せや京都へ行きまっせ①
「え?追放?ここは現代日本ですよ」
ふぅとため息しながら歌織はどうでもいいところにひっかかる。
「わかってるわよ!ちょっとアレっぽく言っただけ」
「結婚相談所を退会させられました」
裕華はなげやりに、大声で報告した。
あはは
「さっき聞かされた話しだと、退会というより入会拒否すよ」
浜倉沙音は嘲笑を湛えた瞳で修正する。
浜倉沙音は芸歴も年齢も歌織より後輩の24歳である。
しかし、明るくサバサバした性格で先輩にも物怖じしない。良い性格だった。
歌織と裕華が頼りなさ過ぎてあまり先輩扱いしてもらえていない事もあるが…。
浜倉沙音は元STANDStills」の末っ子、清野かえでの1つ年上だが、芸歴では末っ子扱いだった。
胸の発育が一番良かったが本人はコンプレックスに感じ、ボーイッシュな服装を好む。
髪も一番ショートなボブである。
それでも声優会きっての、ちょっと釣り目がちな黒髪美少女である。
「ゆー先輩も京都行くらしいですよ、ホテル1人追加できたそうです」
沙音は裕華と京都に行けるの事を本心から嬉しそうに話す。
「へー良かったですね、ゆーぼう先輩」
歌織は裕華が増えたけど、別に気にしなかった。
「良くないよ!お見合いゼロだし、沙音に新幹線とホテルのチケットあげたから、自分の分は買い直しだし、踏んだり蹴ったりだ」
裕華はプンプン怒りながらも少し嬉しそうだった。
「ごちでーす。ゆー先輩CDデビューしてないのにスミマセン」
沙音はサラッと先輩をイジッてくる。
「わざとだから!もう結婚するから、あえてCDデビューしないだけだから」
「てか、CDデビューしてないけど、デビューしてる沙音より稼いでるからな」
のけぞりながら裕華はイジリ返す。
仲の良い3人は平気で言いたいことを言い合えた。
「水原先輩は結婚してるから無理だとしても、かえでと由比もこれたら良かったのに」
沙音は水原奈央だけ敬語だった。
「かえでは仕事だからしょうがないでしょ」
裕華は後輩なのにかえでに意外と気をつかう。人間的に先輩に見えてしまっているのがよくあらわれる。
「仕事っていっても鉄道ゲームして、動画アップするだけですよ」
歌織は案外かえでに物怖じしていない。
「えらいですよね。私たちもホテルでゲームしてそれぞれのSNSにアップしましょう」
沙音もけっこうしっかり者でファンの為に提案する。
「え~めんどくさいからいいよ」
歌織はマジめんどくさそう。
「気が向いたらね~」
裕華も絶対にアップしなさそう。
「この先輩達は、…だから最近、かえでとかにファン取られてるんですよ」
「とられてないし、まだあたしの方がフォロワーも売り上げ枚数も上だし」
「ファンサしましょうよ」
「気が向いたらね~、とりあえす、あたし新幹線チケット買ってくるわ」
裕華がチケットを買い、3人で新幹線に乗り込んだ。
そしてまた、奇跡が起こる。
事前に購入した指定席2枚に佐崎歌織と浜倉沙音が座る。
今日、購入した裕華の席の隣の隣に超イケメンが座る。
ミラクル相席新幹線が走り出す。




