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嵐山⑦

「コォラァァ!!なに許可なく、アイドル声優の写真をいきなり撮ってんのよ」

歌織の不意打ちに裕華の素が出てしまう。


裕華の声が突然4オクターブ下がった、ドスが効いた声に変わり、イケメンと車夫はドン引きする。


「えぇ~いいじゃないですか、ゆーぼう先輩、映えてますよ」

歌織はひるむ事なく、写真を撮り続ける。


「ゆーぼう先輩、顔が怖いですよ~、笑って笑って~」


裕華はすぐさま雑誌で作り慣れた、グランプリな笑顔になる。

しかし、一般人のイケメンは余計に引きつった顔になってしまった。


「オッケーでーす。それでなんで人力車に乗ってるんですか?」


「ちょっと間違えてお酒飲んじゃったから休憩がてらに乗せてもらってるのよ」


「なんですかそれ~、何杯飲んだんですか?」


「ちょ、人を酒豪みたいに言わないでもらえますか」


「みたいって、なんですか~、しゅ」


「それより沙音はどこ行ったの?」


あいかわらず空気の読めない歌織の発言を阻止するために、裕華は大声で話題を変える。


「沙音はなんか、たまたま同級生と会ってしまって、お茶してます」

歌織は口を尖らせ、報告する。


「何それ、挨拶して歌織も一緒にお茶すればいいじゃない」

コミュ(りょく)モンスターの裕華が人見知りにムチャぶりする。


「沙音はの同級生は、男3人だったんでゆーぼう先輩ならできるかもしれませんけど、あたしには無理です」

皮肉たっぷり、歌織がイヤミを込める。


「あの、よかったら変わりましょうか?」

お金を払ったイケメンが人力車を降りようとする。






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