35話 4本のカタナ
15日目の剣術と歩行の朝練をちゃんとこなして、午前中の魔法教室なわけだが……こっちは、ちょっと問題が。
「いーきーたーいー。お買い物に行きたーい」
既に、先日街に出かけた時に着ていた、薄いアンバーのシンプルなワンピースを着て、【偽装】のペンダントも着けてストロベリーブロンドと翠瞳をブルネットと茶色の瞳に変えて、駄々をこねているミラレイア第一王女姫殿下。
「本音は?」
「おいしいものが食べたーい」
指を咥えて、ウルウルした目を向けて来る駄目お姫様。
「気に入ってしまったのね」
「どうも、そのようですね」
「おおー」
アリスもルリも、コロンまでもが思わず苦笑してしまっている。
しょうがないので一応は侍女筆頭らしいクラリスにだけは、行って良いか小さな声で聞いてみることにすると。
「普段からご自分の気持ちを口にされることが少ない姫様が、今はこうして皆様にだけは我儘を言われているので、お許しいただけるのでしたら」
「わかった、いいよ。また友達みんなで、一緒に買い物に行こう」
「……ありがとうございます」
深く――深く頭を下げるクラリス。そんなことしなくていいのに。
わかっているのだろうか、二人には【ルリの友達】のスキルが既に発現していることを。
もう、とっくに友達だったのだということを。
「ミラ、私のそばにいるのよ」
「今日はケーキ屋さんにでも行ってみますか?」
「おかいもの」
アリスとルリにコロンが、ピタッと寄り添ってミラの腕を取る。
「わーい、ありがとう」
震える両手のひらを腰の前で強く硬く握りしめたまま、小首を傾げて茶色の瞳を細めて微笑むその姿は、どこか少し儚げな普通の街の少女に見えてしまった。
『唯の人としての夢』
そんな叶うはずの無い人生を夢見ることに、ためらいながらも手を伸ばす、そんな文字通り『儚い少女』がそこにいた。
◆◇◆◇◆◇◆◇
「えへへ、王城の礼拝堂に異動になっちゃいました」
今日の魔法教室は中止にして、一度病室に戻って街に出ようとしていると、シスター・フランがポツンと病室で待っていた。
ちょっと待て。王城の端っこにある小さな礼拝堂には、常勤の神聖教会の関係者は誰もいなかったはずだぞ。チッ、王都の大聖堂としては、体の良いやっかい払いということか。ますます、神聖皇国も神聖教会も信用できなくなった。
「よ、良かったじゃないか。これからは毎日会えるぞ」
「そうよ、あんな大聖堂にいなくて良いなんて、よかったじゃない」
「わーい、フランちゃんが一緒だぁ」
「コロンともいっしょ」
つい口ごもってしまった俺とは対照的に、本気で鼻で鳴らすアリスと純粋に喜んでいるルリとコロン。
だから、そんな悲しそうな顔をするな。大きく見開いたきれいな碧い瞳に、今にも涙が溢れそうだぞ。
「ほら、よく来たな。みんなで歓迎するからさ」
だからそう言って、さらさらの姫カットの長いペールブロンドの髪をゆっくりなでる。ゆっくり、ゆっくりと。
「はい、ありがとうございます。これからも、よろしくお願いします」
頷くようにわずかに小首を傾げたので、少しだけ涙は零れてしまったが、碧い瞳を細くすると、やっとやわらかく微笑んでくれるのだった。
◆◇◆◇◆◇◆◇
「王城の礼拝堂に備え付けの宿舎に新しく入居するんだったら、色々と買い出しも必要になるだろ?」
ということで、念のため【ドライスーツ(防壁)】をかけたシスター・フランも加えて、いつもの四人とミラにクラリスとおまけに、
「おー、あるく」
「凄いですね。これって、ミラさんのゴーレムなんですか?」
そう、ミラのテディベア型ぬいぐるみゴーレムのベアトリーチェ、通称ビーチェが一緒について来ている。
「そうですよ。フランさんはゴーレムを見るのは初めてですか?」
「私は旅の途中で、クレイゴーレムとかストーンゴーレムとかの魔物は見たことがあるんですが、ぬいぐるみゴーレムというのは初めてです」
「この子の凄いところはですね……」
よかった、ミラが【偽装】したまま来たから、正体を言いそびれてしまったが、仲良くできているようだ。
しかし、王城にいてミラと言っても、髪と瞳が違うだけで分からないもんだなぁ――それとも、フランが神聖皇国から来た外国人だからか?
しかし、意外といえばビーチェも街の人には怖がられることもなく、普通に大通りをすれ違っている。時々ギョッとする人はいるが、そうゆうもんかという顔をして去って行く。
でも、ぬいぐるみだぞ、テディベアだぞ、しかも黒と白のチェックの可愛いフリル付きドレスを着て歩いてるんだぞ、ちょっとはおかしいと思えよ。
それにビーチェは頭にドレスとお揃いの黒と白のプリムを新たに装備しており、フレンチメイドの可愛い黒エプロンドレスを着たコロンと並んで歩くと――異世界のアイドルユニットみたいで、どこまでもシュールだ。
「(いや、異世界ファンタジーなんだから当然なのか?)」
「ハクロー、悩んだら負けよ」
「な、何に?」
「この世界の不条理という名の敵よ」
アリスは人知れず、何だか異世界の強大な敵に挑んでいるようだった。でもアリスさん、歩きながら食べているジェラートが左のほっぺに付いてますよ。
実は真っ先にミラが突進していった、ジェラート屋台の行列には既に並ばされていた。朝一番だというのに、なんであんなに行列が長いんだ。
まあ実際のところおいしいし、みんなも、そして泣いてたフランも今は笑顔で食べているからいいんだけど。
「私、このジェラートずっと気になっていたんですけど、食べたこと無かったんですよ」
「確かに、みずいろの修道服で屋台の行列に並ぶのって、無理っぽいよな」
「そうなんですよ、だから今日はとってもうれしくって、えへへ。ハクローさん、本当にありがとうございました」
「ああ。並ぶくらいまたいつでもするから、言うんだぞ」
「はい、えへへ」
さっき泣いていた碧い瞳はまだほんの少し赤かったけど、さっきより明るく笑うその笑顔に涙はもう見当たらなかった。
◆◇◆◇◆◇◆◇
「おう、できてるよ!」
今日ぐらいにはオーダーしていた剣四本が完成していると言っていたので、ついでに鍛冶屋までみんなで来ていた。見た目は幼女のような合法ロリなのに、この肝っ玉ドワーフ母さんはその細っこい腕で本当に剣を四本も打ってしまったようだ。
手渡されたその内の一本を、チキッと抜いてみると依頼通りの片刃は使った黒鉄のためか艶消しながらも黒光りした直刀だった。
元々、両刃の剣しか経験が無いので、日本刀のように反りを入れるのは無理だろうとは言っていたので、片刃の直刀でも全く問題は無い。
ナックルガードにはオーダー通りメリケンサックに四本の寸鉄が付いてソードブレーカーにもなっており、鈍く黒光りした片刃の直刀と相まって極めて凶悪な印象だ。
「おお~、振ってみていいか?」
「裏で試し切りができるよ」
「サンキュ」
完成したばかりの剣を持って、店の裏に出てみると、丸太がいくつも地面に突き刺してあり、これを試しに切ってみろということらしかった。
「ふぅ~」
丸太の前で腰の左に剣を鞘に入れたまま構え、集中して『斬る』イメージを創造する――そして一閃。
「ふっ!」
Lv2まで上昇した【身体強化】スキルに後押しされて、抜刀された片刃の直刀が放たれると低い衝撃音がして、チキッという音と共に剣が鞘に収まる。
丸太は――切れて少し先の地面に落ちていた。イメージよりも斬れていない。たぶん今までの剣と何もかもが違うのか――これは練習が必要なようだ。
「おおー。ハク様、すごい。ぱちぱちぱち」
「凄いわね、ハクロー」
「クロセくんの振る剣が見えませんでしたよ」
「クロセ様は剣の達人なのですね」
「姫様、あれは剣ではありません。たしか片刃の【カタナ】という武器のはずです」
「わあ、ハクローさんは【抜刀術】が使えるんですね」
「あんた、いったい何者なんだい?」
あれ? みんなが店の裏の庭先まで来ていた。集中していたのか、まったく気が付かなかったようだ。
まずいな、念のためすぐさま【ソナー(探査)】で周辺を警戒しておく。異常は……ない。
「肝っ玉ドワーフ母さん、いい出来だよ。ありがとう、助かったよ」
「だから母さんって言うな。ふん、助かったなんて、生きて帰ってから言うこった。それにその調子なら、折れることなんて無いんじゃないかい?」
「ははは。これから必ず生きて帰って来るから、だからこそ助かったんだよ。
それから、剣は折れるさ。どんな硬い強い剣でも、折れない剣は無いよ」
困ったように苦笑していると、みんなが無言でこちらを見ているのにようやく気づく。
特にルリとアリスとコロンがその瞳の奥をくゆらせながら、じっと俺を見ている。俺だけを見つめている。
「そういえば、他に何か良い物はあったのか?」
沈黙に耐え切れず聞くと、店の中からビーチェが飛び出してくる。両手にはサーブ用ぐらいある大き過ぎるナイフとフォークが握られている。
と、流れるようにそのまま、ひゅんひゅんと振り回し始める。あちゃー、それはもしかして。
「ああ、それも【魔法シリーズ】さね。【魔法のナイフ】と【魔法のフォーク】と言ってね、付与効果がいつもの【物理強化】【自動修復】の他に、極めつけはレアな【暴食】ってスキル付きなんだよ。
クマさんも気に入ったようだから、買っておくれよ。ずっとそこに残ってるんだよ」
相も変わらず、余り物を売りつけようとする肝っ玉ドワーフ母さん。
「きゃー、ビーチェかっこいい!」
「姫様、それを言うなら、『おいしそう』です」
「ミラもクラリスも、どちらも違ってる気がするわよ」
目がハートになっているミラと、訳の分からん事を言い出すクラリスを見て、素直に呆れるアリス。と、ルリがツンツンとTシャツを引っ張る。
「ねえねえ、クロセくん。あれって、結構強いんじゃないでしょうか?」
「そうだな、あと姫様はビーチェを連れてどこへ向かおうとしているのか……」
「うー、ううー、うおー!」
「わわ、コロンちゃんが大変なことに。女神様、お助けを!」
雄叫びを上げてフランを驚かしたコロンは、両手に【魔法のおたま】と【魔法のフライパン】を空中から【召喚】して掴み取ると、ビーチェの隣に立って同じように、ひゅんひゅんと【二刀流】で振り回し始める。
うん、流石にコロンの方が圧倒的に早い。
そうして意図せず、異世界アイドルユニットによる剣舞が始まってしまった。
すると、しばらくして動きを止めて見ていたビーチェが、やおらコロンの前に土下座を始める。
無言で頷くコロンに、黒いボタンの瞳をキラキラ輝かせてビーチェが立ち上がり、コロンの横で真似をして【魔法のナイフ】と【魔法のフォーク】を【二刀流】っぽく振り始める。
どうやら、コロンには『弟子』ができたようだった。
「ぐすん、探したんですが、私には良い【魔法シリーズ】がお店にはありませんでした」
がっかりした声の、残念シスターのフランさん。せっかく、やっと笑ったと思ったのに、もう泣き出すフラン。
「あーもう、しかたない、今度、【ロザリオ】でも作ってみるか?」
「じゃあ付与は【信仰】ですね、クロセくん」
すかさず、ルリが人差し指をピンと立てて見せる。
「これ以上、フランの信仰心をブーストしてどこに行くの?」
泣き虫フランのために他に何が良いか考えていると、ルリがそのまま天空を指差して。
「んー、天国?」
「それって、死んでるじゃないのよ」
小首を傾げるルリに、ため息をつくアリス。流石にこれには、俺もため息をつく。
「ダメじゃん」
「ダメだね」
えへへ~、と笑ってごまかしても駄目ですよルリさん。
「ううー……!」
あー。ほら、泣き虫フランが大きな碧い瞳にまた涙を溜め始めてしまった!
「わかった、わかったから、今度、【ロザリオ】でも作ってあげるから、泣くなよ、な?」
「うん、……わーい」
あ、もう笑った。まったく、世話の焼ける……子供の様だ。
「ハクロー、あんた、また残念な娘を持った父親の顔してるわよ」
「うおっ、何そのピンポイントなのは。そんなことより、アリスも何かないか? フランが泣き止みそうなモノ」
「まったく、あんたは本当に娘に甘いわね」
オッドアイを細めた流し目で睨んで来るアリスに、ソッポを向いて誤魔化す。
「ほっとけ」
「そうだ、後で今朝も言ってたケーキ屋さんに行きましょう。そうすればフランちゃんもきっと喜ぶと思いますよ」
「おー、食い物で釣るのか、ナイスだルリ」
「コロンもケーキがたべたーい」
話を逸らしてくれたルリに、小さなコロンが手を上げて答える。
「よし、じゃあ、フラン、ミラ、昼食を取るついでにケーキ屋さんに行くぞ」
「え? おお、女神様、感謝します! い、いくつ食べて良いんですか?」
おお、食いつきは完璧だ。なんて考えていると、指を咥えたミラがクラリスにボソッと訊ねる。
「私はいくつ?」
「姫様はひとつです」
「ぎゃー、おーぼーだー!」
クラリスの一刀両断に全身で駄々をこねる、お姫様。わあ、またフランが泣きそうになってる!
「わ、わかったから、今日は特別に二つ食べて良いから。元気出せ、な?」
「うん、がんばる」
見開いたままの大きな碧い瞳に、涙を溜めたままで頷く泣き虫フラン。
「わーい、私も二つ~。いじわるクラリスには分けてやらんぞー」
そしてクラリスをからかうミラは……だんだん子供のようになったきた気がするのは、果たして気のせいだろうか。
「クラリス、悪いな」
「もう、クロセ様は仕方ありませんねえ。今日だけですよ」
「ホント、悪い」
肩を竦めて見せるクラリスに両手を合わせて拝むと、クスリと笑って返してくる。
「それじゃ、私も二つですよ」
「はいはい、クラリス様のお好きなように。今日は俺が責任をもってご馳走させていただきますので」
「まあ、クスクス」
両手のひらを合わせて拝むよう謝る俺を見て楽しそうに笑うクラリスは……ミラレイア第一王女が本当に子供のように楽しそうに笑うのが、嬉しくて仕方がないといった様子だった。
「(アリスちゃん、何かここだけ良い雰囲気ですよ)」
「(何かムカつくわね)」
「(おお、クラリスにもついに春がっ)」
「(ハクローさんはずいぶんと年上が好みなんでしょうか)」
「ギロッ」
「びくぅ!」
馬鹿なことをこしょこしょつぶやいている少女達の中で、アホの子のフランがメガネをクイッと上げたクラリスに睨まれていた。
◆◇◆◇◆◇◆◇
「でへへ~」
「ほら、フランちゃん、ほっぺにクリームが付いていますよ」
ケーキ屋のテラス席の丸テーブルで軽食を取った後、そのままケーキを全員が二つづつ注文して、まるで丸テーブルの上はケーキバイキング状態だ。
フランの機嫌もすっかり良くなって、ルリが面倒を見てくれているのでひと安心といったところか。
「あー、それ私が食べようとしていたイチゴ!」
「姫様、それは私が取っておいたチョコボールですよ!」
お前らは仲が良いんだか、何なんだか。王城にもケーキぐらいあるだろうに。
あ、年を取ると甘いものを食べ過ぎたら、吹き出物が出るって姉貴達が言ってたから……それで。
「ピキューン! クロセ様、何か失礼なことを考えましたね」
「姫様、吹き出物なんか……なんか……ううっ」
「悪かった、悪かったって。ほら、クラリスも俺のガトーショコラの上のチョコプレートを上げるから、元気だせ、な?」
「クロセ様、うう……ありがとうございます」
これはこれで、すっげーヤバイ。それにしても、ナゼばれた?
「(やっぱり、クロセさんはハーレムを目指しているんでしょうか)」
「(ハクローにそんな甲斐性があるわけないじゃない)」
「(フランちゃん、そうですよ。アリスちゃんの言うとおり、クロセくんはヘタれですから無理ですね)」
「(こくこく。ハク様、がんばれー)」
「(クラリスも、がんばれー)」
何かこしょこしょと漏れてくるガールズトークに、そこはかとなく貶されてる気がするのは、決して間違いでは無いと思う。
山のようなケーキを見ていると流石に胸やけがしてきそうだったので、椅子に座ったまま、剣四本の内まず一本を【時空収納】から取り出す。
気になって【解析】でステータスを見てみると、確かに武器としての名称が【カタナ】となってた――直刀なのに、なんでだ。日本人の感覚としては、見た目的にも違和感が半端ないのだが。
「この【カタナ】に【時空錬金】で錬成して、スロットを三つ追加して。
アリス、これに付与効果が三つって、何がいいのかな?」
「んー、そうねぇ……ハクローのさっきの使い方なら【切味強化】、【物理強化】、【自動修復】かしら」
「了解、ルリ頼めるか?」
「わかりました、ちょいちょいっと。クロセくん、みんなLv2になっていますよ」
「おぉー、それは凄いな。サンキュ」
「ふんすっ、実は【付与】のレベルアップがんばりました。みんなのミスリル魔法具の付与効果も上書きして、Lv2にレベルアップしてありますよ」
「偉いぞ、でも無理はするなよ」
かんばってるルリの白髪の頭をなでる、なでりこなでりこ。
ふと見るとシスター・フランの口は拭いてあげているのに、ルリは自分のほっぺにはチョコチップをつけたまま紅い瞳を細めてうれしそうに微笑んでいた。
仕方がないので、なでる手とは反対の指先でチョコを取ってやる――ちょい、ぱく。甘いミルクチョコだ。
「あ」
「ほら、取れた。きれいなったぞ」
「えへへ~、クロセくん。ありがとうございます」
フォークを咥えたままで照れるように微笑むルリ。
「あー、ルリおねーちゃんだけズルいでしゅ」
「何かここだけ、すっごく甘いわね」
コロンは同じようにフォークを咥え、アリスはとうとうソッポを向いてしまった。
「ルリ様、かわいいです」
「姫様、キュンキュンして同感です。うへへ」
怪しく笑うミラとクラリスに、フランはというと。
「わー、いいなぁ。女神様、私にも彼氏を……げふんげふん。私はシスターでしたね」
「はっ! わわっ、クロセくん。残りの三本も【付与】しちゃいますね」
「ああ、頼む」
最近はだいぶ、ふっくらしてきた真っ白な頬を少し桃色に染めて、それでも小さな両手をぱたぱたさせながら、白く長い髪をテラスの涼し気な風になびかせている。
たくさんの友達に囲まれて、紅い瞳をさらに細めながら、うれしそうに幸せな今を微笑む唯の一人の少女がいた。




