せや京都に行きまっせ⑥
「今朝あたしが新幹線のチケット買う時、この席は予約済みだったんですけど、あなたの席だったんですか?」
瞳を輝かせてイケメンを見つめる裕華は、ようやく釣れたイケメンを逃さない。
物理的にも心理的にもイケメンをはなさない。
グイグイ会話を続ける裕華がMCの本領発揮する。
「はい、あの、私が購入したんですけど、ツレが行けなくなったんで、空いてます」
イケメンは歌織の方を見ながら説明する。
手を握られた状態にドキドキしているようだが、当然ながら特別な感情には見えない。
どちらかというと、変質者に出くわした方のドキドキであるように見える。
裕華が手を握ったまま会話をまわす。
「えぇ~それは残念ですね。今日は仕事ですか?旅行ですか?」
「旅行です」
「ぇ?旅行なんですか?すごい!偶然ですね!私達も旅行で京都に行くところなんです♡」
「♡♡どちらに旅行に行かれるんですかぁ?♡♡」
「京都です」
「うっそ~~!!!すごい、偶然ですね!」
「そうですね」
イケメンは手を離してほしそうに苦笑いしているが、裕華は黙殺してガツガツ攻める。
「あたしたちは一泊二日で京都の縁結び神社を回る予定なんです~、みんな彼氏いなくって!そちらはどんな予定なんですか?」
「二泊三日で京都、大阪をブラブラして帰る予定です」
「おひとりで回られるんですか?」
「そうですね、お一人様旅行ですね、ハハハハハ」
美少女あらため美女(裕華)に手を握られ、至近距離から熱視線を浴びるイケメンの空笑いをする。
「もしよければ、いっしょに京都を回りませんか?」
裕華が後輩の許可をとらずに個人プレーに走る。
裕華の独断を歌織が、いつものように見下すとイケメンと不意に目が合う。
「ありがとうございます……」




