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「──ぶぴーっ!! ファッ!?」


「ちょっ!? 汚ったねぇーっ!?」

 オレの言葉を聞いていたエリーがいきなり飲んでいたドリンクを吹きやがった。おかげで、オレの顔がベタベタだ……。

「お、お兄ちゃん!」

「あん?」

「分かってるの?」

「何がだ?」

 ドリンクを吹いたエリーは自分の手やグローブがベタベタになるのも構わず、ドリンクがまだ半分も残っていた紙コップを握り潰し、唾がかかる距離までに自分の顔をオレの顔に近付けてきて、捲し立ててきた。

「あのね! お兄ちゃん、魔術で“物を再現する”って、超高等技術なのよ! 呪文をただ唱えるだけじゃ、魔術自体は普通は発動なんてしないし、況してや、“心理の一部の擬人化といえど、擬似的に人を再現”するなんて“賢者の中にだって出来るのはほんの一握りいるかいないか”の超超超高等技術なんだからっ!!」

「……ふーん。あ、そう……」

 興奮して鼻息荒いエリーにオレはドン引きした。それに、「──超高等技術──」とか言われても、いまいちピンとこず、実感も湧かん。オレはハンカチで顔に付着したベタベタをキレイに拭い、拭った面を内側にしてハンカチを折りたたみ仕舞う。

 オレの淡白な反応にがっくしと肩を落とすエリー。

「……はぁ~……。ホント、お兄ちゃんったら魔術の実技がデタラメなレベルなんだから……」

「ん? なんか言ったか?」

「……別に。」

 エリーが何やら溜め息と共に言葉を洩らしたが、声量が小さすぎて聞こえなかった。が、どうせ、オレの悪口か愚痴だろうから、聞き返す事はしない。

 オレはドリンクのストローが刺さってる蓋を取り、

「──グビッグビッ、ゴックン。プッハー……」

 と、紙コップの中身を一気に飲み干し、残った紙コップとその蓋を広場に設置されているゴミ箱に放り込む。

「そんじゃ、そろそろ借家に帰ろうぜ。」

 オレはいつの間にか独りブツブツと思案に耽るエリーと、話しに付いて来れずポカンとしたままのターミに声を掛けてから、借家を出て最初に辿り着いた一番近いと目する目抜き通りにある広場を後にした。



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