訓練 side剱崎
召還されてからの一月は城内での戦闘訓練とこのセカイについての勉強をした。
それから迷宮というものに潜った。
魔物相手の戦闘を経験して、その反省点を元に新しい訓練がはじまった。
より実戦を意識した内容であった。
あとは、そうだな、クラスメイトが1人旅にでたらしい。
どうでもいいことである。
僕の訓練相手は騎士団長だ。
僕の相手を勤めるのだ、それなりの立場の者であるのは当然と言えよう。
まぁ、マンツーマンではなく、白峰も一緒であるのが不満ではあるが、
許す。
僕は友達思いだからね。
「団長、宜しくお願いします!」
「ああ、それじゃ今日も好きに打ち込んでこい!一発でもあてれたら今日は終わりにしていいぜ」
「そんじゃすぐ終わっちまうな!」
白峰が馬鹿みたいに突っ込む。
僕の前を行くとは生意気な奴だが、しかたない盾がわりにしよう。
白峰の後ろにつきながら駆ける。
馬鹿があっさりと団長にあしらわれる。
ギリギリまで白峰の後ろにつき、団長の視界から消えていた僕は手にしていた剣を投擲する。
「おおっ」
騎士団長は驚いた声をあげたものの、あっさりとかわした。
「【聖剣召還】」
スキルにより僕の手のなかに聖なる剣がうまれる。
勝利はこの手のなかにある。
「ハァア!!!」
キンッ!
「今のはなかなか良かったぜ」
聖剣がはじかれ、喉元に突きつけられた騎士剣。
不敬な!
「はは、負けてしまいましたか」
けれどこれで確信した、僕の技量が劣っていた訳ではない、この敗因は単純にレベルによる基本的なステータスの差だろう。
レベル100オーバーの騎士団長と30にも充たない僕。
この結果は仕方ないことであった。
レベルが同じだったら僕の勝利であっただろう、いや団長の半分もあれば充分だな。
実質的には僕の勝利といっても過言ではない。
やれやれ、また勝利を重ねてしまったか。
ふっ、敗北を知りたい。
「惜しかったな、光輝」
開幕そうそうダウンした奴が偉そうに。
パートナーが君じゃなくて、僕が二人いれば余裕なんだぞ、わかっているのかい?
「ああ、もう一度いくよ、力を貸してくれるかい?」
足引っ張るなよカス。
「もちろんだぜ相棒!」
☆☆☆
ふぅ、白峰が弱すぎて訓練時間目一杯かかってしまった。
「お疲れ様、剱崎くん、みてたよ、すごいね!騎士団長相手に一歩もひかないなんて」
「うん、すごい!」
きゃっきゃ、きゃっきゃと姦しい女子たち。
うん、やはりよいしょされるのはいい気分だね。
笑顔でテキトーにあしらいながら歩く。
「お疲れ様、精がでるね」
この僕がわざわざ声をかけてやったのは、姫宮雪羅と西城紫音だ。
学校では2トップと言っていい程、整った顔をしている。
この二人は僕の所有するアクセサリー程度にはふさわしいと思っている。
雪羅は聖女なのに何故か正拳突きの練習をしていて、紫音はそれをどこか呆れたようにみていた。
「うん、剱崎くんもお疲れ様」
「何してるんだい?」
「訓練」
……なんで正拳突きをしてるのか聞いたつもりだったのだが。
「そうか、そろそろあがって、夕飯にいかないか?」
「ん~、私はもう少し訓練していくよ、先行ってて」
ん?断られた?僕の誘いを?
「無理はよくないよ、休んだらどう?」
「?無理なんてしてないよ?」
「そうね、雪羅は無理してないですわよ」
「それじゃ、紫音は夕飯にいくかい?」
「私は雪羅に付き合いますわ、友人ですもの」
僕の誘いを断るとは不敬だな。
「剱崎くーん、ご飯行こー」
他の娘に呼ばれてしまったか、まあいい、そのうち誰のものであるかきっちりしつけよう。
「直ぐ行くよ」と手をふって、「二人とも根はつめすぎないでね」と告げて他のクラスメイトのもとへと向かった。
☆☆☆
少し短いので、8時頃にもう一話投稿します。




