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相方の魔道士が弟子がほしいと駄々を捏ねるので、已む無く奴隷を買ったが、なんかヘンなオマケが付いてきた!?  作者: 白月 仄
四章 魔族とか飛び道具を出してくるのはやり過ぎたろと愚痴るオレ
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 広い草原に響く金属音。魔族の黒い触手はしなやかに鞭の如く風を切り唸っているのに、カウェスの振るう剣とぶつかると高い金属音を響かせていた。

「──うおぉぉー! プエッラ様を返せ!!」

 魔族相手に健闘するカウェス。しかし、彼が手にしている剣は、おそらく間に合わせの大量生産の市販品──プエッラ一味の武器は憲兵に逮捕されたときに没収されていたからな──である故、魔族に幾ら叩き付けても、魔族にはダメージにすらならない。さらには独りでの戦いを強いられているカウェスの体力の消耗が激しい。

 対して、魔族の方はというと、体中に無数に黒い触手が生えてるのに敢えて一本だけでカウェスの相手をし、時折、ワザとジルテの亡骸を刺したままの触手を盾にして彼の精神を嬲り者にするという鬼畜外道な行為で、カウェスを弄ぶ。

 ──さて、この間オレらがただ手を(こまね)いていたわけではない。手でのサインによる会話で作戦を練っていたのだ。既に担当は決まっている。先ずは、イーシュが神速の居合いでミギルを仕留め、同時にオレが『光輝の弩』でカウェスを援護射撃。そして、イーシュがミギルを仕留めたのを確認後、エリーとターミが呪文による援護を開始し、後はカウェスを含めた五人で魔族を倒す算段だ。

 オレは手で作戦開始のカウントダウンをする。──3、2、1!

 イーシュの影が奔り、オレは展開済みの『光輝の弩』の矢先を魔族に照準を合わせる。

 ──キンッ!

 だが、イーシュの居合い一閃はギリギリでミギルが手にしたナイフの刃と片腕を手首から先を斬り飛ばしたところで止められしまった!?

「──動くなっつったろ? ナイフも片手もやられちまったがな、“こういうこと”もできるんだぜ! おい、『魔族』! その男を本気で“()れ”!!」

 ミギルのその命令により、魔族はこれまで遊ばせていた無数の黒い触手が一斉に動き出した! いずれもカウェスを狙う必殺の一撃!

 オレは駆け出しながら、光の矢を放ってカウェスに迫る黒い触手の迎撃をするも数が多過ぎて焼け石に水にしかならない。しかも、黒い触手は光の矢で破壊されても長さは短くなったままだが先端が再生し、また動きだすという悪夢そのもの。

 そして、

「──プエッラ……様……、い、いま……お助…………………」

 ──間に合わなかった……。圧倒的数量の黒い触手の攻撃にカウェスが手にした剣の刃はついに砕かれ、雪崩となった黒い触手が、カウェスの体に無数に突き刺さったのだ。魔族に変えられてしまった主に触れようと、虚空に伸ばされた彼の手はプエッラに届くことなく、無常にも力を失い、落ちた。

「──アッハッハッ、イーヒッヒッヒッ、忠犬らしい、いい死に様だな。貴様らもそう思うだろ?」

 ミギルのその言葉に、オレの頭の中の血管がプチッとキレたかのような幻聴が響いた。他の三人も頭にきたようで、イーシュは一歩踏み込むと返しの一閃を振るうも、寸でのところで後ろにミギルに飛び退かれ、追撃の構えを取る。エリーとターミも、各々が呪文の詠唱を始める。

「クックックッ、さて、次は貴様らだ、と言いたいところだが──貴様が持っている『賢者の書』をすべて寄越せば、命だけは見逃してやる。どうだ?」

「は? 寝言は永眠してから言ってくれないか?」

「そうよ! あんたみたいな、救いようのない悪に『賢者の書』を渡す道理がどこにあるのよ!」

「そうです!」

「『ユング様の書』を悪用すると端から分かっている相手に渡すとでも?」

 オレ、エリー、ターミ、そして、イーシュと全員の「ノー」回答を突き付けられたミギル。彼は顔を俯かせてクツクツクツと嗤いだし、

「じゃあ、仕方ない。おい、魔族! 彼奴らも血祭りにしてや────れ?」


 ──ブシューーーーッ!!



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