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そこに覚悟の果てが

 反攻軍の(およ)そ一万の兵士たちはキャメロットを発って二日、たどり着いたストーンフォーク要塞で一晩を過ごした後、まだ朝露の残る中、ルバイカ峠の北上を始めた。この夏の盛りに珍しく濃霧に覆われたルバイカ峠を進む戦士たちの表情はさまざまであった。ある者は寝ぼけ眼をこすりながらあくびをし、ある者は緊張のあまり不清潔な水の代わりに携行しているワインを既に飲み干した。


 前を進む者すら見失いそうになる霧の先から、斥候(せっこう)に出ていた軽騎兵が血相を変えて馬を駆り、行軍する部隊間の隙間を縫ってルビレの馬へつけた。ルビレが報告を聞いた後、司令部から出た伝令兵は駆けまわる。――「戦闘準備セヨ、敵影ヲ見ユ」の命令書で兵士たちの表情はたちまち統一される。


「敵はカレーに駐屯していた飛竜兵や魔導士隊を含む部隊で我が方の倍の二万程。峠を塞ぐように布陣しており、司令官の名はゲリマンダー――火竜族だ」


「ついに竜族と直接剣を交えるか……」


「火竜族ということはダーガの系譜ではなく、あの――」


「ああ、俺たちのフィフアを滅ぼした――竜将バルカスの系譜だ」


 高くなった日が地表を暖め、眼を覆った霧はたちまち晴れる。反攻軍の眼前に現れたのは狭い峠に満ちる敵兵であった。

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