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SOS 095 目的

 フランドルという脅威は去ったが、

ぼ冒険者の連中とギルド職員は、まだ

この現場から立ち去ろうとはしなかった。


「あ、あの、これは何を

しているんですか?」


 リオンが素直に聞く。

もちろん聞く相手は、オズマットだ。


「はい? ああ、まだ

本命の《洞穴》付近で

一悶着あるみたいなのでね?

追われた獣とか、そういう害獣が

大量に下山するとここいらの住民に

被害が出ますもんで。

待機してるわけですよ」


 先程とは違い、やや丁寧な口調と説明に、

リオンはちょっと不満げな表情を作る。

 とても他人行儀な言い方に聞こえたからだ。


「ちょっと先生?

言い方が冷たく無いですか?」


「(……ヤベエな)いつから

俺があなたの先生とやらになったんです?」


 冷静にオズマットは尋ねる。

リオン自身は生まれと育ち、立場を考慮しても

とても素直で真面目で配慮出来る

才色兼備な娘だが、

他のそういう連中と変わらず,

思い込みが激しい特性を持っている。


 オズマットはその危険性について、

早々に気がついた。


「私が受けた今までのその授業より、

先ほどの授業は感銘を受けました。

つまり、オーサー先生は

今までで最高の先生ということです」


 えらく真っ直ぐな目で見上げてくる。

オズマットは誰かに助けを求めるように、

辺りを見回す。


 ちょうどそこに、指示確認を終えた

ベントリとピースが現れる。


「ちょっと待って下さいね?」


 作り笑いを浮かべながら。

オズマットはリオンに断りを入れる。


「すまんが、何とか俺から興味を

逸らしてくれ」

「ええ~? いいじゃないすか?

リオンちゃん可愛いし」

「そうですね。つき合っちゃえよ」

「お前ら子供かっ!?」


 ピースとベントリはまともに

手伝う気がないらしく、

かなり適当にあしらわれた。


 もっとも、

責任は自分にあることは確かだった。


「先生、ちょっと良いですか?」

「え? ああ、どうしました?」

「向こうで、一般人の方が負傷されたそうです。

治療を行いたいのですが」

「是非。お願い出来ますか?」

「はい。お任せ下さい」


 にこやかに、颯爽と現場へ向かうリオンの

後ろ姿を見ながら、三人は

各々の感想を言う。


「いい子っすね~」

「っそうだな、まあそれは確かに」

「いい子ですね。つき合っちゃえよ」

「うるせえよ!」


 オズマットは話を変えるべく、

リオンから聞いた《洞穴》の状況を

手短に伝える。


「……なるほど、やはりその

サイエンという仮面女は、いささか

厄介なようですね」

「ああ、いくら不意打ちとは言え、

あれだけの連中を分断するとなると、

地方ギルドじゃ手に余る脅威だぜ」


 ベントリはその言葉を聞きつつ、

ある一つの疑問が思い浮かぶ。


「オズ先生」

「んだよ?」


「サイエン氏の狙いは

何なのでしょうね?

それに災厄のアルマも、

どうしてサイエン氏に

従っているのでしょう?」


「やっぱそこだよな?

本気で不意打ちすれば、

それこそ王様の暗殺なんて容易い。

それだけの腕を持ってる。

となれば、目的はそこじゃないのか……?」


 オズマットは、ふとカルマリの方角を見る。

もちろん、何一つ確証は無いものの、

あのサイエンの神出鬼没さは、

常識の範疇を越えるものだと考えた。


「あの国王を殺しても、

また面倒な選挙が始まるだけだってのによ」



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