緑の泉へ、生命の道
青の泉を後にした三人は、
谷を抜け、森へ続く小道を歩いていた。
風は柔らかく、
空気はどこか湿り気を帯びている。
セレスが静かに言う。
「この先に広がる森は……
“生命の色脈”が流れる場所。
緑の泉へ続く道です。」
レイアが周囲を見渡す。
「確かに……
青の泉の周りとは空気が違うな。
生き物の気配が濃い。」
ミュレが耳をぴょこぴょこ動かす。
「彩ちゃん、聞こえる?
小さな生き物たちの声……
なんだか嬉しそうだよ!」
彩は胸元の紋に触れた。
どくん。
どくん。
「……うん。
緑の泉が……呼んでる気がする。」
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道中:色を取り戻す森
森へ入ると、
青の泉の光を受けたのか、
木々が少しずつ色を取り戻していた。
葉はまだ淡い緑だけれど、
確かに“生きている”色。
セレスが説明する。
「青の泉の復活は、
周囲の色脈にも良い影響を与えます。
緑の泉が眠っていても……
森は少しずつ息を吹き返すのです。」
彩は木の幹に触れた。
「……暖かい。
生きてる……」
レイアが微笑む。
「彩の色が、森にも届いてるんだな。」
巫女装束が淡い緑に揺れた。
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小さな出会い:森の精霊
突然、
草むらが揺れた。
ミュレが飛び上がる。
「わっ!?
なにかいるよ!!」
小さな光の粒が、
ふわりと彩の前に現れた。
彩は目を丸くする。
「……精霊……?」
セレスが頷く。
「はい。
緑の泉の近くには、
“生命の精霊”が住んでいます。
彼らは泉の異変を感じ取って……
助けを求めているのかもしれません。」
光の精霊は、
彩の胸元の紋に触れるように近づいた。
どくん。
どくん。
彩の心臓と、
精霊の光が共鳴する。
「……緑の泉が……
苦しんでる……?」
精霊は小さく震え、
森の奥を指すように飛んでいった。
レイアが剣に手をかける。
「案内してくれてるんだな。
行こう、彩。」
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森の奥へ:生命の気配と“影”
森の奥へ進むほど、
緑の気配は強くなる。
だが同時に——
冷たい影も混ざり始めた。
セレスが眉を寄せる。
「……嫌な気配。
緑の泉の“生命の色脈”が……
どこかで断たれている。」
リュミエが告げる。
「無彩獣……
それも、緑の泉に特有の“生命を喰らう影”が
潜んでいる可能性があります。」
ミュレが震える。
「彩ちゃん……
気をつけて……
この森、ただの森じゃないよ……」
彩は胸元の紋に触れた。
「……大丈夫。
青の泉がくれた“心の青”がある。
迷わない。」
レイアが頷く。
「お前の色があれば、
どんな影でも斬れる。」
巫女装束がラベンダーと緑に揺れた。
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緑の泉の気配
森の奥へ進むと、
空気が一変した。
湿り気が増し、
草木の香りが濃くなる。
そして——
遠くに、
淡い緑の光が見えた。
彩は息を呑む。
「……あれ……
緑の泉……?」
セレスが頷く。
「はい。
ですが……
光が弱い。
泉が“眠りかけている”状態です。」
レイアが剣を握りしめる。
「つまり……
また虚彩がいるってことか。」
ミュレが震える。
「彩ちゃん……
緑虚彩は“生命”を喰べる影だよ……
青虚彩より……もっと危険……!」
彩は胸に手を当て、
強く頷いた。
「……行こう。
緑の泉を……助けに。」
三人は緑の光へ向かって歩き出す。
——緑の章、開幕。
生命の泉が待っている。
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