泉を守る戦い
色脈の泉の黒い膜が、
彩の光に反応してわずかに裂けた——その瞬間だった。
ズズ……ッ
地面の奥から、
黒と白の“影”が這い出してきた。
ミュレが悲鳴を上げる。
「彩ちゃんっ!来たよ……!
泉を汚した“無彩獣”だよ!」
レイアは剣を抜き、彩の前に立つ。
「やっぱり来たか……
泉を守るために、ここに集まっていたんだな。」
無彩獣は三体。
狼のような形をしているが、輪郭は揺らぎ、
目は白く光っている。
彩の胸が強く脈打つ。
どくん。
どくん。
巫女装束が淡いピンクに揺れた。
「……怖い……
でも……泉を守らなきゃ……!」
リュミエが冷静に告げる。
「彩、あなたは泉の浄化を続けてください。
無彩獣はレイアが引き受けます。」
レイアは剣を構えたまま言う。
「彩、後ろを見てろ。
俺が前を守る。」
彩は強く頷いた。
「……うん。
レイアを信じる。」
その瞬間、巫女装束がピンクに輝いた。
“信頼”と“守りたい”の色。
レイアはその光を背に受け、
無彩獣へと駆け出した。
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レイアの戦い
無彩獣が三方向から襲いかかる。
レイアは剣を振り抜き、
一体の影を弾き飛ばした。
「くっ……!
こいつら、普通の無彩獣より強い……!」
ミュレが叫ぶ。
「泉の近くにいる無彩獣は、
色脈の残滓を吸って強くなってるんだよ!」
レイアは歯を食いしばりながら戦う。
彩は泉に手を当て、
黒い膜に光を流し続けた。
「お願い……
少しでも……色を取り戻して……!」
巫女装束がブルーに揺れ、
泉の黒い膜がさらに裂ける。
リュミエが驚いたように言う。
「彩……!
あなたの“冷静さ”が泉に届いています!」
ヴェイルが静かに告げる。
「境界の巫女よ。
あなたの色は、泉を浄化する鍵。」
彩は涙をこらえながら光を流し続けた。
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無彩獣の反撃
突然、無彩獣の一体が彩に向かって跳びかかった。
「彩!!」
レイアが叫ぶ。
だが距離が遠い。
彩は反射的に手を前に出した。
「いやっ……来ないで……!!」
その瞬間——
ピンクの光が弾けた。
無彩獣が弾き飛ばされ、地面に叩きつけられる。
ミュレが叫ぶ。
「彩ちゃん!
“護りの色”が出たよ!!」
彩は震える手を見つめた。
「……私……
レイアを守りたいって思ったら……勝手に……!」
レイアは息を切らしながら彩の隣に戻った。
「彩……
お前の色は、本当に……強い。」
彩の胸が熱くなる。
巫女装束がピンクに揺れた。
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泉が応える
彩が再び泉に手を当てると、
泉の奥から淡い光が溢れ出した。
黒い膜が裂け、
水面にパステルの光が戻り始める。
リュミエが驚きの声を上げる。
「泉が……回復している……!」
ヴェイルが静かに告げる。
「あなたの色が、泉を目覚めさせたのです。」
レイアが剣を構え直す。
「彩……
泉は任せた。
無彩獣は俺が倒す。」
彩は強く頷いた。
「うん。
私も……守るから!」
巫女装束がラベンダーに輝いた。
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決着
レイアが最後の無彩獣に向かって走る。
彩は泉に光を流し続ける。
泉の光が強くなり、
無彩獣の影が揺らぎ始めた。
レイアが叫ぶ。
「今だ……!!」
剣が無彩獣を貫き、
影が霧のように消えた。
静寂。
彩は泉から手を離し、
息を整えた。
泉はまだ完全ではないが、
確かに色を取り戻し始めていた。
レイアが彩の肩に手を置く。
「……やったな、彩。」
彩は微笑んだ。
「うん……
少しだけど……泉が息をしてる。」
ミュレが嬉しそうに跳ねる。
「彩ちゃんの色、すごいよ!」
リュミエが頷く。
「ですが……虚彩はまだこの町に潜んでいます。」
ヴェイルが静かに告げる。
「次の戦いが、すぐそこにある。」
彩は胸に手を当てた。
「……行こう。
泉を完全に取り戻すために。」
巫女装束が強いラベンダーの光を放った。
虚彩との戦いが、いよいよ始まる。




