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異形と化した『プエッラだった存在』の正体──それは『魔族』だ。
──『魔族』とは、人と悪魔が融合した“半人半魔”の存在。オレがカメリア大陸を『ダチ公』と旅していた頃に幾度か遭遇して、その都度、なんとかギリギリで倒せてきた存在だ。先ほどミギルが言っていたが魔族にはほぼ全ての物理的攻撃がマジで通用しない。その上、物理現象を起こす呪文もまるっきり通じないという反則そのものな性質の悪さ。唯一とも言っても過言ではない魔族にダメージを与える方法は、同じくミギルが前述していた『虚数の海──もしく、精神世界面』とも呼ばれる領域に干渉できる手段──即ち、純粋な『魔力』や精神に直接ダメージを与えられる呪文に限られてくる。ちなみに、ここでついでに閑話をすると、エルフ族の祖先は“力を求めるあまり、森に住んでいた『精霊のエルフ』と融合──いや、『精霊のエルフ』を喰って取り込み、人間の約十倍の寿命と強大な魔力と其れを制御する術を手に入れた半人半霊になった存在”なのだと、旅の中で出会ったとある年老いたエルフ族から聞いた話だ。閑話休題。
「……おい、貴様も俺の台詞を横取りするかっ!!」
閑話をすることで心を落ち着かせていたオレに、地団駄を踏みながらミギルが今度はオレに台詞を取られたと難癖をつけて怒りを露わにした。……ガキか……。
オレは一つ深呼吸し、
「光よ!」
魔導道具『光輝の弩』を起動させる。コイツは精神にもダメージを与えられる。詰まりは、対魔族の武器としてはもってこいの代物だ。オレは、光で出来た腕装着型の弩に装填された光の矢の矢先をカウェスと切り結んでいる魔族に向ける。しかし、
「おいおい、邪魔するつもりか? 敢えて言ってやるが、貴様が『アレ』にその矢を射った瞬間、俺は『アレ』と戦ってる奴の背中にナイフを投げ付けるぜ!」
ミギルが懐から取り出したナイフをチラつかせ、オレの動きを牽制してきた。──クソッ!
カウェスに援護射撃しようとしたオレの動きを封じて、またもや醜悪な嗤いを見せるミギル。
「そうそう。さあ、共に『魔族』があの男を血祭りにする様を観ようじゃないか!」
「卑劣な!」
「ヒドい!」
「とんだ下衆ですね」
ミギルの嘲笑を伴った言葉に、エリー、ターミ、そして、イーシュも憤る。オレもまた腸が煮えくり返り、自然とミギルを睨み付けていた。




