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天国④

「さぁ次は私が歌織に納豆料理をごちそうします。メールを紹介します。」

「ペンネーム:ミルクティーに納豆さんからです。」

「タピオカミルクティーって納豆が混ざっていても同じような粒だから、わからなそうですよね?」

「ゆーぼう先輩、歌織ちゃんに美味しい納豆タピオカミルクティーを食べさせてあげてください。との事です」


「ばか馬鹿バカ、納豆を飲めるはずないでしょ」

歌織は全力で拒否する。番組という事を忘れて、本気で嫌がる。


「でも、ミルクティーに納豆を入れたら歌織の苦手なネバネバ食感がなくなるから、飲めるんじゃない?みんなもそう思うようね?」


井ノ瀬裕華はとても楽しそうに観客に問いかける。


客席からは歌織コールとガンバレーと声援が上がる。


「では、納豆タピオカミルクティーを作っていきます」


裕華が納豆3パックをボールに移して全力でまぜる。


歌織からは悲鳴が観客から歓声があがる。


「ちょっと、入れすぎ!混ぜすぎ!なんですけど」


「納豆は混ぜれば、混ぜるほど、ネバリケがでて美味しいから!頑張る!」


裕華はメレンゲを泡立てるかの如く、全力で納豆を混ぜる。


歌織がいくら止めても裕華は混ぜ続ける。


時折、休憩を挟みながら裕華は納豆を混ぜ終えた。

綿菓子のように真っ白な繭につつまれ、最前例まで届きそな強烈な匂いを納豆は放つ。


ステージの端から端まで走って、観客に納豆を見せる。



観客からゆーぼうコールが沸き起こる。


ステージ中央に戻った裕華が手拍子を始めると、よく聞く音楽が鳴る。


観客も裕華に合わせて手拍子を行い、お約束の音楽とお約束の流れが準備される。


「待って待って、ムリ無理むり!ゆーぼう先輩、全部入れちゃだめですよ!!」

歌織は真っ青になって目の前のタピオカミルクティーを撤去しに行こうとするが、黒子のスタッフが物理的に引き止める。


「「「「せーのーー  ダーーーー!!!!」」」」


観客と裕華がシンクロしながら叫び、全ての納豆をタピオカミルクティーに投入する。


「キャーアーーーーー!!!!」

歌織が悲鳴を上げてステージから幕間に逃亡しようとするが、優秀な黒子にがっちり捕まえられ失敗する。


裕華が納豆タピオカミルクティーを歌織の顔に差し出し、白い歯をこぼす。


「召し上がれ」


歌織は匂いにむせて、咳き込んでしまうが歌織の味方は一人も見当たらない。


かおりがんばれー!歌織ーーーーー!!!!


観客から聞こえる声援を恨みながら歌織がストローを咥える。


「いくよーー!」


ストローから口を外し、大きく叫んだ反動を使って一気に吸い込む。

その瞬間、口に納豆が大量に入ってくる。

甘いタピオカミルクティーに納豆が圧勝し、人生で一番まずい納豆を体験する。


歌織も即座にテーブルの下に用意されたバケツを使用する。


「これは、ダメなやつです。先輩ちょっとだけ飲んでみてください」


歌織はおぇ、おぇ、えづきながら裕華に納豆タピオカミルクティーを差し出す。


「わかった。後で飲むから!とりあえず結果発表します」

裕華はMCの仕事に逃げてサクサクカンペを読む。


「歌織、0口、裕華0口、引き分け」

「2人とも罰ゲーム?え?」

「2人にはお客さんがキュンキュンしちゃうおいしいセリフを言ってもらいます??」

裕華が不服ながら進行する。


「だってさ歌織、なんかおかしくない?あんなに頑張ったのに」


「おかしいですよね、ゆーぼう先輩、みんなもおかしいと思うよね?」

歌織が問いかけても観客から返事がこない。


「あれ?さっきまでみんな優しかったのに、どうした?」


「みんなもおかしいと思うよね?」


      


 ・・・・・・・・・・・・・・



会場が静まりかえる。


「ダメだ歌織、あきらめてキュンキュンセリフにいこう」


「行きますか」


「じゃあ私から行くんで、その後に先輩で交互にかましていきましょう」


「オッケーわかった」


「じゃあ行きますよーーー  みんなーーー大好きーーーーー!!!!」



ウォーーーーー!!!!大好きーーーーー!!!!

観客からレスポンスがくる。


「みんなーーー    あいてしてるーーーーー!!!!」


わぁああーーーーーー!!!!あいしてるーーーーー!!!!


「みんなに会えて良かったーーーーー!!!!」


会えて良かったーーーーー!!!!


「あたしら2人でみんなメロメロにしてやるよーー!」

メロメローーーーー!!!!


「まだまだいくよーー!ずっと大好きーーーーー!!!!」


ずっと大好きーーーーー!!!!


「みんなとずっといっしょだよーーーーーー!!!!!」


ずっといっしょだよーーーーー!!!!


「クリスマスは毎年みんないっしょだよー」

いっしょだよーー!!


「みんなと結婚してあげるーー!!!」


結婚してーーーーー!!!!


「もっと大きな声でーー!!!」


結婚してーーーーー!!!!!!!


「もっともっと大きな声でるよね?」


結婚してーーーーー!!!!!!!!!!!


「オッケーー!!!」


歌織と裕華は観客をキュンキュンさせるはずが、自己満足するセリフを並べた。


イベントは最初から最後まで、佐崎歌織と井ノ瀬裕華への美辞麗句が並び終了した。


推しに優しいクリスマス客が2人を接待する。


二回まわしだか、半分は同じお客さんが二回入る。


二回目の接待は、一回目よりもさらに上手に接待する。


どちらが客かわからないイベントが無事に終わった。


ステージからキラキラした目をした観客を見て2人が自信を取り戻す。


楽屋で帰り支度をしながら裕華が宣言する。


「あたし明日、結婚相談所に行くけど、条件は変更しない」


「そうですね、変更しなくても結婚できますよ」


「歌織もそう思う??」


「はい!ゆーぼう先輩はお見合いしたらすぐ結婚を申し込まれると思います」


「そうよね、じゃあやっぱり、条件は変更しない!」


「頑張ってください!あぁ、じゃあ2日の京都はやっぱりお見合いですかね?」


「そうね、明日結婚相談所に行くから27日28日2日3日はお見合いかな?」

「なんせあたしは1人しかいないし、お見合いって1日二回、午前、午後が限界らしいから」


「じゃあ、4日で8人ですか、絞らなきゃですね」


「そうね、かえでか沙音に私の京都チケット渡しとくわ」


「わかりました!ではゆーぼう先輩、良いお年を」


「歌織も、良いお年を」



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[一言] 納豆タピオカミルクティーはさすがにヤバイw
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