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町を出て、隣の町で午後のおやつ休憩を取り、その後、次の町を目指して道を行くオレたち。
ちなみに、奴隷商の館でもらった『菓子折』は、午後のおやつ休憩で頂いた。勿論、食べ物を粗末にするプエッラにはやらないつもりだったが、腹の虫を“ぐーぐー”と鳴らしてカフェのテーブルに齧り付いて涎を垂らすキモい姿に已むを得ず恵んでやった。閑話休題。
「──よう! ラクルじゃねぇか。偶然だな。」
最近、聞き覚えた声に視線を聞こえてきた後方に向ければ、
「よう、ガイツか。」
そこにはガイツ率いる傭兵たち。よくよく見ると、彼らに護衛されている旅商人が一人。
「ふーん、依頼か。」
「ああ。」
ガイツはオレの横に並び歩きながら、オレの旅の連れ──エリーたちに目配せしながら、
「男一人に女三人の旅路とか、ウハウハだな」
男所帯故か、羨ましそうだ。だが、オレとしては断じて、
「そう見えるか? だがな、あっちの茶髪はオレと同郷で“妹分”的な『破壊魔』エリティア様で、その隣のピンク髪の娘はその弟子のターミ。んで、あっちの金髪は“オレらの『金魚のフン』”だ。これが、“キャッキャウフフな御一行様”に視えるなら、医者に行って目を診てもらえ」
否だ。
「──ちょっと、わたくしの何処が、き……『金魚のフン』なのですわっ?!」
おや、どうやらプエッラに聞こえていたようで、凄いお冠だ。尤も、聞こえるように言ったんだけどな。
そして、オレはプエッラの猛抗議の声を当然スルーだ。
「な。全然“ウハウハ”には見えないだろ?」
「……そうだな」
ガイツは今のオレとプエッラのやりとりを見て、苦笑い。
「とろこでよ、やっぱり“アンタ”が『世直し』ラクルだったんだな」
──…………はぁ~。
オレは一瞬、ガイツの言葉を否定しようかと思ったが素直に白状する。
「……そうだよ。この前は別人のフリをしたが、不本意ながら“『世直し』ラクル”なんて呼ばれてるのは確かにオレだ。」
エリーのことを紹介した時点で、バレているとは思っていた。なにしろ、今現在流布している“『破壊魔』エリティアの噂話には、『世直し』ラクルが常にセット”だからな。
「なあなあ、ってことは“『カメリア大陸』での世直し話”も本当なんだろ? 聞かせてくれよ? な?」
ガイツはオレが“噂話の当人”と認めるや、目の色を変えて、『世直し』したエピソードをせがんできた。ホント、やれやれだぜ……。
「先に言っとくが、“オレ自身は自ら『世直し』を進んでしてたワケじゃないからな。仕方なく、手伝っただけ”だ。そこんとこは覚えておいてくれ。────」




