緑虚彩、生命を蝕む影
緑の泉の前に立つ彩たち。
泉は淡い緑の光を放ちながらも、
どこか苦しげに揺れていた。
セレスが泉に手をかざす。
「……生命の流れが……止まりかけています。
泉が“呼吸”をしていない。」
レイアが剣を握りしめる。
「つまり……
何かが泉の力を奪っているってことだな。」
ミュレが震える。
「彩ちゃん……
泉の奥から……“変な音”がするよ……」
彩は胸元の紋に触れた。
どくん。
どくん。
「……うん。
緑虚彩が……近い。」
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前兆①:生命の歪み
泉の周囲の草が、
突然“逆方向”に揺れた。
風は吹いていない。
なのに——
草木がざわざわと震え、
まるで“何かが通った跡”のように倒れていく。
レイアが低く呟く。
「……生き物の動きじゃない。
これは……影の通り道だ。」
セレスが青い糸を伸ばし、
地面の色脈を探る。
「……生命の色脈が……
“食べられて”います。」
彩は息を呑む。
「食べられて……?」
セレスは静かに頷く。
「緑虚彩は、
生命の色脈そのものを喰らう影。
植物も、動物も、人も……
“生きているもの”の色を奪う。」
ミュレが震える。
「そんなの……
泉が苦しむはずだよ……!」
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前兆②:腐敗の気配
泉の水面に、
黒い“しみ”のようなものが広がり始めた。
彩は思わず手を伸ばす。
「……泉が……汚れていく……!」
リュミエが告げる。
「これは“腐敗の兆候”。
緑虚彩が近づくと、
生命の色脈が腐り、黒く染まります。」
レイアが剣を構える。
「来るぞ……
構えろ、彩。」
彩は胸元の紋を握りしめた。
「……うん。
緑の泉を守るために……!」
巫女装束が淡い緑に輝く。
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前兆③:生命の悲鳴
突然、森の奥から
小さな動物の悲鳴が響いた。
ミュレが耳をぴょこぴょこ動かす。
「彩ちゃん!!
あれ……“生命の色”が消える音だよ!!」
セレスが青い糸を伸ばし、
森の奥を指す。
「……緑虚彩が……
“何か”を喰らっています。」
彩は胸が締め付けられた。
「……そんな……
やめて……!」
泉の水面が大きく揺れ、
黒い影がゆっくりと浮かび上がる。
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緑虚彩、姿を現す
水面から現れたのは——
黒と緑の霧が混ざり合った“影”。
青虚彩とは違う。
黒虚彩とも違う。
それはまるで、
腐った蔦が人の形を模したような存在。
レイアが息を呑む。
「……なんだ……この気味の悪さは……」
ミュレが震える。
「彩ちゃん……
あれ……“生きてる影”だよ……
影なのに……脈打ってる……!」
セレスが静かに告げる。
「緑虚彩は、
生命の色脈を喰らい、
“生き物の形”を真似る影。
だから……
こんなにも不気味なのです。」
影はゆっくりと顔を上げ、
彩を見つめた。
その瞳は——
緑の光を吸い込むような“虚無”。
彩は一歩前に出た。
「……緑虚彩……
泉を苦しめてるのは……あなたなんだね。」
影は声を持たない。
だが、彩の心に直接“囁き”が届く。
——生命は弱い。
——色は脆い。
——私が喰らえば、すべて終わる。
彩は胸元の紋を握りしめた。
「……そんなこと……
させない……!」
巫女装束が緑とラベンダーに輝く。
レイアが剣を構える。
「彩。
行くぞ。
ここからが本当の戦いだ。」
セレスが静かに頷く。
「緑虚彩は……
青虚彩よりも危険です。
生命そのものを奪う影。
気をつけて。」
緑虚彩との戦いが、いよいよ始まる。




