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SOS 090 vsサイエン3

 グレースの攻撃から立ち直った面々は

《洞穴》の外へ逃げる三つの影を追う。


 その場に取り残されたのは、二体のサイエン

だけだった。

 コブちゃんズと姉妹ズはサイエンに

見向きもせず、ワラワラゴチャゴチャと

敵を追いかけることに執着する。


 情もへったくれもない光景だった。


 暫くして《洞穴》の奥から、

サイエンに近づいてくる影があった。


 三人目のサイエンだ。


『カイケンちゃんの奴。

本気でやりにきてんじゃん。

マジムカつくわー。

しかも的確に頭潰しにきてるし、

これ高いのに…』


 綺麗に頭部を破壊された二体のサイエンを

見下ろしながら、サイエンはぶー垂れる。


 しかし、実際それほどは怒っていないようで、

二体の破損状況を冷静に検分する。


 きっちりと頭部だけ破壊されているので

修復はそれほど面倒でもなさそうだ。

 見た目の凄惨さから比べれば、軽微と言っても

問題は無いだろう。


『貸しのつもり?

わっかんないなー、カイケンちゃんのやることは。

彼氏に再会してほだされちゃった系?

ま、どうでもいいけど』


 サイエンは検分を終えると、とりあえず

全体の状況を確認した。


『姉ちゃんズ達が追いつくのは出てからか。

機動力重視じゃないから仕方ないねー。

ん? そっか、膳ボーイは外で待機ってことね。

ま、あいつ運痴(運動音痴)っぽいし、

グレースのおばちゃんが言い出しそうね。

あるいはクソ陛下か。

《融合化》つっても今は制限まみれだし、

脅威といえば、脅威ってぐらいか。

アルマの爺ちゃんは……なんか、

楽しそうな感じね。

女の子と戯れるジジイ……、まあいいか、

老い先短いしね。

んで、

フランドルくんは……やっぱキツいか。

でも牽制しとかないと

《不全》と《不落》のコンビは勘が鋭いからなー。

聖導士さまちゃんと一騎打ちでも

分が悪いから、まあそうなるわね。

倒されるのも時間の問題……

お? リオンちゃんやった?

凄いじゃん、単独撃破。

やっぱ美人は絵になるなー、

マジうらやま。あたしもああいう系の

美人に生まれたかったー。

あああー、美少年を侍らせてみたいー』


 先のクソ陛下と同じ程度の願望を

だだ漏れさせるサイエン。


 目まぐるしく変化する三つの、

いやそれ以上の風景を的確に分析していく。


『ま、ちょうど頭をもがれちゃったし、

使えるとこは使いましょうか。

フランドルくんと近衛兵長さんの死は

無駄にしないですのことよー』


 尊厳の欠片も感じさせないサイエン。

死者の魂を冒涜するように、サイエンは

倒れた二人の自分におまじないをかける。


『さてさて、うまくいけば

カルマリも国王も両方手に入るって寸法よね。

うひひー楽しみー』


 おまじないをかけた二体は、

ブルブルと震え出し、その体を

グニャリと変化させた。


『見た目だけ騙せれば十分よね。

とりあえずこれぐらいでいっか』


 元々サイエンだったそれは姿形を変え、

フランドルと近衛兵長へと作り変えられる。


『後は仕上げをご覧じろってね!』


 サイエンは心から楽しそうに喝采を上げた。

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