けるから!!」
セレスが震える声で呟く。
「……あの人こそ……
“黄の泉”に選ばれた者……
あなたたちの……
三人目の仲間です……」
——黄の章、開幕の予兆。
三人目の仲間が、ついに姿を現す。




