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──三日後。
お荷物? いや、金魚のフンのプエッラがいなくなって、旅路は実に順調だった。
オレらが歩く街道はまだ街の外にもかかわらず、石畳が敷かれキレイに整備されていた。
そして、視線の先には、
「──スゴいわね! さすがは『魔道都市』と呼ばれる街ね!」
「はい、本当にすごく大きいです!」
『魔道都市マシカ』の外観一望。その壮観な街並みに、エリーとターミが感嘆の声を上げる。
ここ──『魔道都市マシカ』にオレらがやって来た理由。それは、先日に野盗から奪還した“現代の五大賢者の一人、光の賢者の直筆研究著書『アインの書』”をマシカにある『魔道士組合の地方統括支部』に届けるためだ。
「そいじゃ、マシカに着いたら先ずは、いつもの通りに宿屋の確保だ。」
「うん」
「はい、ご主人様」
こうして、オレらは意気揚々と魔道都市マシカへと足を踏み入れた。
──ワケなのだが、
「──ちょっと、わたくしを置き去りにして、どういう了見ですの?!」
街の門をくぐった直後、そこには腕を組んで仁王立ちする金魚のフン──こと、プエッラが待っていた。
──っつうかさ、「置き去り」とか言っておきながら、オレらより先に到着してるって如何なのよ?
オレは胸中でプエッラの言葉に対して、そう疑問を呈しながら、
「いやいや、自分勝手に行動して、オレらと別行動をしたのはそっちだろ。オレらが文句を言われる筋合いはないぞ。」
と、正論で返してやる。
「んぐっ!?」
オレの返しに言葉を詰まらせる金魚のフン。
「──あの、お兄ちゃん。」
「──すみません、ご主人様。」
「「その方はどちら様で?」」
金魚のフンが言葉を詰まらせ沈黙したタイミングで、エリーとターミが素っ頓狂な質問をしてきた。が、オレはツッコミを入れたりはしない。こんな、喧しくストレスフルな輩を覚えておくのは記憶の容量のムダ遣いだからな。オレもとっとと忘れてーぜ。
「ああ、コイツは金魚のフン──いわゆる“ストーカー”って奴だ。」
「うっわ……!」
「……キモいです!」
エリーとターミはゴミを見るような目で、金魚のフンを一瞥すると、
「お兄ちゃん、早く行こ」
「ご主人様、行きましょう」
いつまでも金魚のフンの相手をせずに、この場は立ち去ろうと促してきた。ま、オレもそれが最善と思い、
「そうだな。金魚のフンに時間を徒に費やすのはムダにしかならないからな」
なにかを喚き立てている金魚のフンを視界内から意識的に排して、止めていた足を動かし、マシカの街中へ。




