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その夜の二人
トリスタンは壁に願いの剣を立てかけると、ベッドに横になった。
しかし数分後──ベッドから起き上がり、剣の位置を確認する。
剣を使う者にとって、魔剣や聖剣は憧れの的だ。あまつさえドワーフが鍛え、半神に名付けられた逸品など、垂涎ものである。
万が一があってはならないと、気になって仕方がなかった。
ベッドの下にしまい込んでみるも、地べたにそのまま寝かせるなど畏れ多かった。
結局──トリスタンは、剣を抱きしめて寝ることになった。
***
アリアはベッドに腰をかけると、払うものを半ばまで引き抜く。剣が淡く光り、少しだけ周りが明るくなる。蝋燭のか細い炎が、キラリと刀身に反射した。
魔剣。それは戦士の憧れである。そんな逸品が手元にあることに、アリアは喜びを隠さない。
ふふふ、と誰かに聞かれたら怪しまれそうな笑いを漏らした。
ふと思いつき、背嚢から布を取り出す。特に汚れは見えなかったが、輝く刃をきれいに拭き取った。
納刀し、ぎゅっとそれを抱きしめると、アリアは毛布を被った。




