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相方の魔道士が弟子がほしいと駄々を捏ねるので、已む無く奴隷を買ったが、なんかヘンなオマケが付いてきた!?  作者: 白月 仄
四章 魔族とか飛び道具を出してくるのはやり過ぎたろと愚痴るオレ
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 体感的に三十分。

「──よし、出来た!

 お兄ちゃん、イーシュさんの剣に呪文で魔力付与するから、魔族を一旦、吹き飛ばして!」

 漸く、エリーが呪文のアレンジとやらを完了したようだ。しかし、無茶を言ってくれる。「魔族を吹き飛ばせ」とかさ。

 心中で文句を垂れながらも、オレは呪文の詠唱を開始。

「……ちょっ!? お兄ちゃん、その呪文……それって、『爆上打飛(ロンチ・ブラスト)』だよね?! その呪文は、呪文を詠唱するだけじゃ……──」

 詠唱に集中しているオレにはエリーがなんと言ったのか聞こえなかった。が、聞き返して、集中を途切れさせては元も子もないので呪文の詠唱を続ける。そして、オレは呪文の詠唱を完了し、

「──おい、イーシュ! 思いっ切り横に避けろよ? でないと、巻き込まれるからな!!

 いくぞ! 爆上打飛(ロンチ・ブラスト)!」

 オレは『力ある詞』を唱え、魔術を解き放つ!

 ──ぐごごごごぉごごぉおごごぉごごーん!!

 横向きにして放った爆上打飛(ロンチ・ブラスト)によって起こされた爆風が魔族を呑み込むと、魔族を徐々に後退させる。先程、魔族に物理現象を起こす魔術は通じないと述べたが、そいつはダメージが入らないという意味で、ダメージは無くとも物理法則には全部ではないが影響を受ける。なので、魔族は踏ん張って爆風に圧されるの耐えていたが、ついに足が地面から浮き上がり、爆風に乗ってかなりの距離を吹き飛ばされた。

「──……ああ、そうだった。魔術の実践では、お兄ちゃんには常識が通じないんだったわ……」

 呪文で起こった爆風の名残で、まだ耳がぐわんぐわんしていて、またもエリーの言葉は聞こえなかった。だが、彼女の表情を見るに悪口だろうと思い、この度も聞き返したりはしない。

 遠目に見た目が豆粒サイズに見える魔族を見据えながら、オレはすかさず懐から“三段に分かれる携帯用薬容れ”を取り出す。コイツは魔導道具の『コウモン』。いまは時間がないので詳細説明を省くが、『コウモン』の上と下にある出っ張りに『スケサン』と『カクサン』を嵌めることで、『コウモン』は真の姿になる。オレは腕に嵌めている『スケサン』と『カクサン』を外して『コウモン』にセットすると、『コウモン』の上段と下段の枠組部分が真っ直ぐに伸び、二股の砲身が姿を露わにした。

 『コウモン』を造った魔導道具技師レオナルドの直筆著書の『オールカタログ』によれば、この形態の『コウモン』を『レールガン』と呼ぶらしい。んで、このレールガンな『コウモン』には前以て魔力を充填しておくことで、強力な魔力弾を撃ち出す武器になる。但し、弾数は一発限りの一発勝負。更には、次装填には空気中から少しずつ魔力を貯めるため約一ヶ月かかる。ようは“切り札”や“奥の手”って奴だ。

「ラクルさん、それはいったい……」

 戻ってきたイーシュが、オレが手にする『コウモン』を見て首を傾げる。さらには、エリーも、

「お兄ちゃん、『それ』は何なの?」

 疑問を投げかけくる。が、オレは、

「説明は後ほど。エリーはイーシュの剣に魔力を付与する魔術をかけてろ!」

 二人の問いを一蹴して、射撃体勢をとる。

 吹き飛ばされた魔族は、既に猛スピードで此方へと向かって来ており、

「……ありゃ、滑空してるのか?」

 足を動かさずに地面すれすれを滑るように近付いてくる魔族に驚愕しながらも、砲身の先を魔族に合わせ、

「『コイツ』でくたばってくれよ?!」

 『コウモン』から魔力弾を発射する!


 ──ドキューン!



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