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彩(いろ)なき世界の巫女~パステルカラーで塗り替える  作者: 白前 中
仲間との出会い

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34/50

緑の泉、生命の眠り

森の奥へ進むほど、

空気は湿り、

草木の香りが濃くなっていった。


レイアが周囲を見渡す。


「……緑の気配が強くなってきたな。

 生命の色脈が近い。」


セレスが静かに頷く。


「はい。

 この先に“緑の泉”があります。

 ですが……光が弱い。

 泉はまだ眠っています。」


ミュレが彩の肩で震える。


「彩ちゃん……

 なんか、森が息を潜めてるよ……

 怖いっていうより……“待ってる”みたい……」


彩は胸元の紋に触れた。


どくん。

どくん。


「……うん。

 緑の泉が……呼んでる。」


---


森の奥に広がる“生命の静寂”


木々が途切れ、

ぽっかりと開けた空間に出た。


そこに——

緑の泉があった。


だが、彩が想像していたような

鮮やかな緑ではない。


水面は淡く濁り、

光は弱く、

まるで“深い眠り”についているようだった。


彩は息を呑む。


「……綺麗……

 だけど……苦しそう……」


レイアが泉の周囲を見渡す。


「植物は生きてるが……

 色が薄いな。

 泉の力が弱まってる証拠だ。」


セレスが泉に近づき、

そっと手をかざす。


「……やはり。

 緑の泉は“生命の流れ”が詰まっています。

 このままでは……泉は完全に眠ってしまう。」


ミュレが不安そうに言う。


「彩ちゃん……

 どうしよう……

 泉が泣いてるみたいだよ……」


彩は泉の前に膝をつき、

水面に手を伸ばした。


---


泉が彩に触れる


指先が水面に触れた瞬間、

泉がかすかに光った。


どくん。

どくん。


彩の胸元の紋と、

泉の奥の“生命の核”が共鳴する。


彩は目を閉じた。


「……緑の泉……

 あなた……

 とても苦しいんだね……」


水面が小さく揺れ、

淡い緑の光が彩の手に絡みつく。


セレスが驚く。


「泉が……彩さんに反応しています。

 あなたの“心の青”が、泉の眠りを揺らしている。」


レイアが剣に手をかける。


「彩に触れたってことは……

 何かが起きるぞ。」


---


泉の奥から現れる“影”


泉の底が、

ゆっくりと暗く染まった。


ミュレが叫ぶ。


「彩ちゃん!!

 泉の奥から……影が来るよ!!」


リュミエが告げる。


「これは……

 緑の泉に潜む“生命を喰らう影”。

 緑虚彩りょくきょさいの気配です。」


セレスが一歩前に出る。


「まだ姿は見えません。

 ですが……

 泉の奥で“目覚めかけている”のは確かです。」


彩は胸元の紋を握りしめた。


「……緑虚彩……

 泉を苦しめてるのは……あなたなんだね。」


泉の水面が大きく揺れ、

緑の光と黒い影が混ざり合う。


レイアが剣を抜く。


「彩、構えろ。

 ここからが本番だ。」


彩は強く頷いた。


「うん。

 緑の泉を……助けるために。」


巫女装束がラベンダーと緑に輝く。


緑の泉は眠っている。

だが、その奥で“影”が目覚めようとしていた。



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