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彩(いろ)なき世界の巫女~パステルカラーで塗り替える  作者: 白前 中
仲間との出会い

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13/49

色脈が導く町へ

色脈の記憶を見たあと、

彩の胸の奥ではまだ淡い光が脈打っていた。


どくん。

どくん。


世界の心臓と、自分の心臓が重なるような感覚。


レイアが隣で歩きながら、静かに言った。


「彩……大丈夫か。」


「うん……でも、まだ胸が熱いの。

 色脈の鼓動が、ずっと響いてる。」


ミュレが彩の肩でぴょんと跳ねる。


「彩ちゃん、それは“色脈が呼んでる”ってことだよ!

 この先に、きっと何かあるよ!」


リュミエが空気を読むように目を閉じた。


「……確かに。

 この先に“色脈の集まる場所”があります。」


ヴェイルが静かに告げる。


「そこは、かつて“色の町”と呼ばれた場所。

 今は無彩に沈んでいるが……

 色脈がまだ息をしている。」


彩は胸に手を当てた。


「……行かなきゃ。

 色脈が残ってるなら、きっと色を取り戻せる。」


レイアは迷いなく頷いた。


「行こう。

 お前の色があれば、きっと何か変えられる。」


---


灰色の大地を進む二人


色脈の光は、地面の下で淡く揺れていた。

彩にしか見えない細い光の道。


彩はその光を辿りながら歩く。


「……この道、まっすぐ続いてる。」


「色脈が町へ繋がっているのだろう。」

レイアが言う。


ミュレが耳をぴょこぴょこ動かす。


「彩ちゃん、気をつけてね。

 色脈の近くには、無彩獣が集まりやすいんだよ。」


リュミエが補足する。


「色を喰らう獣は、色脈の残滓を餌にします。

 つまり……あなたの色にも惹かれる。」


彩は少しだけ身を縮めた。


「……怖いけど……

 でも、逃げたくない。」


レイアがそっと彩の手を握った。


「大丈夫だ。

 俺がいる。」


その瞬間、彩の巫女装束が淡いピンクに揺れた。

“安心”と“信頼”の色。


レイアはその色を見て、少しだけ微笑んだ。


「……お前の色は、本当に分かりやすいな。」


「わ、分かりやすくないもん……!」


ミュレが大笑いする。


「彩ちゃん照れてる〜!」


---


最初の町:灰の静寂


しばらく歩くと、

遠くに建物の影が見えてきた。


灰色の家々。

色を失った看板。

人の気配はあるのに、どこか“生きていない”ような静けさ。


レイアが呟く。


「……ここが……」


「色脈が導いた町……?」


彩は胸の奥の鼓動が強くなるのを感じた。


どくん。

どくん。


色脈が、町の中心から呼んでいる。


ヴェイルが静かに言う。


「この町は“ルシエル”。

 かつて色と音楽に満ちた、美しい町だった。」


ミュレが寂しそうに言う。


「でも今は……全部、灰色になっちゃったんだよ。」


彩は拳を握った。


「……取り戻す。

 この町の色も……人の色も……

 絶対に取り戻す。」


レイアは剣に手をかけ、周囲を警戒しながら言った。


「まずは町の中心に行こう。

 色脈の気配が強い。」


彩は頷き、

淡いラベンダーの光を帯びた巫女装束を揺らしながら歩き出した。


色脈が導く最初の町——ルシエル。

ここで、彩とレイアは“最初の試練”に出会うことになる。



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