EP:26 - The Case-Book of Dazuma vol.2 〜①〜
第26話。
再び警察からの依頼で刑事となるブレード。
しかしいきなり魔法封じの腕輪を着けられ、どうなる?
表紙です↓
https://twitter.com/poh_YmikuIMZVQ/status/1399265004310843397?s=19
旅行の数日後。
ダズマは1人、薄暗いビジネスビル跡の廃墟を駆けていた。
手元には拳銃。
先日逮捕した売人の影武者が消えた。
売人はとっくに裁かれて終身刑が言い渡された。
しかし、その中何故か刑が先延ばしにされていた影武者の男が脱走したのだ。
そして殆ど同時に起こる大量の行方不明事件。
タイミング的に無関係とは思えない。
あの無能な課長がロクに連絡を回さなかったお陰で動きが遅れたが。
アリソンから情報を買い、居所を突き止めた。
危険だとわかっているが、威力偵察も兼ねて潜入中。
外では、大事が起きた時の為にクラナが待機している。
ブレードから新装備としてモノクルももらったのでフル活用。
簡易生体反応スキャナーで中の状態を把握。
いた、人間の反応が1人。
なるべく音を立てずにその部屋を目指す。
他の反応は無い、罠かも知れない。
が、虎穴に入らずんば何とやらだ。
着いた、反応を再確認するがここに違いない。
他に反応は無し。
足踏みしているとそれこそ何か用意を許してしまうかもしれない。
ロックを確認...掛かっている。
まぁ、解けない事はない。
昔コルトからピッキングを習った、こういう時に役立つ技術だ。
それなりに早く解け、ドアを開いて隠れる。
中で機銃など設置されていたらお陀仏だ。
が、何の反応も無い。
ゆっくりと覗き込んでみると、そこにいたのは。
質素な木製の椅子に縛られ、目隠しをさせられた少女の姿が。
「ッ!?」
銃を即座に仕舞い、彼女の元へ駆け寄る。
その際にワイヤートラップ等が無いのも確認し。
素早く解く。
「大丈夫か?」
目隠しも外す。
蒼色の長い髪に、蒼色の瞳。
異様な空気を纏っている。
行方不明事件の被害者か...いや、それはともかく。
「動けるか?」
少女は虚ろな瞳でこちらを見た後、こくりと頷く。
さて...クラナへ通信を飛ばす。
「ミューセラミス、民間人の少女を保護した。」
どうしたものか。
結局、そこではその少女以外に何も見つからず。
後日、他の捜査員も調べたが何も無かった。
確かにアリソンにはあそこに標的が出入りしていると聞いていたのに。
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帰ってきたらあっという間にいつも通り。
お土産の饅頭等を多方向に渡し。
特に、何かが死んでいたトレムには多めに、子供達の分もあるし。
そして現在ブレードは、接客中。
ヴィネット一家に。
久しぶりの家族水入らずの外食に赴いた。
マハロに。
「お前ら、もっと良い店行けるだろ。」
「何言ってるのかしらBの坊や。」
「ここが一番気兼ねなく食べれるレストランじゃないか、ブレード君。」
「カフェな...いや料理出すけどよ。」
前に一緒に飲んでから父親にも気に入られた。
何だと言うのだ。
「ブレード、ワインのおかわりを頼む。」
「良いが、飲みすぎんなよ。」
「わかっている、まだお母様みたいになりたくないからな。」
「Bの坊や、チェリムが最近冷たいのよ...」
「己の失態と日頃の行いを悔いろ。」
バレてから自重しなかった結果である。
それでもチェリムは母を慕っている。
筈だ。
「すみませんブレードさん、いきなり押しかけちゃって。」
「気にすんな、名家に金落としてもらえるんだからな。」
「ふふっ、ブレードさんらしい言い方ですね。」
多少変わった事があってもいつも通り。
旅行から帰って、チャールズからある物を受け取った以外は。
前にブレードは刑事として仕事を受けた。
ある売人の確保。
そしてその売人の証拠品には、変わった物があった。
武器なのだが、違法A.Wとも違う。
それは小さな槌。
黄土色の小槌。
ラヴィーヌと同じかも知れない、黄土色と言えば...土だろうか。
土属性の魔石を結晶事購入して叩きつけようか。
ともかく、それを非公式ではあるが、ブレードに渡されたのだ。
そして。
「そうそう、Bの坊やに渡したい物があるの。」
そう言って、シスカは小箱を取り出す。
酔っぱらう前で良かった。
さておき、小箱を開くと。
入っていたのは、持ち手が金色で本体が黒紫の短な杖。
否、伸ばすタイプの杖。
「おいおい、まだ足腰は健在だぜ?」
「ふふ、けど今のあなたには必要な物よ。」
シスカに、自分が何を求めているか伝えた覚えがある。
つまり、これも武器...神器か。
「我が家に代々伝わる雷鳴の杖...でしたね、お母様。」
仰々しく箱に入れられている時点で何かと察したが。
「いいのか?」
「えぇ、上手く使いなさい。」
「感謝する。」
頭を下げ、手に取る。
するとソレは激しく紫電を発しブレードの身体を包み込んだ。
焼き焦がすの如く激しさを増すその光景に気が気でなくなるソニアとチェリムは手を伸ばす。
ラカムも予想外の様で心配そうに見守るが、シスカだけは冷静だった。
そして晴れた時、杖の先がさす又の如く分かれ、持ち手から下に金装飾が増えた杖を手にしていた。
グリップの先を、銃のグリップの様に握り。
金装飾の部分に支えとして手を添え。
その構えは正しく。
「ライフル...?」
そう、それもスナイパータイプ。
伝統の品で、大事にされていたからか最初から限界強化されているらしい。
撃てば雷が撃てるという所か。
そして杖なので、杖術として振り回せる。
「ありがたく頂戴するぜ、名前は?」
「雷鳴の杖とだけ...あなたが新しく着ければ良いんじゃないかしら?」
「ふむ...ソニア、何かあるか?」
「はい!?」
まさかのキラーパス。
いきなり振られてもとあたふた。
味方を求めるが、家族は揃ってニタつきながら。
「そうね、我が娘のネーミングセンスに期待するわ。」
「かっこいい名前になるのかな。」
「大事な大事なアピールチャンスだぞ。」
「もうっ!!」
揶揄ってばかり。
全くこの家族は。
しかし...やっぱり浮かばない。
「お、お時間いただいて良いですか?」
「別に今じゃなくていいぜ。」
ともあれ、後は再び食事を楽しんだ。
ヴィネット家が帰った頃に着信。
メアリーからだ。
「どうしたよ...え?」
神器を一気に2つも入手。
そして段々お堀が埋められている。




