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高校デビューに失敗した俺は異世界デビューに成功?しました。  作者: 花岡一輝


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依頼①

お待たせしてすみません、宜しくお願い致します。

「……セレス=フォン=サンダーボルトよ」

その呟きには、パーティーとして良い関係を築こうとする気持ちは僅かもなく、名乗られたから返しただけの淡々としたものであった。

けれども流星はそんなことは気にならなかった。

なぜなら見とれていたのだ。

暫くの間、流星の時は止まっていた。


そんな流星をいぶかしく思ったのかセレスが「何か?」と怪訝そうな顔をした。


「い、いえなんでもありませぬ」

なんやら武士っぽくなってしまっていることが流星が動転している証しと言えよう。


流星とて、美人に対する耐性が皆無という訳ではない。

初恋のクラスメイト、姫宮にはじまり召喚された国の王女アイリス、そしてこの国の騎士、アーデラインと道を歩けば十人が十人とも振り替えるようなまごうことなき美人と接してきている。


なのに何故、セレスに対してこんな無様を晒しているのか、いや他の娘たちにも大なり小なりアレな言動を見せてはいたが、それでも自らの時が止まるほどに見とれて惚けていたことなんてなかった。


流星の前で見せていた姫宮たち三人の姿は美人であるが、ふんわりとした、どこか優しい雰囲気を纏っていた。

しかし、目の前の少女は違うのだ。

その綺麗さはまるで研ぎ澄まされた抜き身の刃の様である。

今まで出会ってきた誰とも違うベクトルの綺麗さに惚けてしまっていたのであった。



「コホン、二人とも自己紹介はすんだな、それじゃあ本題にはいるぞ」


「その前に、彼とパーティーを組めば《ジ・ルクスの翼》に挑戦していいのよね?」

ギルドマスターの言葉を遮るように、セレスが言った。


「ああその通りだ、むしろこちらからお願いしたい、二人でその《ジ・ルクスの翼》を攻略してくれ」


ダンジョンは大別すると二種類である。

()()物と()()物である。

前者は《ラルズの大墳墓》の様に、古の魔導師や錬金術師が自らの研究施設としてや研究が失敗した結果、魔力が暴走し魔素溜まりが生まれそこに魔物が集まって来てできたような、意図的かそうでないか問わず人の手によって創造されたものを指す。

後者は神様が創造したとされるもの、神の試練である。


《ジ・ルクスの翼》は後者、神工物である。

このセカイには幾柱かの神様がおり、その中でも大神と呼ばれるのが三柱、

ジ・ルクスはその内の一柱、夜を司る神である。

死の概念をも内包するその神の試練は確認されている中で三つあり、翼・紅眼・涙がある。

今回、挑戦するのは《翼》この中では最も難易度が低いとされているが、それでもギルドの定めたダンジョンのランクはC、一人前の冒険者がパーティーで挑むべきものであった。



「ま、攻略と言ったが正確には素材集めを頼みたい、そもそも何をもって完全攻略、真の意味での試練の突破かなんか誰も知らないしな」


大昔、英雄とまで謳われたほんの一握りの傑物が神の試練を突破したとされているが、記録には残っておらず詳細の程はわからない。


現在において攻略とはダンジョンのボスを倒すことを指す。

《ジ・ルクスの翼》においては現在確認されている最下層は10階、10階の階層主を倒すことが冒険者たちの目標となる。


「集めて欲しいのは魔導銃の材料、機械天使の心臓(マシンハート)機械天使の翼(エンジェルブースター)それから機械天使の涙(マシンドロップ)だ、最低でも30個づつ、あればあるだけ欲しいから、上限100個までは買い取ろう」


「……魔導銃ですか?」

この国の騎士団は魔導銃を主武装にして戦ってはいなかった、武装を一新するのか?いや、魔法のあるセカイだ、必ずしも銃が剣より強いと言う訳ではない。


「そうだ、魔導銃だ、勇者様の武装になる」


クラスメイトに魔導銃を使うやつなんかいたっけ?

「勇者様に魔導銃使いっていましたっけ?」


「我が国のいや我らが同盟の勇者様は上級(ハイ・)魔導銃使い(マギアシューター)だからな」


そういえばアイリス様も各国が勇者召喚をしたと言っていたな、


「本来なら第一騎士団が素材集めをしていたんだが、先の魔将との戦で国民に不安が広がっているからな、それに帝国の動きもキナ臭い、防衛を固めるために戻したんだ」


帝国か、この国アリーズ王国が所属する同盟の正式名称は対帝国ラーシス河流域軍事同盟。

帝国の近隣の小国が対帝国のために結んだ軍事同盟だ。


帝国や流星達を召喚したアルティミア王国の様に一国のみで勇者召喚ができる大国は稀である。

小国は同盟国同士で協力して勇者召喚を行った。

この国における勇者召喚もこの対帝国同盟のもとに行われたのである。


「わかったわ、すぐに向かうわ、貴方もそれでいいわよね」

「あ、はい」



席を立ち、部屋から退出し、スタスタと歩いていくセレスを慌てて追いかけたのだった。





お読みくださりありがとうございます。

ブクマ、評価、感想等宜しくお願い致します。


またノクターンノベルズでも一作、異世界転生もののファンタジーを書いておりますので興味のある方は宜しくお願い致します。

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