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ミギルが呪文を唱え終えると、二冊の魔導書からは禍々しいオーラが増し、魔導書の下にあった黒外套たちの亡骸をその禍々しいオーラが包み込む。すると、黒外套たちの亡骸は骨すら遺らず塵へ還り、そして──
──圧倒的な存在感を伴った『ナニカ』──即ち、『悪魔』たちがそこに在った──
ミギルとミギルに捕まり人質のプエッラ以外は、悪魔たちの圧倒的存在感に本能的に臨戦態勢に入る。そんな、オレたちをミギルはカラカラと笑い、
「おいおい、まだ宴の準備中だぜ。そう逸るなよ」
そう言うと、人質のプエッラを強風を起こす呪文で以て、悪魔二体が立つ足元近くに彼女を吹き飛ばした。
「──さあ、仕上げだ。『悪魔』たちよ、『その女』を『核』とし、虚数の海より『此方側』に顕現せよ!」
ミギルのその言葉に悪魔たちが一瞬嗤ったかのような錯覚を見せ、煙り状に姿を変えるとプエッラに取り憑いた。そして────
──メリメリボギバギゴリゴボメギ…………
悪魔たちに取り憑かれたプエッラの体が異形へと変じていく。体格はゆうに大人の男二人分はあろうかと思われる身長とそれに伴う体格への強大化、肌はドス黒く染まり、無数の触手が身体のあちこちから生え、頭部は髪は抜け落ち目にあたる部分には目の代わりに口があり、逆に口があるべき部分に縦長に開いた禍々しい眼球の眼があった。
「……ヒッ!? プエッラさ──……がっ……?!」
異形となったプエッラの姿──その醜悪な悍ましさに悲鳴を上げたジルテの体を躊躇うことなく黒い触手が貫いた! 背中側に突き抜けた黒い触手はジルテの血でより悍ましく黒光りし、串刺しにした痙攣する彼女の体をゆらゆらと揺らして弄んでいた。
「……おのれっ! プエッラ様を返せ! この悪魔め!!」
恐怖を凌駕するこみ上げた怒りに任せて、カウェスが剣を振るう。しかし、哀しいかな、彼の剣は『プエッラだったもの』の表皮に擦り傷さえも付ける事無く、黒い触手によって受け止められていた。
「アッハハハ、無駄無駄無駄! 『ソイツ』にただの物理的な攻撃は効かねーぜ! なにしろ────」
「──『其奴』は『魔族』だ! 其奴には“魔力を纏わせられる魔導道具の武器か、精神にダメージを与えられる呪文”でねーと、倒せないぞ!」




