しばらくはゆっくり出来そう
俺達3人が元の大広間に戻ったので将軍や仲間達に説明。
俺と真祖の1対1のかくれんぼについて話した。
「……相変わらず勝負好き」
「賭け事とか大好きだものね」
「ヤタも一緒に遊んじゃダメ?」
アセナ、スノーは呆れながら言う。ヤタは普通に遊びの延長線としか思っていないのか一緒にやりたいという。
だが俺は首を横に振った。
「何でこんな事してるのかは分かんねぇが、かくれんぼと言っても勝負を挑まれたからには俺1人で勝負するべきなんだろうよ。悪いがヤタはまた後で遊んでやる」
「は~い」
渋々と言う感じで言うヤタだが俺の次の一言で顔色を変える。
「でもついこの間まで頑張ってくれてたからな。お小遣いあげるから町で好きに遊んできていいぞ」
「ホント!?」
「本当だ。ヒカル達も小遣いあげるから遊んできていいぞ」
「「「やったー!!」」」
本当にこの辺は子供らしくていいな。
そして俺の事を見るヒノ先生とアラドメレク。もちろん保護者として2人も同行してもらう。
あと俺の影の中に居るアナザ達にもこっそり子供達を守ってもらおう。子供4人居るんだから保護者の数もそれなりに増やしておかないと対応しきれないだろう。
にしても悪魔をこんな風に使って本当にいいのかな……
一応教会過激派と戦うって言うトンデモイベントがあるけど。
「くっくっく。あの女狐め、騙しきれなかったか。これは愉快だ。ですがタツキ様、観光もよろしいですが先に宿へご案内しましょう」
俺がすぐに見抜いた事に将軍が喜んでいる。
本当に仲が悪いんだな。狼と狐。
「そうだな。よろしく頼む」
「は。それからお伝えしておきます。その宿はこの山の麓にある宿ですので、お狐様がおられる可能性がございます」
「そうか。山の麓にある施設にも出てくる可能性はあるのか。それから小さい事だが狐の真祖の事はちゃんとお狐様って呼ぶんだな」
「……我々一族もお狐様に助けられた身、義を尽くす理由があります故。ただそれを笠に着る狐共が気に入らないだけです」
なるほどね。ちょっとだけ理解した。
それを聞いたフシミさんは不満そうではあるが表情は変えない。
これも大人の対応奴なのかな?
とにかく大きな事は起きないだろうからしばらく俺は狐探しをする必要がある。
その間子供達やアセナ達は自由に過ごしても問題ないだろう。
アナザ達は仕事が欲しいと言う奇妙な性格をしているのでちょっとだけ手伝ってもらおう。なに、直接探し出すのは俺でないといけないだろうが、その手伝いぐらいは大丈夫だろう。
俺達は山を下山し、山の麓の宿に案内される。
そこは何と言うか……とても立派な温泉宿と言う感じだ。高級感あふれるが木の匂いなどで落ち着いた感じになっているのはほっとする。
しかも俺達の貸し切りだそうだ。
ノーマ国王の近衛兵たちは別な所に泊まっているそうだし、安全でもある。
で、問題は部屋割りである。
「ダメ」
「ヤダ。一緒がいい」
アセナとトキの攻防である。
当初予定していた部屋割りは主に2人1組でっという感じで、当然俺とアセナは同じ部屋に泊まるつもりだったのだが……そこに不満を言ったのがトキである。
トキはヒノ先生と一緒に泊まる予定だったんだけどな。ちなみにヒカルとカエルはアラドメレクと同室。男の子2人はちょっと恥ずかしそうだった。
「トキ。あまり迷惑をかけちゃダメよ。元々2人は夫婦なんだから――」
「ヤダ!先生と一緒がいい!先生が狼に襲われちゃう!!」
「襲うって……アセナさんは悪い人じゃないのは分かるでしょ?だから部屋ぐらいは我慢しなさい」
ヒノ先生も説得してるがトキは止まりそうにない。
そしてふとアセナが何か思いついたように言う。
「なら一緒に寝てもいい」
「本当!?」
「ただし――」
アセナが俺にも聞こえない程の小声で何かをトキに伝える。
するとトキは顔を真っ赤にして固まった。
「――をあなたの前でする。あなたはまだ身体が成熟してないからしちゃダメ」
「あ……あう~」
何だか情けない声だか何だかよく分からない声を出してからトキは言う。
「……分かった。ヒノ先生と一緒に居る」
一体何を言ったアセナ?あそこまで食い下がっていたトキを引かせるだなんて。
顔も赤いし……変な事言ってないよな?
「アセナ……変な事言ってないよな?」
「言ってない。ただ大人な事を言っただけ」
「大人って何だ?本当にとんでもない事言ったりしてないよな?」
不安になりながらも俺達は割り当てられて部屋に向かう。
その部屋は日本人にはとても馴染みのある畳の部屋だ。
畳に座布団、座椅子にテーブルの上の茶菓子、貴重品を入れる金庫。なんかほっとするな~
後はテレビとか見てゴロゴロしたいが……この世界には当然テレビなんてないし、こればっかりは仕方がない。
俺は畳の上でぐだ~っとすると、アセナも俺の真似をして畳の上で寝転がる。
「これ、いい草の匂いがする」
「畳だからな。あ~これぞ日本人の心」
「セフィロで経験した。あの箸で食べた所」
「予想通りならここの食事は箸ばっかりだけど大丈夫か?苦戦してたよな?」
「……頑張る」
そう言いながら俺の腕の上に頭を乗っけるアセナ。
最近は忙しかったし、他のみんなの事もあるのでイチャイチャまでしか出来てない。
ここでなら人目を気にせずイチャイチャできるだろう。
それからその先も。
アセナはスンスンと俺の匂いを嗅ぎ続ける。
そして俺の腕の上から身体の上に乗っかってめいっぱい甘えを見せる。
こうしていると本当にかわいい狼なんだけどな……何でドワーフやエルフは怖がるんだろう?
確かにアセナは真祖の中でも特にクールな面が強いと思うが、そこまで怖がらなくてもな……
そう思ている間にもアセナは俺の服を脱がそうとする。
俺はされるがままになっていたが、ふとふすまを見て思った。
あの中に着物あるんじゃね?っと。
手早いアセナによってあっという間に下着姿になっているが、興味を持った俺は待ったをかける。
「アセナ、せめてみんなが寝た時間帯にしないか?邪魔が入ると困る」
「……でもしたい」
「気持ちは分かるけどね。でも夜まで待とうな。それからちょっと気になる物がある」
そう言ってからアセナと一緒にふすまを開けた。
そこには予想通りの温泉宿にある浴衣があった。俺のサイズにも合いそうな大きめの物もあるし、女性用のピンク色の着物もある。
「アセナ、これに着替えようか。宿の雰囲気にばっちりだろ」
「これ前にも着た。浴衣、だっけ?」
「そうそう。これは……帯だけで止めるタイプか。こっちの方が楽だし、着替えよっか」
そう言って着替える俺だが、アセナは浴衣を手に取ったがじっと見ているだけで着ようとしない。
なんでだろうと思っているとアセナは言う。
「これ、どう着るの?」
……あ、そう言えば前はポールさんに着せてもらったんだっけ。それに前の浴衣は着方が分からない人用に結ぶタイプだった。帯だけなのは初体験か。
本格的な着物の着付けは出来ないが、温泉宿の簡単な物なら出来る。
俺は自分の分を着終えるとアセナの浴衣を着せる手伝いを始める。
「まずは左側を先に入れる。その後に右側を閉じる様にする」
「右側を内側に入れちゃダメ?」
「入れちゃダメ。縁起が悪いんだよ」
「縁起?」
「日本じゃ左前は死んだ人が着る時の着方なんだよ。だから右が前じゃないといけないって話だったはず」
ここは異世界なので常識が違うかも知れないが、違わないと信じたい。
そして俺は着方を間違えないように後ろからアセナを抱きしめる様にしているのだが……普通にエロい。
俺の真似をして下着姿になっているせいか、浴衣からちょっとだけ見える胸元がかなりエロい。普段の服は体毛を変化させたものなので下着とか関係ないはずなのだが……最近はちゃんと購入した下着を身に付けているからちょっと困る。
こうして着替える時とか俺に見られても気にしないので特に困る。
と言うか見せつけている様な気すらする。
だが困った事に胸、つまりブラジャーだけは付けたがらないのだ。
何でも胸が苦しいらしい。サイズあってないんじゃないの?っと思うのだが嫌がるのだからどうしようもない。
いや、無理に付けろと言えばつけてくれるだろうが、男の俺にブラジャーの重要性などさっぱり分からない。精々服が濡れて透けてしまった時とかに胸を見られない様にするぐらいしか思いつかない。
なので今もアセナはノーブラである。
正直に言うとめっちゃ眼福です。
「これで良し。きつくないか?」
「きつくない」
頭ではそんな事を考えながらも、手はしっかり動いているのでアセナの浴衣を着せる事は出来た。
そしてアセナは浴衣を着て言う。
「これ、以外と楽」
「そうか。それじゃ今度デートした時にお前の浴衣でも買おうか。きっと似合うぞ」
「ん。お願い」
そう言って笑うアセナはかなりズルい。
そんな可愛らしいを浮かべたら愛おしくてたまらない。
いわゆるギャップ萌えだ。
「タツキ様、アセナ様。お食事の準備ができました」
仲人さんが来たのでイチャイチャはここまでだ。
さて、しばらく旅行を楽しみましょうか。




